タッチPCはまだ過渡期? アプリ対応に期待
小西「次はタッチPCです。国内大手3社が一斉に新製品を投入するなど、Windows 7に合わせて対応機が各社から登場しました。方向性もおおむね似ていて、20~24型ワイドのディスプレー一体型パソコンに、光学式タッチパネル技術を組み合わせるというものです」
北村「興味はあるんですけどねえ……すぐに飽きそうな気がする。そもそもパソコンのディスプレーに『触る』というのが、僕らには抵抗あるから(笑)」
美和「画面に指紋は付く?」
小西「そりゃあ、付きまくりますよ。だからソニーのVAIO LとHPのTouchSmart 600には、クリーニングクロスがついてます。画面が点灯している状態では、指紋は目に付きにくいですけどね」
「私はタッチ入力自体は好きなんですが、今までのタッチパソコンは使いにくく、タッチそのものに疑問があった。それがiPhoneを自分で使うようになって、認識がかなり変わりましたね。ユーザーインターフェース(UI)とタッチ認識の制御次第で、タッチの操作感は大きく変わる。アプリだけでなく、OS側の作り込みも含めて」
美和「そうなると、やはり既存のWindowsやアプリの設計では、タッチは合わないということになる。タッチPC用にカスタマイズしたUIやアプリがないとな」
小西「その点は各社も認識していて、今回の3製品はすべて、タッチ操作に適したランチャーやアプリを用意しています。OSがちゃんとマルチタッチをサポートして対応デバイスが安くなってくると、タッチ操作アプリも増えてくるのですが。タッチ操作でビデオ編集できる「LoiLo Touch」なんかは、その好例ですね。
北村「マウスを使ったことのないシニア層向けじゃないですか、タッチは?」
小西「いや、確かにマウス慣れしていない人向けという側面もあるけれど、今後はアプリ次第だと思いますよ。実際iPhoneは、別にシニア向けじゃないでしょ」
タッチ普及の切り札は……「くぱぁ」!?
北村「ところで、タッチってエロゲー需要があるんじゃないですか? マルチタッチで『くぱぁ』ができますよ(笑)」(編注:意味がわからない方は、職場やご家族の前で検索しないでください)
小西「それちょっと考えた(笑)」
北村「指でこすったりとか、いろいろできますよね」
美和「おいおい、それ載せられないだろ!」
小西「いやいや、メディアが積極的に用途を提言してかないとね(笑)」
美和「でもさ、そんなに細かい操作できるの? 例えば『ボタンを外す』とか」(結局話に乗る奴)
小西「アプリ次第ですね。操作に対する反応、解像度はけっこう細かく認識できるので、逆にアプリ側が『どれだけアバウトな操作を、コマンドとして受け付けるか』に依存する面があります」
「タッチ操作のOS自体もそうです。iPhoneがタッチで快適なのは、その部分がユーザーの感覚に非常に近いからでしょう。決して大きくはない画面でも、狙ったとおりにURLのクリックやソフトウェアキーボードを操作できている感覚。そこが重要ですね」
北村「WindowsのGUIの操作にはともかく、特にゲームではタッチの使い方が広げやすいでしょうね。でも、ニンテンドーDSとかでも、結局キーで操作するからな」
小西「確かにゲームは向いてます。ただ、iPhoneで『タッチで操作することは特別なことじゃない』という認識が開発者とエンドユーザーに広がったのは、今後重要な変化になるんじゃないでしょうか」
美和「タッチ用のアプリやランチャー以外、Windowsの最小化ボタンとか、そういう細かいUI上の操作はどうなの?」
小西「今回は取り上げませんでしたが、NECのVALUESTAR Wのタッチ対応モデルでは、デスクトップアイコンやウインドウのタイトルバーを大きいサイズにカスタマイズして、タッチでも操作しやすくしています。逆に言えば、タッチPCにはそうした『テーマ』のカスタマイズが必要だし、パソコンメーカー側やソフト側の差別化もそこで出てくるんじゃないでしょうか」
岡本「その意味では、やはり現状ではHPのTouchSmart 600が一番よくできているようですね。タッチ対応ソフトの作り込みは一歩先を行ってる」
橋本「富士通のDESKPOWER Fの『タッチ操作パネル』も、よくできている。ウェブブラウザーは普通のInternet Explorerだけど、タッチでは操作しにくいIEの機能を大きなボタンで用意してくれるから、IEをタッチでも使いやすくしている」
美和「そういったノウハウは、さすがに『らくらくパソコン』の富士通というところかね」
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