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TECH.ASCII.jp 製品レビュー 第3回

多彩なRAID構成やホットスワップなど充実の機能

iSCSIも使えるアキバ系NASの最上位機種「TS-639 Pro」

2009年05月19日 09時00分更新

文● 飯岡 真志/ASCII.technologies編集部

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iSCSI機器として利用可能

 TS-639 ProはNASとして利用する以外に、iSCSI機器としても機能する。搭載したHDDをNASとiSCSI機器に振り分けて、同時に利用することもできる。

 iSCSIとして利用する場合には、QNAPが「Virtual Space Allocation」と呼ぶ、シンプロビジョニング機能が有効になる。これは実際の実効容量にかかわりなく、iSCSIの論理ボリュームに容量を割り当てるものだ。

 TS-639 Proの初期設定は、フロントの表示パネルとボタンを利用して、PCなしでも行なえる。ボリューム、ネットワーク、ユーザーの管理など、起動後の詳細な設定については、Webインターフェイスを利用したツールを使う(画面1)。TS-639 Proに割り当てたIPアドレスに、Webブラウザでアクセスすればよい。日本語化もされており、わかりやすく仕上がっている。ボリュームの設定なども、GUIで容易に行なえる(画面2)。

画面1 管理画面のトップ。もちろん日本語表示可能だ

画面1 管理画面のトップ。もちろん日本語表示可能だ

画面2 ボリュームの設定もGUIで簡単に設定できる

画面2 ボリュームの設定もGUIで簡単に設定できる

ソフトウェアRAIDながら
高速な転送能力

 簡単に性能を測定してみた。ギガビットEthernetのネットワークに、TS-639 Proとテスト用PCを接続し、約3.6GBの大きなファイルをPCからTS-639 Proにコピーした場合の速度を調べた。

 まずRAID0のボリュームを構築し、Ethernetポートの能力をチェックした。ドライブ2台と4台でボリュームを作成し測定したところ、2台の場合が64MB/秒、4台でも63MB/秒とほとんど変わらない結果となった。テスト用PCにはHDDを1台しか搭載していないため、こちら側の読み出し能力が限界に達しているということだろう。

 続いて6台のHDDでRAID5、RAID6のボリュームをそれぞれ構築してテストした。結果は、どちらも41MB /秒となった。RAID5/6はデータを冗長化するパリティを生成する。TS-639 ProはAtom 1.6GHzを用いたソフトウェアRAIDなので、そのぶん転送性能の低下が見られた。それでも40MB/秒以上という値は、十分に速い。また、RAID6はパリティを二重に生成するが、その負荷はそれほど大きくないことがわかる。

 TS-639 ProはSOHO 向けのストレージとして、長期に渡って使える拡張性を備えている。また安価なiSCSIソリューションとしても有用な製品だ。

ユニスター
http://www.unistar.jp/product/qnap//
価格(税込)●13万2800円

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