(株)シマンテックは29日、東京・溜池山王の全日空ホテルにプレス関係者を集め、(株)インフォプラントが9月下旬に実施した一般ユーザー1000人を対象にした“インターネットにおける脅威”に関するアンケート調査結果を発表した。
アンケート結果を説明する、インフォプラントの営業本部マーケティング・リサーチャーの松澤治光氏 |
同様の調査は過去3回(2004年4月と9月、2005年10月)実施されており、調査方法などは前回と同様。調査対象者は1000名で、内訳は男女同数(500名ずつ)、20代~50代が男女各年代で100名ずつ、15~19歳と60歳以上は各50名ずつとなる。
オンライン不正行為の認知度の割合。今年から新たに設問に加えられた“ワンクリック詐欺”は高い割合で認知されていることが分かる |
特徴的な回答として挙げられたのは以下の項目。
- インターネットの利用状況
- ネットショッピング/予約サービスなど利用者は84.8%
ネットバンキングやオンライン株取引などの利用者は63.7%
オークションの利用者は50.8%など
→eコマースの利用が定着しており、半数以上が金銭授受に関わるオンライン取引を行なっている - インターネットでの個人情報入力の実態
- 総合ショッピングサイト(楽天など)の利用時は76.7%
個別商品のネット通販申し込み時は65.9%
無料のメール/ホームページサービスの申し込み時は49.7%など
→インターネットのサービスで個人情報を入力する機会は増えており、必要を感じれば入力する人が少なくない。逆に“個人情報は絶対に入力しない”という人は0.4%にとどまる - インターネットでの決済手段の実態
- クレジットカード決済は68.6%
料金受取人払い(代金引替)は41.2%
コンビニエンスストアでの支払いは45.2%
オンラインバンキングでの振り込みは40.7%
→クレジットカード決済とオンラインバンキングでの振り込みのいずれか一方でも利用している人の割合は79.7%に及び、オンライン決済だけで完結しようとする利用者が多いことが分かる - オンライン不正行為の認知度
- 架空請求/不当請求は82.0%
ワンクリック詐欺は72.8%
オークション詐欺は71.4%
フィッシング詐欺は61.8%
→新聞やTVなどのニュースでも報道されている、被害者が多い不正行為については総じて認知度が高いが、トロイの木馬は48.0%と半数を割り、キーロガーは17.2%、ファーミング詐欺は4.3%など専門的な用語については知名度がまだまだ低い
このほか、スパイウェアについての認知度や被害意識調査などの結果も報告されたが、これはプログラム的にユーザー環境のスパイウェアを検知・検出したわけではなく自己申告によるもの。そのため、ユーザースキルによっては本当にスパイウェアが侵入したのか、侵入の原因や経路が何であるかを正しく特定できているかなど、回答の真実性には疑問が残る。
アンケート結果を踏まえて、セキュリティー対策の重要性を説く、シマンテックのシニアリージョナルプロダクトマーケティングマネージャの風間 彩氏 |
シマンテックのシニアリージョナルプロダクトマーケティングマネージャの風間 彩氏は、この調査結果を踏まえて、「利用者には新たなアプローチの必要性がある」と提言。具体的には、
- 利用するオンラインサービスをよく知る
- 安易にメールやウェブサイトのリンクなどを使うのではなく、自分でURLを入力するなどして、偽サイトに誘導されないようにする
- セキュアなサイト(SSLを利用したサイト)を利用する
- もし買いたい商品があっても、SSLを使ったサイトが用意されていない場合には、別のショッピングサイトを探すほうがいい
- 取引記録を残す
- 取引結果は印刷して手元に保管し、メールなどの電子データの双方で残すようにする。また、不審な振り込みや引き落としがないか確認する
- 消費者の知恵を活用する
- 購入するまで慎重に考えて、返品や交換時のトラブルなどがないか、利用するサイトの姿勢を十分確認する
- セキュリティー対策を万全にして自分のコンピューターと自分自身を守る
- 最新のセキュリティーソフトを使う
などを説明し、同社が発売しているオンライン詐欺対策ソフト『Norton Confidential(ノートン・コンフィデンシャル)』や、ウイルス/スパイウェア対策ソフト『Norton Internet Security 2007(ノートン・インターネットセキュリティ 2007)』の利用を勧めた。