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Windows Serverで学ぶサーバOS入門 第14回

ユーザーアカウントの作成や検索する方法は?

Active Directoryの基本機能、ユーザー登録をしよう

2010年04月27日 09時00分更新

文● 横山哲也/グローバルナレッジネットワーク株式会社

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オブジェクトの削除と名前変更

 Active Directoryオブジェクトの削除は、管理ツールで削除したいオブジェクトを右クリックして「削除」を選択するか、Delキーを押して削除すればよい。ただし、Windows Server 2008から、オブジェクトを誤って削除することを防ぐ機能が追加されている。既定ではOUにのみ誤削除防止機能が有効になっているので、OUを削除するときは注意してほしい。

 誤削除防止機能を解除するには以下の手順で操作する。

  1. 管理ツール「Active Directoryユーザーとコンピュータ」を起動
  2. 「表示」メニューから「拡張機能」を有効化
  3. 削除したいオブジェクトのプロパティを表示
  4. 「オブジェクト」タブで「誤って削除されないようにオブジェクトを保護する」をクリア(画面21)

画面21●ドメインコントローラでOUを削除

 Active Directoryオブジェクトの名前を変更するには、以下の3通りの方法がある。いずれも、エクスプローラでのファイル名変更や、Excelのセル値の書き換えと同じで標準的なWindowsアプリケーションの作法である。

  1. オブジェクト名を選択した状態でマウスを右クリック
  2. オブジェクト名を右クリックして「名前の変更」を選択
  3. オブジェクト名を選択した状態でF2キーを押す

 ただし、コンピュータアカウントは名前の変更ができない。クライアントコンピュータの名前を変えた場合はドメインに再参加する必要がある。

 また、ユーザーアカウントには複数の名前があるため、混乱しやすい。上記手順で名前を変更すると、画面22のようなダイアログボックスが表示される。そこで必要な値を変更する。ダイアログボックスで表示されている名前はユーザーオブジェクトの属性であり、ユーザーアカウントのプロパティでも変更できる。これらの値は、ユーザーを新規に作成したときに指定したものであるが、オブジェクト名は表示名から自動生成されている。しかし、名前を変更するときは自動生成機能が働かないため、個別に設定する必要がある。

画面22●ユーザー名の変更

Active Directoryのフリガナ機能

 Windows Server 2008の新機能に「フリガナ機能」がある。「フリガナ」は日本人にお馴染みの機能だが、日本以外はほとんど使われない。英語のような表音文字を使う言語圏はもちろん、中国語や韓国語でもあまりないそうである。中国や韓国の漢字には複数の読みを持つ文字が少ないからのようだ。漢字にハングルでフリガナ(フリハングル?)を付けてもよさそうなものだが、そういう習慣はないらしい。また中国では、漢字の読みをアルファベットで示す表記(ピンイン)が普及しているが、学習目的の表記法であり、日本のフリガナのように日常的に使う習慣はないという。

 フリガナ機能は日本語ロケールでのみ使用できる。つまり事実上、日本人のためだけに用意された機能だが、最初からけちが付いてしまった。フリガナ機能が有効になっていると(すべての日本語版Windows Server 2008)、実際にフリガナを使っていなくても、Active Directoryスキーマを拡張したときにディレクトリデータベースの複製に失敗することがあるという。

 この問題はすでに修正プログラム(KB949189)が公開されており、Windows Updateで自動的に適用される。ただし、適用はドメインコントローラ昇格前に行なう要がある。すでに昇格してしまった場合は、Active Directoryの再構築が必要になる。Windows Server 2008インストール後、何らかの理由でWindows Updateを使わない場合でも、必ず修正プログラムをインストールしてからドメインコントローラに昇格してほしい。

 本記事は、ネットワークマガジンにて掲載していた連載をまとめたものです。連載の一部は弊社刊行の書籍「Windows Serverマスターガイド」にも収録をしております。

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 また、月刊アスキードットテクノロジーズでは、2010年3月号より本記事の執筆者である横山哲也氏による連載「Windows Server 2008 R2運用テクニック」を掲載しております。最新のWindows Serverの情報に関しましては、こちらもご覧ください。

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