マルチタッチ自体はAPIでサポートするも
iPhoneのような使い勝手ではあらず
Webブラウザは、ブックマークでページサムネイルを表示できるようになり、HTML5への対応が行われた。また、画面上をダブルタップすると、その場所を中心にズームするようになっている。さらにGoogle Chromeのようにアドレスバーでの検索をサポートし、操作が簡単になっている。実際の使用感でも反応はよく、HT-03Aよりもスムースに動く。
その他、マルチタッチ機能がAPIで扱えるようになっており、標準のAndroid Virtual Keyboardでは、両手の親指などによる2本指タッチが行なえる。ただし、それ以外のアプリケーションでは、マルチタッチ機能(たとえばiPhoneのようなピンチイン/アウト)は、サポートされていないようだ。
Googleマップは、ナビゲーションやマイマップの機能を持つ。特にレイヤー機能は、地図にマイマップで作成したマーカーやラインを表示できるため、あらかじめPCなどでGoogleマップのマイマップにさまざまな情報を登録しておけば、いつでもAndroid側のGoogle マップアプリからこれを見ることができる。ただし、この機能はAndroid独自ではなく、他のプラットフォーム用のGoogleマップでも利用できるものがある。
もっとも正確にはGoogleマップなどの一部の標準アプリケーションは、Androidには含まれておらず、あくまでGoogleのアプリケーションという位置付けである(ただし、最初からインストールされてはいる)。
またアメリカでサービスが行われているGoogle Voiceも最初から搭載されているが、アメリカのキャリアのSIMを入れないと、初期化が行われず、プログラム・ラウンチャーにアイコンも登録されない。アメリカの携帯電話事業者のSIMを入れると、Google Voiceの初期化が始まり、設定画面が表示される。なお、このとき留守電の設定などをしなければ、特に通信を行なうわけではないので、アメリカの事業者ならプリペイドのSIMでもかまわない。
Google Voiceには、各社の携帯電話の留守番電話機能をGoogle Voiceの留守番電話(アメリカではVoice Mailと呼ぶ)に置き換える機能があり、これを使えば、録音されたメッセージを音声認識したテキストとして見ることも可能になる。ただし、この機能も、Nexus Oneというよりは、Google Voiceの機能であり、他の携帯電話でも利用できるものだ。
タッチパネルは、液晶よりも大きくなっており、液晶下部にこれを使った4つのソフトウェアボタンがある。HT-03Aなどでは物理的なボタンになっていたものだが、ここはちょっと微妙な使い心地だ。検出する領域が少し狭いせいか、触り方によっては、認識しないこともある。また、本体を持つとき、正面のガラス部分に持っている手の指がかかると、これに影響を受けてタッチがうまくいかないことがある。全体として、モノとしての出来はいいのだが、細かい部分で「あと一歩」という部分がある。今後のソフトウェアのアップデートなどに期待したいところだ。