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【最新パーツ性能チェック Vol.37】CPU頂上対決はデュアルコアを舞台に! Pentium XE 955とAthlon 64 FX-60はYonahにデスクトップCPUの意地を見せられるか!?

2006年01月10日 14時00分更新

文● 月刊アスキー編集部 野口岳郎

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4スレッド対応アプリでXEはどこまで速くなる?

 さて、ここからのテストは、3つ以上のスレッドを活用していると思われるものだ。いよいよPentium XEの本領発揮となる。FX-60にとっては、2スレッド対応のコアで、これらのテストでどこまで性能を伸ばせるかがポイントだ。
 グラフ6は、4アプリ同時実行までのテストがある「PCMark 05」。Pentium XEが水を得た魚のようにスコアを伸ばした。FX-60は4800+からさらに伸ばしたものの、XE 955には大差で離されている。多数のアプリが同時に動く環境では、XEの論理4CPUはかなり効果的なようだ。一方グラフ7は3Dレンダリングの「Cinebench 2003」。こちらも、XE955はシングルコアCPUの65%増し、XE 840に対しても1割近い性能向上を見せた。ただし宿敵4800+はかわしたが、700に迫るスコアをたたき出したFX-60には届かなかった。グラフ8は、3D描画のほかに物理モデリングやAI機能を並列に実行する、「次世代3Dゲーム」を想定した3Dベンチ「3DMark 05」のCPU性能。ここはXE 955が840から10%以上性能を伸ばし、FX-60も抑えてトップを飾った。クロック比以上の性能向上は、FSBの高速化によるものだろう。
 異なる種類のタスクを実行する「PCMark 05」や「3DMark 05」のほうが、同じ処理を多数のスレッドで実行する「Cinebench 2003」に比べ、HT動作時の実行ユニットの取り合いが減り、性能の伸びが多いという推測は可能だ。いずれにしろ、AMDのデュアルコアCPUに大差でリードした点は大いに注目できる。
 グラフ9は、マルチスレッド対応でPentium系が強い「TMPGEnc 3」によるMPEG-2ファイル作成テスト。XE 840が、4800+に対して首位の座を死守していただけあって、955はぶっちぎりのトップだ。FX-60も健闘したが、955はもちろん、XE 840にも僅差で届かなかった。
 さて、グラフ10、11は、今回から新設するマルチスレッドエンコードテストだ。グラフ10は「Windows Media Encoder 9」の“Advanced Profile”を用いての圧縮。グラフ11は、「DivX 6.1」によるDivX形式のAVIファイルの作成。いずれも少なくとも4スレッドでの実行に対応している。別種のエンコーダであるのに、結果は奇しくも極めて似通った形になった。「Windows Media Encoder」では4800+に大きく離されたXE 955が、「Advanced Profile」を使うと一気に挽回。4800+を逆転したものの、FX-60はその上を行く。「DivX 6.1」も同じ構図だ。ただ、差は非常に少ないので、エンコードの設定や使うファイルによっては順位が上下する可能性はある。

DIVX
DivXの最新バージョン6.1は、マルチコアに対応している。詳細設定を呼び出すと、DivXが認識した論理CPU数を表示する。これはXE 955上での表示
PCMark 05
グラフ6。4スレッド同時実行のテストを含む「PCMark 05」の結果。CPU性能を見るため、メインスコアではなくCPUのスコアを掲載している
グラフ7。CGレンダリングのテスト「Cinebench 2003」。CPU数に応じて画面を多重分割描画する
3DMark 05
グラフ8。「3DMark 05」のCPUスコアは、3D描画、物理モデリング、AIといったスレッドを起動しており、マルチスレッド対応CPUで高いスコアが出る
TMPGEnc 3
グラフ9。マルチスレッド対応、SSE3対応など、インテルCPUの最新スペックをいち早く有効活用してきた「TMPGEnc 3」によるMPEG-2ファイル作成時間。短いほど高速
Windows Media Encoder
グラフ10。「Windows Media Encoder」で、ビデオ圧縮に“Advanced Profile”を選ぶと、XEで4スレッドを使った圧縮が可能になる。グラフ4と比較して、XEのスコアが大きく伸びているのに注目。短いほど高速
DivX6
グラフ11。DivXがついにマルチスレッドに対応した。短いほど高速

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