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個人ユーザー向けからスタートしたバックアップソフト

どマイナーなソフト会社の「簡単バックアップ提案」

2009年06月08日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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HDDの容量が巨大化した昨今、コンピュータのバックアップはサーバだけではなく、クライアントにも必要だ。こうしたバックアップの悩みを解決すべく、アール・アイは簡単バックアップソフト「Secure Back」を提案する。

データセンターへの保存権付き!
Secure Backの生い立ち

 アール・アイが提供する「Secure Back 3」は、おもにファイルサーバやクライアントPCのデータ保護を目的としたクライアント/サーバ型のファイルバックアップソフトだ。クライアントをインストールしたPCにおいては、ファイルが更新された段階でリアルタイムにバックアップサーバに更新データが転送され、ファイルごとに異なる鍵で暗号化される。レプリケーションと異なり、バックアップ元が削除されても、バックアップのファイルが削除されることもなく、簡単にデータ復旧が行なえる。

株式会社アール・アイ ITプロダクト事業部 コアテクノロジーグループ グループマネージャーの山下詠希氏(左)、取締役 ITプロダクト事業部 部長の小川敦氏(右)

 このSecure Back 3で特筆すべきなのは、データセンターへの遠隔バックアップ機能と利用権が標準搭載されているという点だ。つまり、インターネットVPNを経由し、遠隔にあるデータセンターのディスクスペースに自動的にバックアップを設置してくれるのだ。利用できるデータセンタも東京電力グループのアット東京、セコムトラストシステムのセキュアデータセンタ、NTTコミュニケーションズ那覇iDCなど実績の高いところばかり。さらに、このSecure Back 3をASP型で提供する「GIGA Sonic Backup」というサービスも提供されている。

 このSecure Backup 3は、今でこそ企業向けのパッケージとして販売しているが、開発当初は異なっていた。同社 取締役 ITプロダクト事業部 部長の小川敦氏は「もともとは個人向けPCのリモートバックアップをASP型で提供しようと思って作ったのですが、資金的に豊かではないベンチャーにとって個人向けサービスは厳しかった。しかし、企業からの引き合いはあったので、改めて法人向けサービスとしてスタートしたんです」とのこと。

 とはいえ、当初の「個人ユーザー向け」というソフトウェアの思想はSecure Backに活かされている。ユーザーが極力設定を行なわないようにする自動化が進められ、GUIツールも使いやすさを重視。また、Outlook Express、Windows Mail、Becky!などのメールのバックアップに対応したり、管理者ではなく、クライアントPCのユーザー自身がリストアを行なえるといった特徴も、個人向けソフトウェアが出自ということで、得られたメリットといえる。

Secure Back 3のログイン画面ユーザーごとに行なえるリストアの操作

 しかし、法人向けとして出直ししたものの、今度はSecure Back 3が持つ「データセンターの利用権付き」という特徴がかえって足かせになってきた。実際に販売を手がけるSIerにとってみれば、特定のデータセンターの利用権が付いているほうがかえって売りにくいというわけだ。こうしたことから、2008年の10月からはデータセンターの利用権を除いた「Secure Back 3 Lite Edition」という製品も展開するようになった。大手ベンダーが手薄なクライアントPCのバックアップの市場をゆっくり掘り起こそうとしている

Secure Back 3ではユーザーごとの設定が可能となっている設定した内容は管理者に申請できる

すべてがショートカットに!ユニークなシンクライアント

 さて、アールアイが次に提供するのが、「SecureBack 3 DBオプション」である。これは文字通り、ファイルではなく、データベースをテーブル単位でバックアップする機能。顧客からのリクエストが多かった機能で、ようやく実装できたものだ。「1つのDBにつき1つのフォルダが作成され、1テーブルを1ファイルとしてバックアップされます。バックアップはMDBファイルとして保存されるので、バックアップ先の生データを直接確認できます」(ITプロダクト事業部 コアテクノロジーグループ グループマネージャーの山下詠希氏)。

 さらに先頃のデータストレージEXPOでも展示されたのが、Secure Back3の一部を用いたシンクライアント製品「ShadowFS」だ。これはデータ自体をすべてサーバに移動し、同時にファイルの新しい位置へのショートカットを生成・配置するというもの。使い勝手は今まで通りだが、データ自体はすべてバックアップサーバに格納されるというわけだ。ファイルの更新はリアルタイムに行なわれ、サーバ側のファイルは暗号化されるので、安心だ。かなりユニークな製品で、現在特許出願中。製品化は2010年を予定している。

 このようにアール・アイはおもにストレージ関連のソフトウェアを中心に有効なソリューションを用意している。今は「どマイナーなソフト会社」(山下氏)だが、小回りの軽さと他社がやらないユニークな切り口を伸ばしていけば、今後メジャーに進出するかもしれない。期待したいところだ。

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