基本的には素のAndroid OSなので
大きなサプライズは存在しない
単純にスペックを見ると、とても贅沢なケータイであり、Android OSの最新版を搭載するNexus Oneだが、ニュースなどでは、販売不調が伝えられている。一部では「サプライズがない」との評価もある。最初にアメリカでAndroid端末を販売したT-Mobileも回線契約がセットとなるNexus Oneを扱っているが、それと合わせてもあまり売れ行きはいいとはいえないようだ。
サプライズがないのは、このNexus Oneが、おそらくはAndroid OSのリファレンスマシンとして作られているからだと考えられる。Androidに限らず、複数のメーカーがハードウェアを開発し、オペレーティングシステムをカスタマイズするとき、何か問題が発生したとしてアプリケーション側の問題なのか、システム側の問題なのかを判定するという問題は常に付きまとう。その際、簡単なのは標準的な実装のマシンを決めて、それを基準とすることだ。
そういう意味もあって、Nexus OneはAndroid OS 2.1のままなのだと考えられる。逆にいうと、あまりカスタマイズがされていては、検証という目的にそぐわなくなる。なので、素のままなのであろう。
もう1つ付け加えるならば、Android OS 2.1は2.0のマイナーチェンジ版であり、先行して販売された2.0搭載端末、たとえばモトローラのDroidなどで、2.0での新機能はすでに紹介しつくされている。その点では2.1自体に大きなサプライズはなくて当然といえる。
Nexus Oneの最大の魅力は
常に最新のAndroid OSの動作が期待できる点?
一方、市場を見ると、HT-03AがAndroid 1.5から1.6へのバージョンアップを行なったが、Androidケータイが、常に最新版のAndroidに対応するかどうかは不明な部分が多い。またソニー・エリクソン「Xperia」のように、1.6を搭載して発売するケースもあり、Androidの最新版が出たからといってすぐに切り替わるものでもなさそうだ。
1つには、多くの携帯事業者が大幅なファームウェアの変更に対して、テストを課しており、頻繁なアップデートはコストがかさむという問題もある。事業者の課すテストだけでなく、メーカーが独自機能を追加していれば、当然それらも対応する必要がある。もっと単純にマニュアルの改訂なども事業者が販売する端末としては必要だろう。そういうわけで、すでにリリースされた製品のAndroid新バージョンへの対応は鈍いモノとなると予想される。
これに対して、Nexus OneはグーグルがWebサイトで販売しており、簡単な説明書が付属するのみだ。上記のリファレンス機という存在意義からも、Nexus oneではOSのバージョンアップに合わせて、最新のものにアップデートされる可能性は高い。特に開発を考えると、常に最新のAndorid OSが動作するハードウェアは必須であろう。Nexus Oneには、そういう役目もあると考えられる。