このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

W33SA

W33SA

2006年01月16日 00時00分更新

文● 永島和夫

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

相打ちを打つ会話ではauのほうが安くなる可能性大

カメラはオートフォーカス機構を持った126万画素のCCDタイプ
カメラはオートフォーカス機構を持った126万画素のCCDタイプ

このW33SAをはじめauの冬モデル3機種に搭載された新サービスがHello Messengerである。いわゆるPush to Talkの機能で、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの“プッシュトーク”に対抗するサービスとなる。プッシュトークとの最大の違いは、チャット(短い文章によるコミュニケーション)やその場で撮影した画像をメンバーに送信する機能が追加されている点だ。

また、Hello Messengerでやりとりした音声の課金方法の違いがある。NTTドコモのプッシュトークがボタンを押して1回話すごとに5.25円(30秒まで)が課金されることに対し、auのHello Messengerでは会話状態が続いていれば、 ボタンを押して話した合計時間が課金される。もちろん話した人だけに課金され、受信したメンバーにお金がかからないのは共通だ。

Hello Messengerの料金はメンバーと会話状態になっている間は、何度ボタンを押して送話しても、話した合計時間について2秒ごとに1.05円(2006年4月30日までは20秒ごとに1.05円)が課金されるのだ。たとえば相手の話に「はい」や「うん」といった相打ちを打つ会話では、auのほうが安くなる可能性が高い。ドコモのプッシュトークでは、「はい」と言うだけで5.25円がかかることを意識し過ぎて返事を控えてしまうこともあり、Hello Messengerのほうが充実したコミュニケーションが楽しめそうだ。

ただし、NTTドコモは月額1050円の定額プラン“カケ・ホーダイ”を用意しており、本当にヘビーに使うユーザーであればNTTドコモのほうが割安に使えるだろう。なお、これらのサービスは異なる通信事業者の携帯電話機とやりとりはできないため、使いたければ仲間と同じ携帯電話会社と契約するしかない。



Hello Messengerはメインのメニューから選択する Hello Messengerのトップメニュー
Hello Messengerはメインのメニューから選択するHello Messengerのトップメニュー。スタートから相手を選択する

電話帳に相手の登録が必須

Hello Messengerのメンバーリスト
グループが設定されていたり、通信通話の履歴があれば、そこからも相手を誘うことができる

このように仲間とのコミュニケーションができるHello Messengerだが、利用にはまず準備が必要だ。双方が相手を電話帳に登録している必要がある。面倒なようだが、電話帳にない知らない相手から突然メッセージが届くことがないのはありがたい。

通信方法はHello Messenger(専用アプリケーション)を起動し、相手を指定して“お誘い”ボタンを押すだけだ。相手の画面に参加か不参加か選択する画面が表示され、“参加”を選ぶと通信状態となる。

ただし、電話帳に登録していない相手とメッセージをやり取りすることも、条件が整えば可能だ。これは、Aさんの電話帳にBさんとCさんが登録され、BさんとCさんの相互は電話帳への登録がないという場合だ。AさんがBさんCさんを会話に誘えば、BさんとCさんもその会話の中でやりとりができる。通常は参加者を表すキャラクターと電話帳に登録した名前が画面に表示されるが、BさんとCさんは互いに電話帳に登録していないので、それぞれの画面での表示は電話番号となる。

通信状態となっていれば、“トーク”(音声メッセージ)、“コメント”(キー入力によるテキストチャット)、“フォト”(内蔵カメラで撮影した画像)の3つの方法で相手とやり取りができる。トークの場合、オフフックボタンを押している間に話すことができるが、ボタンを押した状態で“私>(お話中)”と表示されてから声を出さないと、認識されない。接続した状態で、しゃべる権利を獲得してから、接続状態の仲間に音声メッセージが届けられる仕組みとなっている。

一方、コメントやフォトはどのタイミングでも送信することができる。Hello Messengerでは同時に4人の相手(すなわち自分を含めて最大5人)とメッセージをやりとりできるが、接続している相手すべてに各メッセージは届けられる。



Hello Messengerの会話画面(1) Hello Messengerの会話画面(2)
相手が接続すると、メッセージのやりとりが可能になる。画面は“コメント”と“トーク”でやり取りをしている状態写真を送るとまずサムネイルで表示され、表示操作をすると大きく表示される

これが簡単な使用方法だが、Hello Messengerでは便利な設定を行なうことができる。まず、メッセージ画面での自分のアイコン(動物のキャラクター)は、12種類から選択できる。次にアイコンが表示されるシーン(背景)だが、これも選択できるが自分の画面の表示が変わるだけで通信相手の画面では反映されない。

キャラクター選択画面 シーン選択画面
自分のキャラクターを12種類の中から選択できるシーン(背景画面)も4種類から選択できる

通信方法では、自動応答を選ぶことができる。自動応答にしておけば、携帯電話機を操作しなくても接続状態となり、メッセージを受け取ることができる。トークは保存されないが、コメントやフォトは残っている。このほか、応答禁止ユーザーの設定なども可能だ。ちなみに、Hello Messengerのユーザーインターフェースは現在のところ販売されている対応3機種すべて共通で、アイコンも共通だ。

ワンセグ対応携帯電話機が欲しいのであれば

W33SAは、ワンセグとHello Messengerの両方を体験したいauユーザーにとって、現在選択できる唯一の機種だ。これまで述べたように、この2つの機能の使用感は良好だ。

しかし、購入してから次の機種変更まで1年以上の長い付き合いになるであろうことを考えれば、“おサイフケータイ”サービスに対応していないことはあらかじめ知っておく必要があるだろう。1月10日現在、auの端末は、おサイフケータイ対応かHello Messenger対応か、どちらか一方の選択しかないというユーザー泣かせの状態になっている。W33SAはSIMカード“au IC カード”にも対応しないため、おサイフケータイと一緒に持ち歩いて、カード1枚の差し替えで端末を使い分けることも不可能だ。

厚みのあるボディー 容量830mAのリチウムイオン充電池を採用する
厚みのあるボディー容量830mAのリチウムイオン充電池を採用する。SIMカードの“au ICカード”には対応していない

また、これは店頭で手にすればわかることだが、重量が約150gと重い。ハイエンド機を中心に120g以上の重量も少なくないが、150gというのは群を抜いている。また本体サイズも幅50×奥行き27×高さ105mmと、ハイエンド機らしいどっしりとした風貌だ。

以上の2点を踏まえ、自分の嗜好やライフスタイルに合うか、じっくり検討してほしい。ワンセグ対応であるという点が何ものにも代え難いメリットだと感じるなら、ぜひ購入をおすすめしたい。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン