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TECH担当者のIT業界物見遊山 ― 第10回

記者発表会で仕入れたフレーズを担当が独自解釈

巻き取る?VMさん?現場で使える仮想化・クラウド用語

2010年03月15日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

相変わらず仮想化・クラウドは大流行だが、取材や発表会に行くと、ならではの独自の表現に出くわす。ここでは担当が聞きかじった日常で使える仮想化・クラウド業界のフレーズを紹介しよう。

VMwareのCEO会見より。単なる仮想化よりも、自動化や管理を推進するクラウドに軸足を移している
VMさん
言わずと知れた仮想化技術のパイオニアであるヴイエムウェアを指す。業界での存在感を三国志で例えれば、魏がヴイエムウェア、呉がシトリックス、蜀がマイクロソフトという感じだろうか(KVMは?)。それくらい仮想化分野ではFollow The Leader感がある。こうした業界のリーダーをレスペクトして、増えすぎた製品数の多さに畏怖の念を示して、バージョンアップのたびに変わる製品名に困惑して、機能も豊富なんだけど、高価だよなあという多少の揶揄とやっかみも込めて、人はあのベンダーを「VMさん」と呼ぶ。
巻き取る
複数の物理サーバーを仮想サーバーに移行させること。「去年は社内にあった3台の業務サーバーを巻き取りました~」といった感じで使う。昨年のVMware Virtualization Forum 2009のユーザー事例講演で中外製薬の方が、この表現を用いていた。レガシーからの移行感や仮想化への統合感が実に巧妙に表現されていると思う。ぜひお試しあれ。
タイトリー・インテグレーテッド(Tightly integrated)
仮想化環境にある複数のコンポーネントが非常に緊密に結びついている様。戸田奈津子的に超訳すると「相性がいい」になるのだろうか。「VMwareとうちのストレージはタイトリー・インテグレーテッドだ」といった感じで、英語の講演ではよく使われる。個人的には「Integrated」と「Unified」、「Consolidated」の違いがきちんと理解したいところだ。みんな「統合された」に見えるんだけど、違うんだろうな。
P2V(Physical to Virtual)
PはPhysicalの意で物理サーバー、VはVirtualの意で仮想サーバーを指す。つまり、P2Vで物理サーバーから仮想サーバーへのマイグレーションを指す。Toを2と表記しちゃう段階で、プリンスの「Nothing Compares 2 U」を思い出すのは古いかも知れないが、よく使われる。IT業界ではPeer to Peerを表わす「P2P」の方が先か。
イネーブラ(Enabler)
先日のVMさんの発表会で、CEOのポール・マリッツ氏が「私たちはクラウドのイネーブラとして、業界のリーダーになる」といった感じで使っていた。enableは「可能にする」の意味だが、なかなか訳すのが難しい。同時通訳でも翻訳してくれなかった。日経BPさんの記事では、「推進役」という表現でかなりいい感じだと思うが、またもや戸田奈津子的な超訳すると「黒子」や「縁の下の力持ち」が適当かもしれない。実は似たような表現を過去にNetAppの事業説明会でも聞いたことがある。両者で共通しているのは「自らがクラウドやSaaSのプレイヤーになるつもりはなく、あくまで黒子に徹しますよ!」というメッセージだ。一方で、マイクロソフトのようにイネーブラでもあり、プレイヤーでもあるというベンダーもありますな。

 ちなみにこの手の気になるIT用語解説は「ASCII.technologies」の名物コーナー「用誤辞典」が本家だ。息抜きに、ご一読のほどを。

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