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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 ― 第50回

VIAチップセットの歴史 その1

良くも悪くもインテルに振り回されたVIAチップセット

2010年05月10日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/)

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 チップセットの話題でインテル/AMD&ATI/NVIDIAと来れば、次はVIA/SiS/ALI&ULiという台湾チップセットベンダー御三家の話も語らねばなるまい。そこで今回からVIA Technologiesのチップセット事業について解説したい。

 といっても、ALI&ULiはもうNVIDIAに買収されてしまったし、VIA/SiSともにチップセットビジネスはあまり盛んではない。VIAはすでに自社向けチップセットしか作っていないので、事実上撤退に近いようなものだが……。そんなわけで、今回はインテルCPU向けチップセットをまとめてみた。

Socket 370世代までの、VIAのインテル向けチップセットロードマップ
Socket 370世代までの、VIAのインテル向けチップセットロードマップ

VIA初のチップセット製品は96年のApollo VP1

 VIA Technologiesの創立は、1987年と比較的新しい。当初はシリコンバレーに本社を構えていたが、1992年に台北に移動し、現在に至る。チップセットビジネスに参入したのは、実は台湾御三家の中では一番最近であり、1996年に発売された「Apollo VP1」が公式には最初の製品となる。非公式にはそれ以前からあれこれOEM供給などをしていたようなのだが、これに関する信頼しうる資料がないので、一応Apollo VP1を最初の製品としたい。

 Apollo VP1はSocket 7用のチップセットで、競合製品は「Intel 430HX」あたりだったようだ。構成的にはノースブリッジの「VT82C585VP」とサウスブリッジの「VT82C586」以外に、データバッファの「VT82C587VP」が2つ必要という4チップ構成だった。当時ではそれほど奇異ではなかったとはいえ、430HXはすでに2チップ構成だったから、これはかなり見劣りするものだった。

 とはいっても急には変更できなかったようで、まずSocket 7の拡張である「Super 7」の盛り上がりに応じて、75MHz FSBに対応した「Apollo VPX」を1997年1月にリリース。さらに同4月には、2チップ構成となった「Apollo VP2」をリリースする。インテルはこの時点ですでに「Intel 430TX」をリリースしていたが、なんとか構成もスペックも肩を並べるものになった。

 ここから、Super7向けの機能拡張が施されてゆく。まず1997年10月にAGPに対応する「Apollo VP3」が登場。このApollo VP3は、SDRAM対応に加えてDDR SDRAMまで対応した意欲的なものだった。しかし、このDDR SDRAMは後に普及した標準化団体「JEDEC」の規格とは異なる独自仕様のもので、やはりほとんど使われずに終わる。

 これに続いて、Apollo VP3の機能強化版である「Apollo MVP3」が、1998年10月にリリースされる。こちらは100MHz FSBに公式対応した、Super7プラットフォームの代表的なチップセットとして広く使われるようになった。

 またこのApollo MVP3に、(後にXGIに買収される)Trident社のGPU「rCADE 3D」を統合したのが「Apollo MVP4」である。こちらもSuper7向け統合チップセットソリューションとして、特にバリュー向け製品で多く採用されることになる。

 このApollo MVP4はまた、NEC(のちのエルピーダ)が開発した「VCM」(Virtual Channel Memory)という独自仕様のメモリーに対応していたが、当初はほとんど利用されなかった。ところが1999年9月に起きた台湾大地震によりDRAM生産が大打撃を受けると、特にスポット市場向けのDRAMが激減、価格が高騰した。

 皮肉なことに、VCMは流動性の高いスポット市場でほとんど流通していなかった関係で、ほぼ全量近くがコントラクト市場(メモリーのチップベンダーとモジュールベンダーが長期供給契約を結ぶ方式)で取引されていため値段が安定していた。その結果として、価格の安定したVCMが1999年後半に一時的ながら大量に利用されるようになり、これをサポートしていたVIAのチップセットが持てはやされる、というちょっと面白い現象が起きたこともあった。

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