スグできる感染チェック! その4
オンラインスキャンや体験版を活用する
これまで紹介した方法で不正プログラムの感染が疑われる場合には、すぐにセキュリティーソフトでPCを検索し、不正プログラムを駆除する必要がある。とはいうものの、セキュリティーソフトが手元にない、または契約切れですぐには実行できないという状態ではどうすべきか?
そんな場合には、セキュリティーベンダーの「オンラインスキャン」サービスで自分のPCの状態をチェックできる。トレンドマイクロのWebサイトでも無料のオンラインスキャンを提供しており、簡単にPC内をチェックできる(図10)。
オンラインスキャンは、多くの場合、Webブラウザーでアクセスできる環境(システム要件はサービスごとに異なる)であれば誰でも無料で使えるため非常に便利なものだが、その時点での感染の有無しか確認できない。一般のセキュリティーソフトのようにPC内に常駐(インストール)しているわけではないので、今後も侵入してくるであろう不正プログラムから常にPCを守れるわけではない(感染の疑いがあってからでは、本当は遅いのだ)。
そこで各セキュリティーベンダーでは、セキュリティーソフトの無料体験版を提供している。トレンドマイクロの「ウイルスバスター」では30日間有効な無料体験版が提供中だ。セキュリティーソフトを購入するまでの期間は、ひとまずこれをインストールしておくことで、セキュリティーレベルを上げることができる。
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今回は、不正プログラムに感染していないかを簡単にチェックする方法と、セキュリティーソフトがすぐ手に入らない場合に有効なセキュリティーツールを紹介した。しかし、これらはあくまでも一時的な対策であって、やはり有効なセキュリティーソフトをPCにインストールしておくことが最低限必要な対策となる。
セキュリティーソフトでPCを守っていないと、容易に不正プログラムが侵入し、一度改変されたシステムをさらに別の不正プログラムが改変……と繰り返され、復旧が困難な場合もある(OSの再インストールしか手立てがなくなる)。予防の意味でも、ご自身のPCにセキュリティーソフトがインストールされているか、一度確認してみることをおすすめする。
(次回は11月中旬に掲載予定です)
著者紹介:トレンドマイクロ株式会社 上級セキュリティエキスパート
黒木 直樹(くろき なおき)
トレンドマイクロ株式会社 上級セキュリティエキスパート。プロダクトマーケティングを経て、製品開発部の部長代行、コンサルティングSEグループ兼インテグレーショングループ部長を歴任。2008年よりアライアンスマーケティンググループディレクターとして、他社との技術連携の陣頭指揮を執る。2009年より戦略企画室部長として国内外のプロジェクトを推進する一方、セミナーでの講演などを通じて幅広いユーザー層へセキュリティ啓発活動を行なっている。
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