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DSC-T9

DSC-T9

2005年11月25日 00時00分更新

文● 行正 和義

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手ぶれ補正の追加で、死角のないスナップカメラに

 撮影機能に関しては従来製品と大きな違いはなく、メニューシステムも共通だ。最短1cmの撮影が可能な拡大鏡モードや、撮影画像の整理に便利な“アルバム”モード、画像にBGMを付けての再生する“音声付きスライドショー”機能も継承しており、単に“撮る”だけでなく“見せる”楽しみも演出してくれる。記録メディアはメモリースティックDuoだが、内蔵フラッシュメモリーも58MBと大容量になっており、最高画素数/最高画質で撮った場合でも19枚の写真を記録しておける。カードの入れ忘れや緊急時に重宝するほか、人に見せるための画像は内蔵メモリーにいれて常に持ち運ぶといった使い方ができて便利だ。

VGAに縮小 中央部をVGAサイズでトリミング
VGAに縮小中央部をVGAサイズでトリミング
逆光だとレンズに光が入射しやすく、このサンプルでもフレアが発生しているものの、光かぶりも少なく画質がそれほど低下していないのは優れた画像処理のおかげだろう。猫のふわふわとした質感とシャープな周囲の風景の対比がきれいに出ている。プログラムAE、ISO80、F6.3、1/125秒。

 画質面では、サイバーショットシリーズならではのすっきりした色味はそのまま。レンズの影響か若干の甘さはあるようだ。これは屈曲系レンズの特性に加えて、手ぶれ補正に使用するシフトレンズを介しているためかもしれない。とはいえ、この種の薄型コンパクト機としては良好な画質と言えるだろう。

 サイバーショットTシリーズは、大画面液晶パネルと携帯性に優れた薄型/高質感なデザインの採用などにより、高い人気を博していたが、手ぶれ対策では遅れを取ってた。松下電器産業(株)の『DMC-FX』シリーズやコニカミノルタフォトイメージング(株)の『ディマージュ X1』などではすでに光学式手ぶれ補正が搭載されており、富士写真フイルム(株)やオリンパスイメージング(株)などはISO800以上の高感度撮影機能を装備した製品を投入している。手ぶれ補正と撮影感度の向上でこのマイナスポイントがなくなったのは大きい。

VGAに縮小 中央部をVGAサイズでトリミング
VGAに縮小中央部をVGAサイズでトリミング
撮影サンプル。とっさの撮影でもポケットから取り出してすぐに撮影できるのも魅力だ。プログラムオート、ISO80、F4.0、1/200。

 DSC-T9には、オプションでウィンタースポーツや雨天時での使用も可能な『スポーツバッグ SPK-THC』(価格1万1550円、水深3mまでの防水性能)も用意される。普段からポケットに入れておいて気軽に撮るというスナップ用途のほかにも、水辺や雪山などのアウトドア、三脚を利用した夜景撮影、拡大鏡モードによる1cmマクロ撮影など、DSC-T9は小さいながらも汎用性の高いカメラに仕上がっている。

筆者注:サンプル写真はいずれも、2816×2112ドットで撮影。Photoshopにてリサイズまたは切り抜き処理を行っているが、それ以外の処理は行なっていない。
サイバーショット「DSC-T9」の主なスペック
製品名 サイバーショット DSC-T9
撮像素子 有効600万(総618万)画素1/2.5インチSuper HAD CCD
レンズ 光学3倍ズーム対応、f=6.33~19mm(35mmフィルムカメラ換算時で38~114mm相当)、F3.5-4.3
静止画の出力サイズと形式 最大2592×1944ドット、JPEG形式
動画の出力サイズ/フレームレートと形式 最大640×480ドット/30fps、MPEGムービーVX(MPEG-1形式)
液晶ディスプレー 2.5インチ“クリアフォト液晶プラス”(半透過型TFT方式、23万ドット)
記録メディア メモリースティック デュオ/メモリースティック PRO デュオ、内蔵58MBメモリー
電源 専用リチウムイオン充電池(NP-FT1)
インターフェース
(付属アダプター側)
USB(USB2.0 Hi-speed対応)、AV出力(モノラル音声)
本体サイズ 幅89.7mm×高さ54.9×奥行き16.8~20.6mm
重さ 約134g(撮影時は159g)

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