商品企画――
寝ている間に英語がマスターできる
語学学習用枕の提案企画
英語をマスターしたいけど仕事が忙しく、かといって睡眠時間を削るのもどうかと考える人は少なくない。睡眠状態には浅い時間と深い時間があることが知られているが、就寝後と寝起き前の浅い眠りのときに他言語を聴かせると自然と覚えられるという説にしたがい、安眠にも効果のある枕を使った語学学習機を企画した。
企画の概要
90分周期で深い眠り(REM睡眠)に入ることが知られていますが、就寝後と寝起き前は眠りが浅く、この15分間を利用して英語を効率よくマスターできるという枕を企画開発することにしました。
製品としては、学習用であると同時に、安眠効果もあるという付加価値をつけ、販路を拡大しようと考えています。
ターゲットは、いつか英語をマスターしたいと考えていたけれど二の足を踏んでいた人などさまざまですが、マーケットは大きいといえます。同様の商品はまだないので、差別化商品として期待もできます。
あとはどのように売るかです。いろんな広告媒体を複合的に利用するメディアミックスの手法を使って露出度を高めるのが効果的であろうと考え、4つの媒体をピックアップしました。
見せ方のポイント
趣味でぜひ実行したいことについてアンケートを採って、その結果と客観的な解説を行なった上記の完成企画書の左上がD(データ)とA(分析)です。
そこで考案した枕の2つの特長がI(アイデア)で、それにつけたネーミング「語楽枕」とそのコンセプトがC(コンセプト)です。
ネーミングとコンセプトは重要なので中央の左右いっぱいを使って目立つように入れてあります。「語楽枕」のようなネーミングには、コンセプトワードにもなるようなインパクトを持たせることが大切です。
「語楽枕」は誰にどのように売ると購買効果が高いかを「対象者」と「差別化」という部分で説明し、「企画目標」を立てています。これが下段の左側で、右側はその具体的な広告展開の方法です。後者は「どのようにして売るか」というP(プラン)に関するものと捉えることができます。
カラーリング
群青色に傾いた青と、コーラルピンク2色のそれぞれ濃淡を用いた相性の良いダブル・バランスです。この企画のテーマでもある朝の“まどろみ感”のような雰囲気をパステル調の色彩で表現してあります。
「企画の概要」の図にあるアルファベットは、「SDCIPEモデル」といって、どのような企画書でもこの6つの要素からなるという著者オリジナルの企画書作成メソッドです(企画内容によっていずれかの要素を取捨選択する)。
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