さくらインターネットは、ネットエンリッチとMSP(マネージメント・サービス・プロバイダ)事業に関する業務提携契約を締結した。
これまではホスティングとデータセンターという2つの柱で事業展開をしてきたさくらインターネットだが、今後はMSPを3本目の柱として展開していくという。これまでも、サーバーの死活監視やラッキングといったサービスまではしていたが、本格的なMSPの経験はない。
そのためにネットエンリッチと提携した。ネットエンリッチは、インドにNOCを持ちつつ、米国でMSPとして活動している。さくらインターネットは、日本国内での対応や顧客開発、サーバー危機への即時対応を担当し、ネットエンリッチは月次作業であるログのバックアップやデータベースのチューニングなどをリモートで担当する。
さくらインターネットのMSPは、もともとデータセンターを運営していることから、スタッフではなくてエンジニアがサーバーの監視にあたるのが特徴となる。また、トラブルが起こった際には、どのような対処作業をしたかわかるように、“見える化”したログで顧客に報告するという。
同社代表取締役社長 田中邦裕氏は、「今回のMSPの提供範囲は、ハウジングからとなるが、将来的にはホスティングまで裾野を広げていく。ITベンチャーから中堅・中小企業まで取り込んでいきたい」と語った。
現状は監視の自動化システムの性質から、ある程度大規模な顧客にしかカスタマイズのサービスができないが、来期までにはある程度の自動化を進め、SMBまでターゲットを広げていく。SIerが月額数十万で行っているサービスを月数万円単位まで単価を引き下げることで、SMBでも使えるMSP事業を展開するのだという。狙うのは、従来の「ITが分かっている」顧客層から、一般企業までと幅広い。
サービスは年末〜年始にかけての開始を見込む。細かいサービス内容や価格は、これから決定するとのことだ。