Excelはデータベース活用ツール
Excelには、多量なデータを取り扱う[データ]メニューがあります。ここにExcelのデータベース機能があり、ピボットテーブルも含まれます。この機能を知ることがデータ分析の出発点となります。
実務での悩み
「Excelはよく利用するが、何千件などの多量なデータは取り扱ったことがない」
「データのメニューは、何が何やらよくわからない。だから使ったことがない」
「ピボットテーブルやフィルターを利用したことがない」
ビジネスの多くの現場で、このような悩みはありませんか。
[データ]メニューはデータベース機能
Excelは50階建てのビル
MS-DOS時代の表計算ソフトを、3階建てのビルとすると、現在の表計算ソフトは、50階建てのビルに相当します。表計算機能は、20階から30階くらいまでで、その上はマルチメディア機能やデータベース機能のフロアです。しかし、ほとんどの人は3階までの基本的な表計算機能しか利用していないのが実状です。
Excelのデータベース機能は、40階以上のフロアにあります。しかし、階が高いからといって難しいわけではありません。歩いて階段で3階まで上がるのと、エレベータで40階まで上がるのとどちらが楽でしょうか。フロアが高くても、第一歩を踏み出せば、データベースの操作や活用は簡単なものです。
データベース活用の4つの機能
Excelのデータベース機能では、データの加工や分析は、「抽出」「分類」「並べ替え」「集計」の4つの作業で行なわれます。
多量なデータを、いろいろな条件で「抽出」したり、さまざまな項目で「分類」したり、降順・昇順に「並べ替え」たり、「集計」したりすることが、データベースのデータ加工です。
そのデータベースの加工を行なう機能が、メニューバーにある[データ]の役割です。[データ]にある各機能は、これら4つの機能を分担しています。
そして、4つの機能をすべてを持っているのが「ピボットテーブル」です。
ピボットテーブルがビジネスデータ分析の機能
Excelのピボットテーブル機能は正式には、[ピボットテーブルとピボットグラフ レポート]という名称です。ピボットテーブルによるL型マトリックスの集計機能、ピボットグラフによるグラフ作成機能、そしてそれらをレポートにする機能があります。
ピボットテーブル機能を定義すると、次のようになります。
膨大な実務データを意思決定に役立たせるために、カテゴリー別に集計・分類し、グラフ化して、視点を変えてさまざまな切り口から分析するOLAPツール。OLAPツールに不可欠な「ドリルダウン分析」や「スライス&ダイス分析」が可能。
このピボットテーブル機能は、「ビジネスデータ分析の基本の考え方」(前ページ参照)の図がそのまま当てはまります。(1) Excel上でデータリスト形式の表を→(2) さまざまな角度からL型マトリックス表にクロス集計し→(3) ピボットグラフでグラフ化する、という具合です。
ピボットテーブルもピボットグラフも共に、項目を自由に移動したり条件付けを行なったりして、別の観点の表やグラフが素早く簡単に作成できる機能を持った、ビジネスデータ分析の実践的なOLAPツールです。
キーワード:ピボットテーブルとは
「ピボット」とは、辞書を引くと「回転する」「要約する」とあり、「テーブル」は「表」と訳されます。
つまり、ピボットテーブルとは回転する(また要約する)表ということになります。集計項目が、行や列の欄に移動回転することを意味します。
次週は「ピボットテーブル」を実際に使ったデータ分析の手順を紹介します。
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