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セキュリティ情報の収集媒体はIT系雑誌が上位に

100人未満は個人向けでOK?シマンテックの調査より

2009年11月13日 06時00分更新

文● 金子拓郎/TECH.ASCII.jp

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11月11日、シマンテックは中小企業におけるセキュリティソフトウェアの導入状況の調査結果を発表した。個人向け製品と企業向け製品との分布の具合に焦点を置いた調査で、従業員数100名未満の企業と100名以上の企業とで大きく状況が異なるなど、興味深い結果が報告された。

導入状況は、従業員数100人が分水嶺に

 この調査では、中小企業を従業員数1000人以下の企業と定義。企業内のクライアント/サーバ用セキュリティ製品の導入決定者を対象に、Webによる自記述式のアンケートを行なった。調査期間は2009年4月16日から23日で、回収数は861件だった。

 まず、調査対象であるセキュリティ製品導入決定者の所属について、企業規模ごとに大きな違いが見られた。従業員数が100人未満の企業では、セキュリティ製品導入決定者として役員や経営企画部門の所属者が多い。これに対し100~499人の企業では情報システム部門の割合が多くなり、2番目は総務・庶務部門。そして500~1000人の企業では、トップが情報システム部門で、次いで研究・開発、技術・設計という順序となった。

アンケートの対象となったセキュリティ製品導入の決定者の所属

 100人未満の企業では、情報システム部門を有する企業が少なく、兼任で管理業務を行なっているケースが多いという状況が調査でも裏付けられた。

 それでは、これらの企業はセキュリティ対策として、個人向け/企業向けのどちらの製品を使っているのか。その結果が、以下の図だ。

セキュリティ対策ソフトの種類

 100~499人、500~1000人の企業では、8割近くが企業向け製品を利用している。ところが、100人未満では7割近くが個人向け製品を利用していた

 企業向け製品の特徴の1つは、管理サーバを使った一括管理機能だ。では、一括管理を利用しているかについて調べたところ、100~499人と500~1000人では6~7割が利用しているのに対し、100人未満では2.5割に過ぎなかった。また、運用・管理の担当者も、100人未満では各個人による実施がトップとなった(100~499人と500~1000人では専任の管理者がトップ)。

セキュリティ対策ソフトの運用状況

 このように100人以上の企業では、企業向け製品を利用し専任の管理者が一括管理を実施する。ところが、100人未満の企業では、個人任せになっている実情が明らかになった。

企業のセキュリティ対策は一括管理が重要

 企業でセキュリティ対策製品を導入する場合、一括管理機能が重要になる。一括管理を行なっていない場合、ユーザーによる勝手なアンインストールなどで、セキュリティが低下する危険があるからだ。

 セキュリティ対策製品は、ここ数年動作の軽さを売りとしているが、やはり定期スキャンの際にはPCの処理速度は低下する。そのため、忙しい時期に定期スキャンが始まると、スキャンを止めるだけでなく、ソフト自体をアンインストールしてしまうケースもあるわけだ。

 また、ウイルス定義ファイルの更新も、やはりPCの処理は重くなるうえ、ネットワークに対する負荷も高くなる。そこで、更新期間を広げて、更新時期を減らしてしまうケースもある。たとえば、従業員数が1000人程度のある企業では、社内のPCが一斉に定義ファイルの更新を行なうと、本来の業務で利用するインターネットアクセスに支障が発生していた。そこで、定義ファイルの更新はネットワーク利用の少ない月曜日の朝のみに行なうようにしたという。

 当然これは危険なことだ。たった1日で大量の亜種が登場する昨今、1週間も更新を行なわなければ、その間に新しいウイルスに感染してしまう可能性がある。

シマンテックの企業向けセキュリティ対策製品。一括管理機能を搭載するほか、USBメモリに対するセキュリティ機能など必要な機能は一通り網羅する。100人未満の企業に適した「Symantec ProtectionSuite Small Business Edition」では、PCのバックアップ機能も搭載している

 企業向けセキュリティ対策製品を使えば、こうした問題は解消される。クライアントPCにインストールしたソフトウェアは、ユーザーが勝手に設定を変更したりアンインストールすることはできなくなる。また、ウイルス定義ファイルも、社内の管理サーバから配信が行なわれるため、インターネット回線を圧迫することもない。

(次ページ、「セキュリティ情報の収集媒体は?」に続く)


 

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