驚きの低価格で、Master Collectionを手に入れる方法
── 次に学生に対する施策についてお聞きしたいのですが。
増渕 まず「Adobe Creative Campus」(アドビ クリエイティブ キャンパス)というプログラムを用意しています。製品を使い始めた学生さんに、エントリーレベルの情報──インストールの仕方や初歩的な使い方を紹介し、われわれがどういった会社かを理解していただく。
(それより高度な知識を必要とする)3年生以上の学生さんには、アドビのウェブサイトなどで提供している、クリエイティブプロ向けのコンテンツをご覧いただく形になります。
また、2007年6月に「指定校学生向けライセンスプログラム」を始めたことは、学校側にも評価していただいているようです。芸術系の大学に焦点を当てて案内してきた甲斐もあって、美大に関してはほぼすべての大学で、指定校契約していただいています。
学生分をまとめて購入されるケースが増えてきていることもあって、そういった方々のお手伝いになればと、始めたプログラムです。
── 指定校ライセンスを受けるとどのようなメリットがありますか。
増渕 アカデミックパッケージよりもさらに3割ほど安く、製品を購入できるというものです。在籍している大学とアドビとの間で、CLP契約と指定校契約が結ばれているのが条件です。ただしこれは、専門学校や大学に在籍する学生さんだけが購入できるライセンスで、先生方は利用できません。
── アカデミック版よりも安価になる、というのは驚きですね。
増渕 はい。Master Collection(標準価格39万7950円)のアカデミックパッケージは、実売14万8000円ほどですので、指定校ライセンスを組み合わせれば、10万円を切る価格で手に入れられることになります。在学中に購入すれば、卒業後も同じライセンスで使い続けられますし、通常版と同様にアップグレードもできます。
本数的には、(Adobe CS4の)Design Standardが多く出ていますが、Design PremiumやMaster Collectionも売れています。予想を上回る本数ですね。特に(全部入りの)Master Collectionはお買い得ですね。ここまで安い値段で買えるのは学生だけですし。
── そのほかにはどのようなプログラムがありますか?
増渕 指定校向けに「Adobe Campus Day」(アドビ キャンパス デイ)という製品セミナーがあります。主にデザイン、Web、ゲーム、映像学科の1年生、2年生が対象です。理工学部向けにも別の内容で実施しています。内容は先生方と相談して決めていますが、初級レベルのチュートリアルやハンズオンなどを実施することが多いですね。どういうコンセプトで作品が作られているのか、実際にプロがどう活用しているかを教えてほしいという要望が多いです。
After Effectsなどが典型的だと思いますが、普段何気なく見ている映像の裏側で特殊効果が使われていることに気付く学生さんは、意外に少ないようです。(映像制作の)歴史を知らずに、出来合いのものだけを見ると、そういうものなんだと感じて疑問すら持たないのです。だから、その裏側を見てもらう。製作過程を知ることで「こういうことなんだ、だから誰でもできると先生は言っているんだ」と授業中の先生の言葉の意味を再認識する。そして、自分でもやってみたい、と。
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