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閉館まであと4日! 今しかみられない! 今見ておきたい「さよなら、交通博物館」

2006年05月10日 00時00分更新

文● 子田 聖子

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1階が交通博物館のメインエリア
だれでも鉄道が好きになる!

 鉄道関連の展示物を集めた1階は、交通博物館の中でも一番人気のある場所。国の重要文化財に指定された「1号御料車」と「1号機関車」2つの実車両、模型鉄道パノラマ、電車運転シミュレータなどがあり、本物に近い体験ができるのがうれしい。

●スタンプコレクション
 右手に売店を見ながら1階ホールに入っていくと、中央にどーんと大きな機関車が2台。……と、その前に机が一つおいてあり、“スタンプコレクション”の申し込み受付を発見!

館内9つのポイントでスタンプを集めれば、特製のクリアファイルがもらえるというもの。館内の重要ポイントを見学しながらスタンプを集め、景品がもらえれば一石二鳥だ

●C57形135号機関車
 中央の機関車ホール。写真右側の機関車は「C57形135号機関車」の実車両。旅客列車として走っていた、最後の蒸気機関車だ。

「C57形135号機関車」が初めて展示されたのは1976年の5月14日で、交通博物館が閉館するのは、2006年の5月14日。ちょうど30年間、人気の展示物として親しまれたことになる。
そのC57型の横の壁には、すごい数の機関車のプレートが飾られている! スゴイ!

●実物の客席
 もう1台の機関車「9850形マレー式機関車」の横には、座席の実物がズラリ。実際に座ることができ、展示の合間にちょっと一息つくベンチ代わりにも使える。交通博物館ならではのちょっとした贅沢? 年代別に並んでいて、明治40年ごろの座席は座る部分に畳が使われている。

●1号機関車
 国の重要文化財にも指定されている「1号機関車」。明治5(1872)年、日本で初めて新橋-横浜間を走った機関車で、国鉄で40年、九州の島原鉄道で20年走ったあとに、交通博物館に来た。ちなみに、これは阿川弘之作の絵本「機関車やえもん」のモデルになっている機関車。

●シミュレータ
 山手線205系、東海道線の211系、京浜東北線209系のシミュレータ。山手線シミュレータでは実際に使用している運転台を使っており、映像も大崎~田端の間のリアルな映像を使っていて臨場感はバッチリ。どのシミュレータもいつも混んでいて、大人気だ。

●大正時代の客室客車

実物大の模型。木造3等車を再現した展示で、座ることもできる(中で食事をしている人も!)。実際に触れたり、体験できる展示が多いのがうれしい

●旅客車のあゆみ室
 木造電車から最新新幹線まで、新旧のオリジナル模型がそろっている。これらの模型や模型鉄道パノラマの模型は、ほとんど博物館の敷地内にある『牧工房』で作られたもの。実物を運び込めない場合、精密な模型で見せることが交通博物館の開館以来の方針とか。

特別展示資料室で「乗り物模型蔵出し大公開」を閉館日まで実施中。昔の展示物で人気のあったものを蔵出しで見ることができる写真は、特別展示で紹介されている特急電車「はつかり」の模型

●御料車
 天皇・皇后陛下がご旅行などで使用された車両2つを展示。貴重なものなのでガラスケースで保護されている。下の写真の「1号御料車」は交通博物館で2つめの重要文化財。内装や調度品は明治初期の最高の工芸技術を使用したもので、わずかな風でも繊細な絹張りがはがれ落ちてしまうとか。ちなみに、3つめの重要文化財は「鉄道古文書」で、実際に見ることはできない。

●旧万世橋駅
 交通博物館は、かつては旧「万世橋駅」の構内にあった。昭和11(1936)年から、駅が閉鎖される昭和18(1943)年までは、旧万世橋駅は駅と博物館との両方の機能を持った場所だったのだ。交通博物館では、旧万世橋駅の遺構を5月14日まで完全予約制で特別公開している。遺構見学に参加できなくても、休憩室の奥の小窓からその一部を見られるようになっている。

休憩室に上る部分に一部見えている階段は、旧万世橋駅の中央階段。広い階段の一部が見えている
休憩室の奥の小窓からは、プラットホームへと続く階段を見られる。当時の人はこの階段をのぼって、電車に乗り込んだ小窓から見える風景。階段は御影石でできており、滑り止めはない。階段を上ったところにはプラットホームの名残も残っており、となりに中央線などがガンガン通っている

●模型鉄道パノラマ
 昭和23(1948)年に始まり、昭和36(1961)年には2倍の面積に拡張された。奥行き6メートル、幅20メートルのジオラマ。1/80スケールで、一度に170車輌を走らせることができる。すべてが実物通りの車両編成とスピードスケールというのが、交通博物館らしく、本格的。

 学芸員のナレーションのもと、朝・昼・夜の時間経過とともに通勤車から特急、新幹線などいろんな車輌がジオラマの上を走っていく。実際にシミュレータを作動するのも、学芸員。一部は自動制御だが、ほとんど手動で動かす。ショーのような楽しさで、大人から子供までがガラスの前に張り付き状態だ。

 ちなみに学芸員の方のナレーションデビューは、基本の操作と流れ(朝・昼・夜の時間の経過と走る鉄道のだいたいの流れ)を覚えてしまえば、約3ヶ月くらいとか。学芸員、それぞれが自分自身のシナリオをもっていて、アドリブなども交えて進行していくとか。見て、聞いて楽しい模型鉄道パノラマになにかあたたかみを感じるのは、手作り感が大きいからかもしれない。中には、終わるのを待っていて握手をもとめてくる子供もいるそうだ。

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