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Interopで人気を博したAndroidデモ

ソフトフロントがAndroid上でSIP通話を実現

2009年07月03日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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昨今は登場したばかりのiPhone 3G Sの話題でもちきりだが、オープンソースの携帯電話向けのプラットフォーム「Android」に注目するソフトウェア会社も多い。今回はIP電話の基盤プロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)の開発に強みを持つ、ソフトフロントのAndroidへの取り組みを聞いた。

Linux版のSIPスタックがあっさり動いた

 携帯電話のソフトウェア開発環境をがらっと変える可能性を持つグーグルの「Android」。国内でもようやくNTTドコモからAndroid搭載の端末が登場し、ソフトウェアの開発も徐々に盛り上がりつつある。

 そんな中、先頃行なわれた「Interop Tokyo 2009」で、SIPによる双方向VoIPのデモを行ない注目を集めたのが、ソフトフロントである。

 ソフトフロントはSIPの開発に強みを持つ北海道のソフトウェア会社。SIPがIP電話のプロトコルとして標準となる以前から技術を蓄積していた。2009年の2月にNTTと技術提携し、5月にはNGN上で容易にSIPを使ったアプリケーションを開発できる「SUPREE Vision Premier」を提供開始している。

 そして、このNGN向けSIP-SDKとともにInterop Tokyo 2009で出展したのが、Android端末によるVoIPデモだ。もともと同社は組み込み機器へのAndroid搭載を実現するため、今年の3月に発足したOESF(Open Embedded Software Foundation)という団体に所属していた。こうした経緯もあり、AndroidへのSIPの組み込みをさっそく試してみたというわけだ。

株式会社ソフトフロント 第2事業部 事業部長 坂下賢司氏

 ソフトフロントの坂下賢司氏は「AndroidはJavaとLinuxをベースにした開発環境を使います。もともと弊社もLinux上で動作するSIPのプロトコルスタックを持っていますので、4月に入手できたリファレンス端末で動くかどうか試してみたら、けっこうすんなり動いたんです」と取り組みの発端を語る。加えて、今年の4月にAndroidの仕様が変更され、オーディオデバイスへのアクセスが改良されたこともあり、6月のInteropに間に合ったという。

Android端末上でSIPが動く意味

 デモの内容はきわめてシンプルで、Android端末のダイヤラからノートPC上のSIPソフトを呼び出して、通話するというもの。電話というIPアプリケーションを携帯電話上で違和感なく利用するというわけだ。

Android端末のダイヤラで相手を呼び出す着信すると待ち受け画面が表示される

 ここでは単なる音声通話だが、ご存じの通り、SIPでは音声だけではなく、ビデオやテキストメッセージも扱える。また、相手の状態をリアルタイムに知るプレゼンスという機能を持ち合わせている。そのため、SIPがAndroid上で利用可能になれば、非常にユニークな組み込み機器が実現できる。坂下氏は「GPSの位置情報をプレゼンスで通知して、リアルタイムにユーザーへの案内を変えるといったモバイルアプリケーションが容易にできます」とAndoroid+SIPの可能性を語る。

 もちろん、あとからアプリケーションを追加し、端末を進化させられる「iPhone」という存在もある。坂下氏も実際に開発は試してみたが、「Objective Cと独自の開発環境が必要なので、敷居が高かったです。その点、Androidは既存のスキルや資産が活かせるし、オープンソースの強みもあります」とAndroidに将来性を見いだす。

 今後の本格的な計画は未定だが、とりあえずは自らソフトを出すのではなく、Android端末上のソフトウェア開発を手伝う黒子の役に徹するという。坂下氏は「Androidを使えば、ソフトウェア開発者を数多く雇える大手だけではなく、小さいハードベンダーも独自の電話機が作れます。こうした可能性もAndroidの魅力だと思います」とのことで、今後は端末だけではなく、なかにあるアプリケーションにも注目してみたい。

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