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若き開発者、エジプトへ――Imagine Cup 2009日本代表を選出

2009年04月02日 12時30分更新

文● 佐久間康仁/企画報道編集部

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 ソフトウェア開発の現場でも、現場担当者の高齢化が問題視されている。学生や若者に開発の喜びや楽しさを広く知ってもらうために、マイクロソフトではIT人材育成のイベント「The Student Day」や、学生向けITオリンピック「Imagine Cup」を開催している。

 2008年にはフランス・パリで行なわれた「Imagine Cup」が、今年はエジプト・カイロに舞台を移して開催される(会期は7月3日~9日)。前回は、慶應義塾大学の高橋直大氏がアルゴリズム部門で3位と大健闘したことも記憶に新しいが(関連記事1)、そのソフトウェアデザイン部門の日本代表が3月30日に決まった。

同志社大学の「NIS Lab++」チーム

Imagine Cup 2009の日本代表選考会を兼ねた、「The Student Day 2009」に出場した3チーム。中央が日本代表としてカイロに旅立つ同志社大学「NIS Lab++」チームのメンバーだ


インターネットの利活用と
利用者のニーズに応える機能が決め手

 今年の代表に決まったのは、昨年も日本代表としてImagine Cupへの出場を果たした同志社大学の「NIS Lab++」チーム。前回出場した「NIS Lab」(関連記事2)のメンバーが3名在席しており、その実力は折り紙付きだ。今年こそ上位進出を狙う。

 第2位には国立弓削商船高等専門学校の「White Dolphin」、第3位も同志社大学の「Mammy」が選ばれた。

 NIS Lab++は、インターネットを活用して「普遍的な初等教育の達成」を目指す「PolyBooks」という作品で栄冠を勝ち取った。これは、インターネットで無償で公開されている教科書コンテンツを自動収集したり、PolyBooksの考えに賛同した有志がコンテンツを作って、教育が必要な開発途上国に配布できるという、教育支援のためのプラットフォームだ。

 言葉の壁という問題も、非営利利用向けに無償公開されている翻訳プラットフォーム「言語グリッド」を利用して解決。後から学ぶ人に理解の助けになるよう、コメント機能も搭載する。また、インターネットのインフラがない地域へも配布できるよう、アドホックネットワークを介した配信システムも備える。こうした開発途上国の現状を把握して、それに応える機能を充実させた点が高く評価された。

 なおImagine Cup 2009はソフトウェアデザイン部門のほかに、組み込み開発部門、ゲーム開発部門、マッシュアップ部門など合計9部門があり、6月中旬にはそれぞれの代表チームが決定する予定だ。


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