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最新ユーザー事例探求 第8回

無名のバックアップソフトでシンプルな管理へ

Secure Back 3にファイルサーバーを託したオルビス

2009年12月08日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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ファイルサーバーのデータを救ったSecure Back 3
「これまでの苦労が嘘のよう」

 Secure Back3 の導入効果は絶大であった。以前導入していた製品では不具合の発生や運用面の難しさなど問題点が多かっただけに、安定しており、運用も簡単なSecure Back 3の評価は高い。橋本氏は「日本語のGUIメニューから簡単に、そして確実にデータを復旧できます。コスト面でもかなり安価に導入できました。これまで苦労していたのが嘘のようで、安心して使えるので非常に助かっています」ときわめて高い評価を下す。

画面 日本語でわかりやすいSecure Back 3の設定画面

 Secure Back3 データを確実にバックアップし、簡単なオペレーションでリストアできるので、エンドユーザーからの「ファイルを消してしまったので、とにかく最新のファイルを復旧してほしい!」という要望にも容易に応えられるようになった。Secure Backでは最大99 世代までの世代管理ができるため、3日前に戻すといった作業まで可能である。

空気のように意識しない快適さ

 また、リアルタイムにデータが保護されていることが確認できたことで、これまであったサーバーの台数を減らすこともできたという。

 前述したとおり、従来の構成では2台のファイルサーバーをクラスター構成で動作させていたが、むしろ複雑で弊害も大きいと判断。Secure Back 3の導入後はファイルサーバーを1台のみにし、障害時にバックアップサーバーからデータを戻すという運用に変更した。

 「確かにサーバーが故障した場合、データの復旧作業でファイルサービスは停止してしまうのですが、サービスの停止よりも、確実なデータ保護と整合性の確保を優先するように考え方を変えました」(橋本氏)とのこと。Secure Back3でデータ保護の確実性が担保されているのであれば、下手に複雑なクラスター構成を採るより、単一のサーバー構成のほうがトラブル発生時に障害原因を特定しやすい。結果的に迅速かつ確実にシステムを復旧できる可能性が高い、という発想だ。

 確かにクラスター構成だから安心していたら、障害時に引き継がれなかったり、そもそも待機系のサーバーがダウンしていたとか、切り戻しが行なわれなかったといった例は枚挙にいとまがない。その点、Secure Back 3を使ってバックアップを取って、それをスピーディに戻す体制を構築したのは選択肢として間違っていないだろう。

 現状、4年前よりユーザー数も増え、サーバーの処理能力が限界に達しつつあり、サーバーのパフォーマンスの点にやや難を抱えているものの、最新のサーバーに入れ替えれば、問題は容易に解決できると考えているという。

 橋本氏は「バックアップというものはあくまで二次的なもので、それでサーバーの運用が止まるとか、業務に影響が出てしまうというのは本末転倒だと思います。その点、Secure Back 3の運用を開始してからは、よい意味でバックアップの運用を意識しなくなりました。自動的にバックアップが取られており、万一の障害時にも簡単に復旧できるという信頼があるからだと思います。今後最新のサーバーに入れ替える予定もありますので、その際のマイグレーションでも活躍してくれそうです。また現在は導入していませんが、ディザスタリカバリーの観点から今後はリモートバックアップ機能の導入も検討をしたいと考えています」というSecure Back 3に関する感想を持っている。

失敗を踏まえた
慎重な検証が成功の鍵

 このように、Secure Back 3自体の評価はもちろん、アール・アイの対応にも満足している。橋本氏も国内企業ということもあり、問い合わせなどに対するレスポンスも早かったと振り返る。とはいえ、実際は現在に至るまで大きなトラブルは起こっておらず、オペレーションを行なう担当者が初期設定等を聞いた程度で済んでいるという。

 バックアップというと歴史も古く、定番製品も多い。しかし、高機能な最新製品は果たして企業の用途に最適かわからないため、導入時に慎重な検証が必要である。その点、オルビスがこれまでのトラブル経験を踏まえ、SecureBack 3を選択したのは最適な判断であるといえる。

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