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コクヨ、“起業”をテーマにしたPSP向けゲームソフト『ビズ体験シリーズ 起業道』の発表会を開催

2006年02月16日 20時27分更新

文● 編集部 小西利明

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報道陣の前で実際に『起業道』をプレイする、コクヨ 代表取締役社長の黒田章裕氏 『ビズ体験シリーズ 起業道』のパッケージ。価格は5040円で、発売日は3月9日
報道陣の前で実際に『起業道』をプレイする、コクヨ 代表取締役社長の黒田章裕氏『ビズ体験シリーズ 起業道』のパッケージ。価格は5040円で、発売日は3月9日

コクヨ(株)は16日、東京都内のホテルにて同社初のプレイステーション・ポータブル(PSP)用ゲームソフト『ビズ体験シリーズ 起業道(きぎょうどう)』の発表会を開催した。同社が掲げる“ひらめき支援事業”の一環として制作されたもので、今後もビジネスをテーマとしたタイトルをリリースする予定である。価格は5040円で、発売日は3月9日の予定。

コクヨと言えば、文房具やOAサプライ品、あるいはオフィス家具などの会社というのが、一般的なイメージであろう。その同社がオリジナルゲームソフトの開発・販売に乗り出した理由について、同社代表取締役社長の黒田章裕氏は、同社がブランドメッセージとして掲げる“ひらめき・はかどり・ここちよさ”の解説と、それに基づいた新規事業としてのゲームソフト開発について語った。

同社では3つのキーワード(提供価値)を、“ひらめき”を創造性、“はかどり”を効率性、“ここちよさ”を快適性と定義して、同社の既存ビジネスの多くは、はかどりを主体にひらめきの領域に広がっているとした。今回の起業道を皮切りに始める“ビズ体験シリーズ”のゲームソフトは、“ひらめき支援事業”に位置づけられており、ゲームという身近な媒体を通じて、創造性のベースとなる知識を学べる事業であるという。2005年6月にはデモ版をインターネット上で公開。デモ版でのリサーチ結果も好評であったため、製品化が実現できたという。ターゲットとするユーザー層は大学生から30歳代前半程度の、ビジネスへの関心度が高めの層としている。

同社のブランドメッセージ“ひらめき・はかどり・ここちよさ”と、ひらめき支援事業の位置づけ ビズ体験シリーズのコンセプトは“ビジネスコミック+ゲーム”。起業道ではアドベンチャーゲームタイプのシステムで、青年サラリーマンが1人の実業家として成長していく姿を描く
同社のブランドメッセージ“ひらめき・はかどり・ここちよさ”と、ひらめき支援事業の位置づけビズ体験シリーズのコンセプトは“ビジネスコミック+ゲーム”。起業道ではアドベンチャーゲームタイプのシステムで、青年サラリーマンが1人の実業家として成長していく姿を描く

ゲーム自体は、いわゆるアドベンチャーゲームタイプで、ビジネスコミックのように実際のビジネスを主題としたストーリーが展開される。主人公は中堅広告代理店勤務の29歳のサラリーマン。安定した仕事やプライベートを営みながらも、現状に不満を感じている。そんな時に、大学時代の後輩が青年実業家として成功を収めていることを知り、サラリーマン生活に見切りを付けて、自らビジネスを起業する道を選ぶ、という物語が描かれる。ゲーム中で出てくる選択肢を選びながら、経営者としてさまざまな問題に立ち向かい、最終的には業界ナンバーワンの地位を目指すゲームとなっている。

ゲームの1場面。ビジネスやストーリー上の判断が要求される場面では、このように選択式で決断を下していく
ゲームの1場面。ビジネスやストーリー上の判断が要求される場面では、このように選択式で決断を下していく

単なる経営アドベンチャーゲームだけでなく、経営について学ぶことを重視した作りとなっており、例えばゲーム中で出てくる経営に関する用語は、“用語モード”で随時用語解説を参照して意味を知ることができる。また言葉だけでは理解しにくい概念については、図版を元にした説明“レビューモード”が用意されている。またシナリオ各章の最後では、シナリオ中で学んだ概念についての“確認テスト”が用意されていて、理解度をテスト形式で確認できる。

“用語モード”の例。テキスト中に出てくる用語には用語解説が用意され、意味を調べられる
文字では理解しにくい概念は、図版で説明される。こういった要素もビジネスコミック風と言えようか 章末では学んだ事柄についてのテストが出題される。テスト結果は“道 達成度”として、達成率で表示される
文字では理解しにくい概念は、図版で説明される。こういった要素もビジネスコミック風と言えようか章末では学んだ事柄についてのテストが出題される。テスト結果は“道 達成度”として、達成率で表示される

ゲームには中には、いったんクリアーすると登場する“隠れストーリー”と称する別シナリオも用意されていて、一度クリアーしても別の業種を選び、新たなプレイが可能とされている。隠れストーリーでのみ登場するキャラクターも用意されているとのことだ。

とかくこの種の教育要素を重視したゲームは、ゲーム自体が単純すぎて楽しめないか、ゲームとしての出来はともかく、知識を学ぶ媒体としてはいまひとつ、というものが少なくない。その点プロモーションビデオ等を見る限りでは、起業道はビジネスコミック風のアドベンチャーゲームというスタイルに、用語や概念の解説を多数加えるなど、面白さと学習効果の両立に工夫を凝らした様子がうかがえる。

同社では起業道以外にも、ビジネスをテーマにしたゲームを2~3タイトル開発中とのこと。起業道の売上本数の目標については、2年で10万本程度と長い目で見ているとのことだ。今後のシリーズ展開も注目されるタイトルであろう。

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