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PCでテレビを見る派に最適

画質は最新テレビ並み!? 三菱の超解像ディスプレー

2009年05月25日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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超解像で、HD動画の精細感は蘇るのか!?

 いよいよHD動画とSD動画の比較テストだ。素材となる動画(噴水を撮影したもの)は同じもので、コーデックはともにH.264を使用。エンコード時に解像度だけ変更している。この動画を、HD解像度では「オフ」、SD解像度では「中」で確認してみた(ともに全画面表示)。

テスト用のHD動画の映像

テスト用のHD動画の映像をRDT231WM-Sで表示。赤い部分を拡大したのが下の写真

SD動画を超解像「オフ」で表示。わずかに映像が甘くなっており、水柱の細かいディテールが失われている

SD動画を超解像「オフ」で表示。わずかに映像が甘くなっており、水柱の細かいディテールが失われている

同一の映像を超解像「中」で表示。噴水の動きはもちろん、水面のゆらめきがよりはっきりと再現されていることがわかる

同一の映像を超解像「中」で表示。噴水の動きはもちろん、水面のゆらめきがよりはっきりと再現されていることがわかる

 HD解像度の映像に対して遜色のない精細感が得られていたのには感心した。特に、動きが速い流水の動きはSD解像度ではさすがにやや甘くなった印象を感じたが、超解像「中」では埋もれていた細かい飛沫や泡までしっかりと確認できた。

 精細感が高まるだけでなく、ある種の力強さというか、映像に引き込まれるような印象を感じる。HD画像と同じとまではいかないが、解像度不足による映像の甘さはほとんど感じない。「小/中/大」による効果の差は、「中」を標準に、「小」はナチュラル志向、「大」はメリハリ型と考えていい。

 例えば「小」はあまりディテールやコントラスト感の強調はないが、フィルム撮影の映画など、精細感よりも柔らかな質感を重視したい場合にはちょうどいい。「大」だと色乗りが濃くなり、ディテールの強調感が目立ってしまった。視聴は画面に手が触れる程度の近い距離で行なっているため、DVDやSD画質の動画では背景の細かい模様が強調されすぎ、油絵のようなべったりとした印象になってしまう。

 超解像「大」は、効果がわかりやすい反面、強調感も目立ちやすいので、近接視聴では使わなくても良さそうだと感じた。一般のテレビ視聴のように、ちょっと遠目の位置から見るときに使うと、強調感が緩和され、見やすい画質で視聴できる。

 YouTubeなどの動画でも試してみたところ、元々の情報量が少ないこともあり、DVDソフトほどの効果はなかったが、全画面表示でもくっきりとした見やすい映像で楽しむことができた。こちらも近接視聴なら「中」で十分。

 基本的な使い方は「中」を基準に、映像ソースや視聴距離によって、こまめに使い分けると良さそうだ。

DV MODE(映像モード)の切り替え画面。超解像のほか、ダイナミックコントラストなどの高画質機能のオン/オフも可能。動画の画質は3モードで、標準的な「TV」と、明るさを抑え階調感をよりなめらかに再現する「シネマ」、ベッドで横になりながら見るなど、低い位置からの視聴時に色の変化をおさえる「ルックアップ」がある

DV MODE(映像モード)の切り替え画面。超解像のほか、ダイナミックコントラストなどの高画質機能のオン/オフも可能。動画の画質は3モードで、標準的な「TV」と、明るさを抑え階調感をよりなめらかに再現する「シネマ」、ベッドで横になりながら見るなど、低い位置からの視聴時に色の変化をおさえる「ルックアップ」がある

 なお、弱点というほどではないのだが、パソコン画面や静止画写真の表示では「オフ」がいい。画質を切り替える「DV MODE」でも、静止画用の4モード(スタンダード、IVテキスト、フォト、sRGB)では、超解像はオフの設定となる。

 どうやら白地に黒のテキスト表示など、輝度差がはっきりした部分は文字のシャドウのようなふちどりがついてしまうなど、細かい文字が読みづらくなりがちだった。写真にしても、コントラスト感やフォーカス感が向上してしまうため、仕上がりの確認やレタッチや加工といったモニターとしての用途には向かないだろう。

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