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単品リピート通販で重要となる指標を知っておこう!

2006年08月25日 09時00分更新

前田 哲郎/アンダス株式会社

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 ビジネスとして確実に利益を出していく為には要所要所においてきちんと押えていなければならない指標があります。今回はその「指標」について話をしたいと思います。

 では次の例をもとに説明していくことにしましょう。

例)A社は新商品のサプリメントBを売り始めてちょうど1年が経ちました。そこで発売初月にサプリメントB(本商品)を購入してくれたお客様100人(広告費100万円で獲得)を抽出し、表にまとめてみました。

販売初月 2~4ヶ月目 5~8ヶ月目 9~12ヶ月目 合計
購入件数 100 50 40 30 220
売上高 800,000 700,000 400,000 300,000 2,200,000
客単価 8,000 14,000 10,000 10,000 10,000
原価率 40.0% 40.0% 40.0% 40.0% 40.0%
粗利 480,000 420,000 240,000 180,000 1,320,000
平均粗利 4,800 8,400 6,000 6,000 6,000

※原価率には送料を含む

 この表を見ると、1年間に100人のお客様が220回(初回含む)の注文をして220万円の売上が上がりました。購入1回あたりの売上=客単価は10,000円で商品の原価を引いた粗利は132万円でした。購入1回あたりの粗利は6,000円となりました。

 ここまでは表を見れば分かることですが更に分析してみましょう。

○リピート回数(回転数)

 220回の注文を100人で作ったわけですから、1年間で1人が購入する回数は、

 220回 ÷ 100人 = 2.2回

 アンダスでは、これを「リピート回数(回転数)」と呼んでいます。

○顧客年間収益

 1回あたりの平均粗利は6,000円なので、1年間で1人から得られる粗利は、

 2.2回 × 6,000円 = 13,200円

これが 1人の顧客から得られる年間の収益(顧客年間収益)ということになります。
 また、これを1年間ではなく一生涯の購入回数を乗じたものがいわゆるLTV【life time value】と呼ばれる「顧客生涯価値」となるわけです。

○リピート率

 年間220回の購入回数には初回購入の100回が含まれています。これを差し引くと、

 220回 - 100回(初回購入)= 120回

 ではこの120回のリピート購入は何人で作ったのか?

 これについてはこの表からは把握する事が出来ませんので、仮に100人のうちの50人が120回のリピート購入をしたことにしましょう。

 50人 ÷ 100人 = 50%

 リピート率 は 50% ということになります。

※実際にリピート人数を把握する為には顧客データの分析が必要になります。

○新規顧客の獲得コスト(CPR、CPO)

 この例では、初回購入者100人を広告費100万円で獲得しています。よって1人あたりの獲得コストは

 100万円 ÷ 100人 = 10,000円

CPO:cost per order = 本商品購入者1人に要した広告費
 ちなみにこれが本商品ではなく無料サンプルやスキンケアのトライアルキットだった場合は、まだ本商品を買っていない見込み客ということで
CPR:cost per return = 見込み客1人に要した広告費
ということになります。

○損益分岐CPO

 それでは、この「例」が実際に「ビジネスとして成り立っているのか?」を見てみましょう。

 売上220万円 - 原価 = 粗利132万円

粗利132万円 - 広告費100万円 = 32万円

 ということは、32万円の黒字ということでビジネスとして成立している事になります。
 しかし、もし広告費が132万円を超えていたら赤字になっていたでしょう。要するにこの場合、CPOが1人あたりの平均粗利である13,200円を超えると赤字ということから、

 損益分岐CPO = 13,200円

 ということが分かります。

※但し実際には、リピートを促すメール配信のコストなどがかかるためそういったコストも広告費同様差し引いた上で黒字かどうかを見なければならないでしょう。

まとめ

 今回見てきたいくつかの指標は連動しているため、断片的に分析をしてもあまり意味がありません。
 例えば最後に述べた「損益分岐CPO」は、上記のリピート率やリピート回数を維持できる前提で成り立つものにすぎません。

 グロスで見てしまっては大きな失敗をしかねませんので、アンダスでは新規顧客を獲得した媒体ごとにこういった分析を行いWeb戦略を立案していきます。
 しかし、新商品を販売する場合においてはこのような過去の指標はありませんので仮説と検証を繰り返しながら積み上げていくことになるでしょう。

 今回の話は直接具体的なWeb戦略に結びつくものでは無いように感じるかもしれませんが、こういったことを理解していないとWeb戦略における具体的な戦術をどのような判断で実施していくのかが分かりにくいかと思い説明した次第です。

 いよいよ次回からは具体的なWeb戦略について述べていきたいと思います。

著者プロフィール

名前 前田 哲郎
会社 アンダス株式会社
サイト http://www.andus.co.jp/

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