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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第47回

NVIDIAチップセットの歴史 その2

インテル向けやGPU内蔵に進出したNVIDIAチップセット

2010年04月12日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/)

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NVIDIAのAMD向けチップセットロードマップ

NVIDIAのAMD向けチップセットロードマップ

Socket AM2対応のnForce 590シリーズを投入
一方でnForce4の復活も

 このMCP61が登場するちょっと前に登場したのが、ディスクリート向けの「nForce 590」シリーズである。ノースブリッジは引き続きCrush51Dを使いつつ、サウスブリッジに「MCP55」を投入した点が違いとなる。

nForce 590搭載マザーボードの例

nForce 590搭載マザーボードの例

 ここからCrush51Dを抜いたのが、x8 SLI構成の「nForce 570 SLI」。そこからSATAポートや外部接続用PCIeレーンを若干減らしたのが、低価格向けの「nForce 570 LT SLI」である。また、nForce 570 SLIからSLI機能を省いたのが「nForce 570 Ultra」。ここからさらに機能を省いたメインストリーム向けが「nForce 550」になる。

 このMCP55はその後、「MCP65」に変更され、「nForce 560 SLI」やそのSLI無効版である「nForce 560」、さらにはエントリー向けの「nForce 520」や「nForce 520LE」も登場する。

 これらはSocket AM2対応プロセッサーの普及にともない、ハイエンドからバリュー向けまですべてがSocket AM2で統一されたことを受けて投入されたものだが、どうやらnForce 520でも、まだ十分には安くなかったらしい。そのため、nForce4 SLIのラインナップをSocket AM2対応に変更したチップセットとして、「nForce 500 SLI」(旧nForce4 SLI)、「nForce 500 Ultra」(旧nForce4 Ultra)、「nForce 500」(旧nForce4)がラインナップされた。

 もっとも、このnForce 500シリーズのラインナップはワンポイントリリーフといった感じで、実際2007年8月の同社のProduct Briefには載っているのに、同12月のProduct Briefではなかったことになっているあたり、「単にnForce4シリーズの在庫整理のために型番だけ変えたのではないか?」という気さえする。

 何はともあれ、なんとかインテル向け製品とGPU統合製品をそろえられたのがこのnForce4/nForce 500世代だった。

今回のまとめ

・PCI Express対応の「nForce4」シリーズは、AMDだけでなく待望のインテルCPUにも対応した最初のチップセット製品となった。ただし2006年までのインテル向けラインナップは、マイナーチェンジに終始した。

・NVIDIA初のPC向けGPU統合型チップセットになったのは、NV44世代のGPUコアを搭載した2005年9月の「GeForce 6100/6150」。2006年8月登場の「GeForce 6150LE」などでは、GPU込みでの1チップ化も実現した。

・GPUなしの「nForce 590」シリーズも同時期に登場する。ラインナップは豊富だったが価格がやや高かったようで、2007年には一時期、nForce4をリネームした「nForce 500」シリーズが復活登板する事態も起こった。

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