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WILLCOM 03で始める、Windows Mobile再入門(前編)

2009年09月28日 20時36分更新

文● 川添貴生/インサイトイメージ

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発売から1年以上が経過するにもかかわらず、根強い人気を誇るスマートフォンが「WILLCOM 03」である。改めてその魅力を見直しつつ、活用方法を紹介していきたい。

ウィルコムからリリースされている、Windows Mobile採用のスマートフォン「WILLCOM 03」。開発はシャープが担当している

日本のスマートフォン市場を切り開いたウィルコム

 日本のケータイ市場において、2~3年前から徐々に広まりつつあるのがいわゆる「スマートフォン」と呼ばれる製品だ。一般的なケータイ端末よりも柔軟性が高いことが魅力で、ユーザー自身がさまざまなアプリケーションを導入して利用することができる。

 たとえばケータイ端末の場合、メール送受信機能が気に入らなくても、それを別のソフトで置き換えるといったことは難しい。しかしスマートフォンの場合、標準のものが気に入らなければ別のメールソフトに置き換えるといったことが可能というわけである。

 こうしたスマートフォンの分野に先陣を切って進出し、存在感を高めているキャリアがウィルコムである。特に2005年にリリースした「W-ZERO3」は多くのユーザーの支持を集め、スマートフォンの認知度を大いに高めている。

 そのW-ZERO3の後継機として登場したのが、ウィルコムの「WILLCOM 03(WS020SH)」である。登場から1年が経つが、その完成度の高さから根強い人気を誇っている。今回から何回かに分けて、このWILLCOM 03の活用方法を紹介していこう。第1回目は改めてWILLCOM 03の魅力を探りつつ、特徴の1つであるPCとの連係について解説していく。


コンパクトな筐体と使い勝手のよさを両立

 まずWILLCOM 03の特徴として挙げたいのは、一見するとスマートフォンには見えないコンパクトな本体である。サイズは50(W)×116(H)×17.9(D)mmだが、表面にボタン類による凹凸がなく、実際の数値以上に小さく感じられる。

WILLCOM 03のキーボードを開いたところ。極小サイズのキーボードだが、キーの「山」がしっかりあるため打ち間違えにくい

 ボタンは液晶によって実現されたタッチパネル式の「イルミネーションキー」として実現されており、480×800ドットの3型ワイドVGA液晶パネルの下部(縦位置時)に配置されている。イルミネーションキーの表示内容はテンキーが表示される「ダイヤルキーモード」と、十字キーが中央に大きく表示される「カーソルキーモード」の2種類があり、用途に応じて切り替えて使うわけだ。

ワンセグを視聴するために付属している「StationMobile」。本体側面に専用キーを押すだけで起動できる

 WILLCOM 03では大きめの液晶パネルが搭載されていることもあって、操作部に割り当てられたスペースは決して広いとは言えない。ここに多くのケータイ端末と同様に十字キーとテンキーを詰め込めば、個々のボタンも小さくなり押しづらくなっていたはずだ。しかし実際には、タッチパネル式液晶で用途に応じて十字キーとテンキーを切り替えることにより、小さなスペースでも高い操作性を実現している。

 さらに一般的なケータイ端末と大きく違うのが、本体底面をスライドさせると現れるキーボードだ。小ぶりながら入力しやすく、長めの文章を入力したい場面でも躊躇せずに打ち込める。さらにキーボードをスライドさせると、自動的に画面が横位置に切り替わる。

 ワンセグチューナーの搭載も注目したいポイントだ。日本市場をターゲットとした一般的なケータイ端末ではすでに珍しい機能ではなくなっているが、海外も含めて製品が展開されることの多いスマートフォンではなかなか搭載されなかったという経緯がある。


PCとWILLCOM 03のデータ同期を体験してみよう

 プラットフォームとしてWindows Mobileを採用しているWILLCOM 03は、PCとの高い親和性を備えていることも魅力の1つである。たとえばOutlookで入力した予定やアドレス帳といったデータをPCとWILLCOM 03で簡単に同期させることが可能で、場所を問わずにスケジュールや連絡したい相手の電話番号を調べられる。

標準で搭載されている「Office Mobile」のアプリケーションの1つである「Word Mobile」。Office 2007形式のファイルの読み取りにも対応している。

 またWordやExcel、PowerPointといったオフィス製品のデータを転送して見られることも、Windows Mobile搭載機ならではのポイントだ。WILLCOM 03には「Word Mobile」や「Excel Mobile」、「PowerPoint Mobile」といったアプリケーションが付属している。これにより、PCのオフィス製品で作成したデータをオリジナルに近い形で見られるわけだ。

 実際にPCとWILLCOM 03を同期させるには、PC側にWindows Vistaでは「Windows Mobile デバイスセンター」、Windows XPなら「ActiveSync」をインストールしておく必要がある。なお今回は、Windows Mobile デバイスセンターを使った同期の方法を解説していく。

 では実際に同期作業を行ってみよう。Windows Mobie デバイスセンターがインストールされたPCに、初めてWILLCOM 03をUSBケーブルで接続すると、以下の画面が表示されるので「デバイスのセットアップ」を選択する。ここで、どのデータをWindowsとWILLCOM 03で同期するのかを選択するわけだ。選択肢としては「連絡先」や「予定表」、「電子メール」、「仕事」などがあり、必要に応じてチェックを入れていく。次の画面で「セットアップ」をクリックすれば準備は完了で、自動的に同期が行われる。

WILLCOM 03を初めて接続すると、この画面が表示される。まずは「デバイスのセットアップ」を選択する

どのデータを同期するのかを指定する。なお、連絡先や予定表、メール、仕事、そしてメモを同期するには、PC側にOutlookが必要となる

セットアップが完了すると、この画面に切り替わる。なお、最初に設定した同期するデータは、「モバイル デバイスの設定」の中にある「コンテンツの同期の設定の変更」で変えることが可能だ

 なおUSBでWILLCOM 03を接続すると、PC側のWindowsの「マイ コンピュータ」の中に、「ポータブルデバイス」として「WILLCOM03」というアイコンが表示される。これをダブルクリックすれば、WILLCOM 03の中のファイルを読み出したり、あるいはファイルを転送するといったことが可能だ。なお、WILLCOM 03ではmicroSDカードが利用可能で、このメディアを介してファイルをやり取りすることもできる。

マイ コンピュータの中に表示された「WILLCOM03」のアイコン。これをダブルクリックすると、エクスプローラからWILLCOM 03内のファイルにアクセスできる

 このような同期機能により、PC内のデータを気軽に持ち運べるのはWILLCOM 03の大きな魅力である。特に予定表や連絡先データをPC上で一元管理しつつ、外出先でもWILLCOM 03で気軽に参照できる便利さは、1度実感すると手放せなくなってしまうだろう。

 次回以降では、WILLCOM 03で使いたいソフトウェアを紹介していきたい。

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