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【最新パーツ性能チェック Vol.36】Athlon 64との違いは名前だけなのか? Opteronのオーバークロック耐性をチェックする

2005年12月14日 21時48分更新

文● 月刊アスキー 野口岳郎

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性能の差は誤差範囲だが、クロックアップはAthlon 64 3700+が強い

 さて、CPUの性能に違いがないかどうか、いくつかのベンチマークテストを走らせてみたが、グラフ1~4のように、差はほとんどない。僅かにAthlon 64 3700+が上のケースが多いが、これは誤差範囲だろう。コアのリビジョンがいっしょだとすれば、当然の結果かもしれない。

3D、レンダリング、エンコード、いずれも差は誤差範囲にとどまった。プロセス、コアのリビジョンまでいっしょでは当然予想される結果ではある。

 クロックアップについては、HyperTransportの倍率を3倍に下げて計測した(これによりFSB 333MHzまではHTの速度が基準をオーバーしない)。メモリはG.SKILLのPC4400(DDR 550相当。FSB 275MHzまで対応)のメモリ「F1-4400DSU2-1GBFC」を使用。CPUのクロック倍率を下げ、FSBを275MHzに上げても、メモリは自動設定のままで問題なく動作した。つまり、275MHzまではHTとメモリがボトルネックにならない状態で、FSBがどこまで上がるかをチェックしている。また、FSBの調整は、BIOSではなく、「ClockGen」のnForce 4用(http://www.cpuid.com/cg.php?cgid=NVNF4)を使用している。nForce4系マザーボードならどれでもWindows上でクロックが調整できる便利なソフトだ。ファンはAMDのリテールクーラーで、電圧などは特に明記しない限りどれも標準の設定である。
 Opteron 148については、標準電圧で「Superπ」が完走したのはFSB 230MHz、クロックにして2.53GHz(330MHzアップ)、比率で+15%まで。ただ、CGレンダリングの「CineBench 2003」はFSB 236.1MHz、クロックは2.597GHz(+397MHzアップ、比率で+18%)まで動作した。電圧を1.45Vに上げたところ、「Superπ」は2.605GHz、「CineBench」は2.672GHzまで上がった。なんとかAthlon 64 FX-55を抜いた形だ。「Windows Media Encoder」は2.695GHzでも動いたが、「3DMark 2001」は「Superπ」と同じ2.597GHzまで。実用限界はこのあたりのようだ。
 一方のAthlon 64 3700+はどうか。こちらは優秀で、標準電圧のままでも「Superπ」が2.788GHzまで動作、「CineBench」は2.797GHzまで動いた。電圧を上げればAthlon 64 FX-57(2.8GHz)超えもありうるだろう。

クロックアップの結果。Opteron 148は+0.05Vで2.6GHz弱。そう悪い結果でもないが、Athlon 64 3700+が優秀だっただけにやや見劣りする

 今回テストした2製品では、デフォルトの電圧がOpteron 148よりAthlon 64 3700+のほうが低かったが、これは一般的には、Athlon 64 3700+のほうがダイのクロック耐性が高いことを意味する。耐性が高ければ、より低い電圧でも安定動作するし、同じ電圧を与えればより高いクロックで動ける。どうやら今回はAthlon 64のほうがまずまず“当たり”のロットだったようだ。
 Opteronはサーバ用なので、ひょっとすると高耐性のダイを優先的に回しているのではないか、という憶測もしたくなるが、今回の結果からすると肯定できないようだ。ただ、Athlon 64にはない、「低いクロックでキャッシュが1MB」のOpteron 144/146といった製品は、仮に2.5GHzくらいで動いてくれるなら、「少ない投資で高い性能」を得られることになる。同じクロックで動くなら、キャッシュの少ないAthlon 64のローエンド品より最終性能が上げられる。やはり狙い目はこのへんだが、現在店頭から消えつつあるのが残念なところである。

Athlon 64-3700+ Opteron 148
Socket 939のシングルコアCPUとしては一番新顔のAthlon 64 3700+。1MBキャッシュ品が潤沢に製造できるようになってきたことを伺わせるOpteron 148。Socket 939ならどれもE4コアでSSE3対応なので、うっかり旧コアをつかむ心配はないようだ
DFIのオーバークロッカー御用達nForce 4 SLIマザーボード「LANParty UT nF4 SLI-D」。通常2.85Vが限界のメモリ電圧を4Vにまで上げられるため、超高速FSBでのテストに有利だ512MBMのモジュールを2本組で販売されているG.SKILL製のPC4400-1GBメモリ「F1-4400DSU2-1GBFC」。FSB 275MHzでの動作も問題なくクリア。今回は、CPU側がFSB 258MHz程度までしか上げられなかったので楽勝だった
【協力】

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