オープンエア型大口径ヘッドフォンを装備した
パナソニック「RP-WF6000」
こちらも2.4GHz帯を使った無線伝送のワイヤレスサラウンドヘッドフォンだ。サラウンドフォーマットは、「ドルビーデジタル」と「DTS」「AAC」に対応している。
ユニークなのはトランスミッタの形状で、左右にヘッドフォンを乗せるためのスペースが用意されている。ここにヘッドフォンを乗せれば充電が行なわれるわけだ。ヘッドフォンには充電用の接点が2つあり、立てた状態だけでなく、寝かせた状態でも充電できる。
オープンエア型のヘッドフォンは50mmのドライバを利用する。ヘッドフォンの締め付けはゆるめで、圧迫感はほとんどない。ただ、その分ヘッドフォンがずれやすい。
トランスミッタには、光角形のS/PDIF端子が2つと、アナログのステレオ端子があり、さらにスルー出力のためのS/PDIF端子が1つ用意されている。
「ドルビープロロジックII」にも対応しているので、2chのソースをサラウンドに変換して出力することも可能。2chで放送される映画を見る場面などで有効だろう。
実際に映画などを視聴して感じるのは、音の広がりのよさ。サラウンド感も上々で、移動していく音や背景からの効果音もしっかりと位置を意識できる。中低音から低音に引っ張られて高音が抜けきらない印象はあるが、そこが気にならなければ十分満足できる製品だ。
高音質でサラウンドを楽しめる
パイオニア「SE-DRS3000C」
2.4GHz帯を使う無線伝送のワイヤレスサラウンドヘッドフォンだが、今回紹介する製品の中では唯一トランスミッタが縦置き型で、これにヘッドフォンを掛けると充電が行なわれるという仕掛けになっている。
50mm径のユニットを搭載したヘッドフォンは装着感がよく、適度な締め付けもあって安定して装着できる。また従来モデルよりも20%軽量化されており、負担が小さいことも嬉しいポイントだろう。
入出力端子は光角形×2、同軸丸形×1のS/PDIF入力端子に加え、アナログ入力端子を備える。またスルー用の光角形のS/PDIF端子も備えられているため、BD/DVDプレーヤーとゲームなど、複数の機器をつなげられる。
バーチャルサラウンド効果の実現にはドルビーヘッドフォンが使われており、トランスミッタのボタンで「DH1」「DH2」「DH3」を切り替えられる。同じドルビーヘッドフォンを採用するATH-DWL5000と同じく、映画を見るのであればDH2が一番バランスがよい。
便利なのは、トランスミッタの上部に出力位置を示すLEDが用意されていること。5.1chで出力されているときは5つ、2chなら2つのLEDが点灯するため、現在の状況が把握しやすい。
音質は低音にスピード感があり、また高音域もきっちり解像されている。非常にバランスがよく、さまざまな種類の映画に対応できるだけでなく、音楽を聴くためのヘッドフォンとして使っても不満はない。3万円台の製品で音質を求めるのであれば、現状ベストな選択肢だろう。
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