経営者とITに溝ができるのは
テクノロジーが応えられていないから!?
日本オラクル 常務執行役員 システム事業統括本部長 三澤智光氏は「経営者とITのギャップは埋められていない」と話す。三澤氏は、経営者が考えていることは単純で、「グループすべての情報を把握したい、それを見たい時によこせというだけだ」という。だから、いままでのIT部門はそれに応えるべくERPやデータウェアハウス、マスターデータハブなどを導入してチャレンジしてきた。
ところが、これらはI/Oが遅い、データの重複が起きているなど、さまざまな課題があって、経営者に対して応え切れなかった。実はテクノロジーが、スピードの面などを含めてまだまだ経営者に応え切れていないというのが、三澤氏の主張である。
そこで登場するのが、Exadataだ。「Exadataはハードウェアとソフトウェアの融合によって、5倍、10倍、50倍、100倍という劇的な革新を行なう」と三澤氏は言う。V1ですら、5時間程度のバッチ処理が10分程度まで短縮されたり、金融の現場では約定ベース残高の不整合チェックが30分弱から5分程度に短縮されたという。「“バッチ処理”という概念は、今後なくなってくるのだろう」(三澤氏)。
V1ではバッチ処理などの高速化、言ってみればデータウェアハウス処理が高速化したが、OLTPが高速化したExadata V2では、受発注の仕組みや基幹系業務が高速化するというわけだ。日本市場におけるターゲットは、データウェアハウス市場やバッチ処理システムといった市場のほかにも、オンライントランザクションシステム市場、データベースコンソリデーション市場などが狙える。三澤氏は「すべてのデータベース市場を、Exadataで塗り替えていく」と自信を見せた。
Exadata V2の製品ラインナップは、テスト用のBasic Systemのほか、クオーターラック、ハーフラック、フルラックの3種類となっており、価格は3995万円から。ベンチャーからスタートしたデータウェアハウスアプライアンスの波は、ついに最大手に波及。その戦いは第2段階に移ってきたといえよう。11月12日には、「Oracle Database Summit 2009」が開催され、Exadata V2も大々的に紹介される予定だ。