裏面照射型CMOSセンサーのアドバンテージ
WX1のCMOSセンサーは高感度なだけではなく、高速連写が可能なのもウリのひとつ。それを利用した面白い機能が2つある。
ひとつは「人物ブレ軽減モード」。ISO感度を上げて1回のシャッターで6枚を高速連写し、それを合成することでノイズを約半分に抑えた撮影ができる。もちろん相手は人物じゃなくてもOK。
しかも、連写中に相手が動いたりカメラがブレていて合成に使えないものがあったら、それは無視してくれるので、うまく撮れればノイズが少ない写真になるし、失敗しても普通の高感度で高速シャッターで撮った写真として残る。実は室内で猫を撮るのに便利なのだ。
きれいに巴状に抱き合って寝てる猫を、「人物ブレ軽減モード」で撮影。室内でも高速シャッターで撮れるし、こんな風にじっとしてる猫ならノイズの少ないきれいな写真が撮れるのだ。
もうひとつは「スイングパノラマ」。カメラを回しながら高速連写し、それをパノラマ写真として合成してくれる機能だ。
ちなみに室内できれいにパノラマを撮るにはコツがある。それはスイング時の回転軸だ。カメラを手にもって自分が回転すると、近距離の被写体がうまくつながらない。理屈では「レンズの中心部を軸に回転させる」必要があるからだ。そうしないと遠景はよくても(遠景なら多少のズレは誤差の範囲)、近景でズレちゃう。
でもそんなことは考えずに気軽にパノラマを撮りたい。そこで秘技をひとつ。
左手の人差し指と親指でボディのレンズの上下にあたる箇所(電源スイッチのちょっと左あたり)を挟むように持ち、それを中心にくるりと回転させながら撮るのだ。
そうすると回転軸が理想にちょっと近づくので、室内でもきれいにパノラマ写真を撮れる。三脚やパノラマ撮影用の設備なんていらない。WX1を持っている人はぜひお試しを。
肝心の猫はソファの上にしか写ってないけどご勘弁。ともあれスイングパノラマは面白い!
■Amazon.co.jpで購入
筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメのレビューをしている。趣味はネコと自転車で、天気がいい日は自転車で都内を走り回りながら面白いものを見つけては撮影する日々。最近の単行本は『デジカメ撮影のネタ帳 シーン別ベストショットの撮り方』(MdN)、『デジカメ撮影の知恵』(宝島社新書)。密かにネコ動画ポッドキャストも更新中。
*次回は12月26日掲載予定
この連載の記事
-
第866回
デジカメ
5倍や10倍望遠で撮れ、Sペンがリモートシャッターにもなる「Galaxy S24 Ultra」は猫撮影で重宝する -
第865回
デジカメ
4つのカメラを搭載したサムスン電子「Galaxy S24 Ultra」は猫の顔アップもピシッと撮れる -
第864回
デジカメ
”猫撮影の基本”第3弾! 背景やボケ具合をコントロールするとよりイメージどおりの写真が撮れる -
第863回
デジカメ
”猫撮影の基本”第2弾! 広角と望遠の特性を知って使い分けると写真のバリエーションがぐっと広がる -
第862回
デジカメ
構える高さを工夫すると猫写真は大きく変わる! 新年度なのであらためて猫の撮り方ノウハウをご紹介 -
第861回
デジカメ
10年前に撮った猫とまさかの再会! 数年ぶりに出会っていた猫たちの写真をライブラリーから探し出した -
第860回
デジカメ
膝の上で気持ちよさそうにしている猫を親指シャッターやアクロバティックな体勢で自撮り! -
第859回
デジカメ
富士フイルム「X100VI」は発売前から大人気! 歴代「X100シリーズ」で撮った猫写真を集めてみた -
第858回
デジカメ
ぱぱっと設定できて程良い距離感で猫が撮れる! 富士フイルム「X100VI」は楽しい趣味カメラだ -
第857回
デジカメ
噛んだり、テレビを見たり、眠ったり……うちの黒猫ミルならではの瞬間を狙ってみた -
第856回
デジカメ
望遠に強い「OM SYSTEM OM-1 Mark II」+100-400mmレンズで寝ている猫を“どアップ”で撮影 - この連載の一覧へ