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CRM戦略(Eメールマーケティング)(2)

2007年07月11日 09時00分更新

文●前田 哲郎/アンダス株式会社

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 前回は、ウェブマーケティングにおけるCRM戦略として、Eメールマーケティング(EMM)の基本的な考え方についてお話しました。今回は、実際に実施する場合のシナリオについて考えていきましょう。

シナリオ企画

 はじめに皆さんに考えていただきたいのは、ここでお話しする「シナリオ」というものはそもそもユーザーとのコミュニケーションであるということです。

 大手を除いた場合、単品通販においては企業や商品のブランドが認知されているケースはほとんど無いといっても過言ではないでしょう。そのような環境の中で、数ある競合商品の中から自社の商品を買っていただいたお客様に対して

「どのような言葉で、どのようにコミュニケーションを図れば」

 再購入をしていただけるのか?
それこそがまさしく「シナリオ」なのです。このことを踏まえたうえで、アンダスが考える基本的なシナリオについて次のチャートを元に解説していきたいと思います。

 Eメールマーケティングのシナリオを考える場合、起算日(=0日)とするのは「初回購入日」になります。

 その際、一般的にショッピングカートの機能として自動送信される「サンキューメール」があります。ここではご注文のお礼と注文内容や支払い方法などの確認がメインとなりますが、これから配信する予定のメールの内容(読み物的なコンテンツがある場合など)について多少触れておくと、多少はメールの開封率を高めることが出来るかもしれません。

 次に、商品を出荷した際に配信する「(1)発送通知メール」があります。

これは各企業ごとに異なると思いますが、おおよそ2~3日後となっています。皆さんもそうだと思いますが、通販で何か買い物をした場合にその商品がきちんと届くのか、いつ届くのかというのは非常に気になるものです。よってそのようなユーザーの不安を払拭し、「早く試したい」という期待を抱いてもらうことが大切になるでしょう。
 この後、ユーザーの元に商品が届いて数日(容量が1週間~10日分の無料サンプルや有料サンプルの場合=3~4日、1ヶ月分の本商品の場合=1~2週間)たった頃に配信するのが「(2)第1回オファーメール」です。

 ここでは、ユーザーの商品に対する期待をフォローすることが重要になるでしょう。
 ユーザーはその商品や会社に対して様々な期待を持っています。すぐに効果を期待する方もいれば、ある程度続けていかないと効果は期待できないと思う方もいるでしょう。効果だけでなく、商品の形状や飲みやすさ、パッケージなどにもいろんな感情を抱いているかもしれません。そういったユーザーの気持ちに配慮し、そのお客様に手紙を書くつもりで言葉や文章を考えると「伝わる」メールになるのではないでしょうか。

 その上で、ユーザーの購買意欲を後押しする為の「オファー」を考えましょう。
 健康食品にしても化粧品にしても続けていただくことが大事だと思いますので、最近では(初回購入商品によっても変わりますが)定期コースへの入会に対してのオファーが多くなっています。

 続いて「(3)第2回オファーメール」となります。

 内容的には「(2)第1回オファーメール」と同様のものを商品を消費してしまう頃に配信する、つまりタイミングを変えて送ることになります。

 基本的には、ここまでの間に再購入していただくことを第一目標としましょう。
 しかしそれでも買っていただけない方には、「(4)第3回オファーメール」を配信しましょう。

 ここではアプローチする商品のハードルを下げてみるのも1つの手段です。例えば、メインの訴求を定期コースへの入会から本商品の単品販売に変更するといった感じです。

著者プロフィール

名前 前田 哲郎
会社 アンダス株式会社
サイト http://www.andus.co.jp/

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