一線の研究者が集う、コミュニティー作りとは
── 高等教育機関、とりわけ大学に対して、どのような施策を進めているのか、概略を聞かせてください。
増渕 大学については3つに分けて対応しています。ひとつは先生方とのコミュニケーション。次に、学生の皆さんとのコミュニケーション、最後に、情報基盤センターなど、大学内のIT管理部門とのコミュニケーションです。
先生方とのコミュニケーションについては、「Adobe Education Vanguards」(アドビ エデュケーションヴァンガード)というコミュニティープログラムを立ち上げ、特設サイトを作っています。Education Vanguardsでは、先生同士のコミュニケーションや情報交換を活性化できる場としていければ、と。
── Education Vanguardsでは、どのようなコンテンツを展開されているのですか?
増渕 各方面における先駆的な思考に焦点をあわせて、先生方のお考えや問題意識をインタビュー形式で紹介するコンテンツを、月1回のペースで公開しています。
ほかには、このような先生方から、教育・研究の分野でアドビ製品にどんなメリットがあるのかを語っていただいています。そうすることでほかの先生方にも理解していただけるのではないかと考えています。われわれの製品は基本的にプロを意識したツールなので、通常はクリエイティブな職業に携わる人々に向けたメッセージをお伝えすることが多いのです。しかし、高等教育機関に同じように当てはまるわけではないのです。
例えば、先日はAdobe MAXという最新技術を紹介するイベントに、3人の先生方がご参加いただきました(関連サイト)。その際研究者・教育者としてさまざまなコメントをいただき、それをEducation Vangadeで紹介することで、ほかの先生方にも共有していただきたいと思っています。また、これらのご意見を踏まえ、これからの製品づくりやマーケティングなどに生かしていきます。
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