モンスターハンターは、4人がハンターとなって、通信機能を利用しながら狩りをしていくというゲームだ。教室で、あるいは喫茶店やファミレスでPSPに向かう姿が、新しい世代の風俗として映ったというのはあるだろう。興味深いのは、4人がプレイするゲームの中に生じるコミュニケーションや、プレイヤー同士の関係性である。モンスターハンターは、アクションゲームとしての奥深さを持ちながらも、初心者が熟練メンバーに同行し、レクチャーしてもらいながら遊ぶことができる。普段この種のゲームをやらない層のユーザーでも、モンスターハンターの中では同じ時間を共有できる。
しかし、モンスターハンターシリーズのプロデューサーである辻本良三氏(カプコン 編成室)は、ゲームの外側のアナログなコミュニケーションの重要性を強調する。はたして、4人のゲーム世界とその外側に広がるリアル空間でのコミュニケーションの関係とはどんなものなのか?
そんなわけで、『モンスターハンターポータブル 2nd G』についてのトークセッションをやることになった。8月1日にはニンテンドーWii向けの最新作『モンスターハンター 3(トライ)』の発売を控えている。講師に辻本良三プロデューサー、聞き手には拡張現実の研究で知られる慶應義塾大学の稲見昌彦教授をむかえてのセッションである。モンスターハンターのコミュニケーション戦略に、あらゆる商品展開のヒントが隠れている。