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PCの音をグレードアップ! バッファロー「BSSP10」

2009年12月02日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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素のままでも聴き心地がよくまとまりの良いサウンド

PCなどの入力はステレオ入力端子に接続する。USB端子は搭載せず、PCのUSBオーディオデバイスにはならない

PCなどの入力はステレオ入力端子に接続する(ピンジャックとRCAの変換ケーブルが付属)。USB端子は搭載せず、PCのUSBオーディオデバイスにはならない

 まずはBBE機能などをすべてオフにして聴いてみた。ちなみに、試聴した主なソースは、「fripside/only my railgan」、「坂本真綾/マジックナンバー」、「マイケル・ジャクソン/THIS IS IT」 、「ノラ・ジョーンズ/Even Though」の4曲。

 音を出してすぐに感じるのは、定位感の良さ。これはフルレンジスピーカーの美点のひとつで、2つのスピーカーの間に浮かび上がるようにボーカルが定位する。スピーカーがコンパクトなため、ステージの広さもややコンパクトになるが、「only my railgan」でのボーカルと、後方に配置されるリズム音やギターをはじめとする様々な音との前後感もきれいに再現される。

 音質的には高域、低域ともにやや不足気味で、ボーカルを中心としたカマボコ型の特性になる。ボーカルの再現性はきれいだが、キーボードの音などの空間に広がるようなエフェクト効果が少々わかりにくい。

 「マジックナンバー」は弦楽器やピアノを使ったアコースティックな音色を前面に出したサウンドで、電気的なエフェクトもあまり使っていないので、高域の不足などはあまり気にならなかった。安価なスピーカーにありがちな、元気はいいがにぎやかな音ではないので、聴き心地は良く、音量を上げてもうるさく感じない。

 「THIS IS IT」は、オーケストラバージョンを聴いているが、ボーカルやコーラス、ピアノの伴奏といったメインの音は鮮やかに浮かぶのだが、控えめに音を重ねているオーケストラの細かい音の動きなどがわかりにくい。「Even Though」は、ベースなどの低音楽器がどっしりと響く曲のため、低音の不足が気になった。

 中音域をしっかりと充実させた音は、不自然な音色のクセもなく素性は良さそうだ。ただし、絶対的な低音、高音の不足、音数や情報量もやや不満はある。これらがBBE機能などによって、どこまでフォローできるかがポイントになりそうだ。


MP3などの圧縮音源の再生に威力を発揮する「BBE機能」

本体前面。左にヘッドフォン端子、右にボリューム調整つまみがある。リモコンはなし

本体前面。左にヘッドフォン端子、右にボリューム調整つまみがある。リモコンはなし

 本機の「BBE機能」をオンにすると、高音域が+6.0dBブーストされる。取扱説明書にある周波数特性を見ると、4~5kHzを中心として1kHz~20kHzとかなり広い範囲の高音域が増強されるようだ。また、低音域もわずかにブーストされている。

 「only my railgan」は、シンセサイザー系のエフェクトがより明瞭になり、音も全体にクリアーになり、定位の良さに加えてステージの見通しもよくなった印象。ボーカルの透明感のある声もより伸びやかになっている。

 「マジックナンバー」も声の伸びの美しさ、弦楽器の艶やかさが加わり、個々の音がより鮮明に浮かび上がるようになっている。素の音で感じた高域が押さえつけられたような感じはなくなり、聴き心地の良さはそのままに音域が広がった印象。基本的に「BBE機能」はオンでいいだろう。

 ちなみに聴いた曲はポータブルDVDプレーヤーをつないだリニアPCMだったので、MP3でエンコードした楽曲も聴いてみた。最近のオーディオ機器では、失われた高音域の情報を復元する機能を持つものも多いが、BBEの場合は情報量などを復元するというよりは、高域がブーストされることもあり、全体に高音域が鮮明になり、クリアな音色になるように感じた。

 元々の情報量が大幅に増えることはないが、音色の自然さが保たれたまま、より明瞭なサウンドになるのは好ましい。

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