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NECエレクトロニクス、3G携帯電話向けの半導体ソリューション“Medity”を発表

2006年09月21日 17時23分更新

文● 編集部 飯塚岳史

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NECエレクトロニクス(株)は21日、3G携帯電話向けの最新システムLSI“MC10038(M1)”や開発ツール、システムインテグレーションサービスなどを含む半導体ソリューション“Medity”を発表した。

Medityは、同社が日本電気(株)と共同で開発した3G通信コア“M1”を軸としたソリューションの名称で、“DBB(デジタルベースバンド)アプリ統合LSI、無線周波数処理(RF)IC、および電源ICなどから構成されるチップセット”、“システムLSIを動作させるためのソフトウェア”、“ソフトウェア開発用の評価ボードなどのリファレンスデザインキット”、“ソフトウェア開発を支援する開発ツール、OSやミドルウェア移植などを行なうシステムインテグレーションサービス”の5つの要素で構成されている。第1世代のMedityということで“Medity1”と呼ばれる。

Medity
Medityは、チップセット、ソフトウェア、評価ボード、開発ツール、インテグレーションサービスの5つからなる

同社では、従来LSIを含んだチップセット周りを提供してきたが、今回ソリューションとして提供するに至った背景には、2006年以降での欧州や韓国でのW-CDMA市場の伸びなどによるものが大きいという。この伸びに合わせてこういった統合的なソリューションを提供することで、ユーザー(携帯電話機メーカー)の開発工数の低減、差異化(差別化)部への集中投資、端末の原価の低減などを推進できるという。

また、同社独自のメモリー共有技術、高集積化を利用することで、従来モデルよりもチップ数を13チップから9チップへと削減でき、端末の小型化およびコストダウンに貢献できるという。

差別化できる チップセットを小さく
ソフトウェアや、開発ツールなどの検証作業をNECエレクトロニクス側で行なって提供するので、端末メーカーは差別化に注力できるチップセット構成を13チップから9チップに削減し、より低コスト、小型化している

発表会では、第三システム事業本部長の中村一夫氏らが出席し、ソリューションの概要などについて説明した。

中村氏
第三システム事業本部長の中村一夫氏

中村氏は、同社の現在の実績などについて「世界シェア(20~22%)、国内シェア(50%前後)ともにトップシェアを持っているが、2008年から2009年にかけて世界シェアを30%まで伸ばし、トップシェアをそのまま継続し、積極的に事業を展開していきたい」と述べた。また、ソリューションを採用することによる開発工数の削減数について、製品によって異なるため具体的な数値は出さなかったものの、リファレンスデザインをそのまま利用する形であれば、半分近くまで減らせるという。

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