各社がこぞって採用するオート撮影モードの違いは?
撮影場所や被写体などに合わせて、カメラが自動で撮影モードを切り換える「オート撮影モード」は、パナソニックの「おまかせiA」が元祖。一般的に採用されている「オートモード」よりも撮影条件の変化に対応しやすく、室内の低照度撮影から夜の街に出て撮影を続けるような場合でも、いちいち撮影モードを切り換える必要がないのは便利だ。
パナソニックの場合は、標準的なノーマルを基準として、顔/風景/スポットライト/ローライトを認識して、それぞれのモードに切り換える。「おまかせiA」のON/OFFもボディの「iA」ボタンを押すだけだ。
これに追従してきたのがソニーとキヤノン。後追いとなるだけに、どちらも対応するシーンが豊富になっていることがポイントだ。
ソニーの「おまかせオート」の場合は、顔(人物/赤ちゃん)、揺れ(手持ち/三脚)、シーン(逆光/風景/スポットライト/夜景/マクロ/低照度)と3つの要素を組み合わせ、約60通り以上の設定を自動で切り換える。
使ってみた印象としては、風景から逆光への切り替えなどは素早く対応するのだが、風景を撮っていて、道ばたの花などをズームアップした場合、マクロへの切り替えがうまくいかないこともあった。こんな場合は、マニュアルで切り換えた方がいいかもしれない。
キヤノンの「こだわりオート」も、複数の要素を組み合わせた撮影モードの切り替えを行なう。明るいシーンや青空、鮮やかなシーンでは逆光補正も行ない、暗いシーンではスポットライトと夜景の認識もする。
さらに、人物/人物の動き/人物以外の被写体・風景/近くの被写体のそれぞれに合わせて、31の撮影シーンに分類して最適な設定を行なう。夜景のシーンを撮っていたときに気がついたのだが、広角のときは「夜景」モードとなるが、被写体に寄っていくと「オート」モードに切り替わってしまい、急に夜空の明るさが変化してしまうようなこともあった。
こうした意図しないモードの切り替わりはキヤノンだけでなく、どのメーカーでも起こりがちだ。こうしたオート撮影モードへの切り替えはいずれもワンボタンでON/OFFできるので、ふだんはONで使い、特定の狙いを持って撮るときは自分で撮影モードを切り換えて撮るように使い分けるといいだろう。
詳細な機能の差異よりは本体サイズが重要!?
今回は使い勝手を主軸に各モデルの違いを見ていったが、機能よりは使い方やボディサイズによる使用感の違いが大きかった。顕著な例といえるのがタッチパネル操作。大きめの上級モデルでは快適に使えるタッチパネルなのだが、コンパクトなモデルでは画面が小さく、タッチ操作がやりにくいと感じることがあった。コンパクトなサイズを優先してモデルを選ぶ場合、必ずしもタッチパネルは必須ではないかもしれない。
同様にオート撮影モードも、手軽に撮影をするには便利な機能なのだが、自分の感性にあった撮影を行ないたいという人には無用と言える(あればあったで、使う機会はあるだろうが)。このように、使いやすいサイズで選んだり、使い方に合わせて求める機能を吟味するのが選択のポイントと感じた。
ミドルクラスの製品はいずれもボディはコンパクトで、手のひらにすっぽり収まってしまう。気軽に持ち運ぶのにも都合がいいし、手が小さめの女性や子供でも使いやすいというのもメリットだと感じた。そして、片手でもしっかりホールドできるのは、撮影中のズーム操作などでカメラがずれたりしないため、不要な手ブレを防ぐ効果もある。
コンデジとデジタル一眼のように、本格的な撮影では上級モデル、日常的に持ち運ぶならエントリー向けの小型モデルと使い分けるのもアリだと思う。
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