“ソフトウェアデザイン部門”の日本代表は“Team Someday”
世界の学生がプログラミング技術を競う大会“The Imagine Cup 2007”の日本代表が決定
2007年03月30日 23時08分更新
マイクロソフト(株)は25日、大阪府大阪市の学校法人 コンピュータ総合学園HAL(ハル)で、プログラミングに興味のある学生を対象としたセミナー“The Student Day 2007”を開催した。その中で、世界の学生を対象にしたハードやソフトの技術コンテスト“The Imagine Cup 2007”の“ソフトウェアデザイン部門”日本代表選考会を実施した。
“The Imagine Cup 2007”は、米マイクロソフト社が主催する世界の学生を対象にしたコンテストで、“ソフトウェアデザイン”や“組み込み開発”などの9部門で構成されており、今年は8月に韓国で開催される。
テーマは“テクノロジの活用による、より良い教育の実現にむけて”
世界大会へ進んだのは"Team Someday"
世界大会への出場を手にしたのは、デジタルノートシステム“LinQ”を開発した北海道大学大学院生によるチーム“Team Someday”。
“LinQ”は、専用のペンデバイスとスキャナーを使って授業のノートを取ることで、手書きのメモを任意にスキャンして、インターネットを利用した専用データベースにアーカイブし、共同で復習できるソフト。アーカイブしたメモを学生同士が共有して、コメントや回答を相互に受けられるのが特徴。プレゼンテーションによれば、“LinQ”は、解きかけのメモなどもほかの学生と共有できるため、一人では解決できない疑問点でも、アドバイスを受けながら解決に向かえるという。
準優勝は、カウンセラー教育支援システム“ラポール”を開発した、北海道大学大学院と放送大学の学生による複合チーム“SAPPORO 2丁目”。
“ラポール”は、カウンセラーと相談者のチャット内容を形態素解析(品詞ごとに分割・解析)して、カウンセリング資料として利用できるソフト。チャットの内容がカウンセリング資料にリアルタイムで反映されるため、使い込むほどにカウンセリングの精度が高められるという。形態素解析のデータを基にした、カウンセリングの例を提示する機能も備えている。
第3位は、学生同士の協同学習を促進するシステム“Teaching Mileage(ティーチング マイレージ)”を開発した、電気通信大学と東京工科大学の学生による複合チーム“EMET”。
“Teaching Mileage”は、学校で行なわれた学生同士の教え合いをマイレージという数値に換算して、学生の進学や就職時の評価に利用するというシステム。ポイントの加算方法は、教え合った学習内容を記事としてデータベースに登録し、その記事をほかの学生が閲覧すれば教えた方と教えられた方の双方にポイントが加算されるというもの。
今回の審査員である(株)NHKエンタープライズの開発センターデジタル制作副部長の菊江賢治(きくえ けんじ)氏は、世界大会に出場するチームに対し、「去年のインドの大会で審査員は、実際に現場で使ったのか、その上で発見した良い点、欠点、改良点を聞いてきた。世界は現場主義。また、去年は医療で今回は教育だが、教育は素人がいない。みんな学校に行ったことがあるプロ。だから、みんなどういうシステムが役に立つか立たないかが、分かってしまう。徹底的に現場を通した改良を加えて世界に臨んでほしい。昨日(3月24日)の世界フィギュアの様に金色のメダルが見たい」と期待を述べた。