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アイ・オー・データ機器、iPodで見られるMPEG-4での録画が可能なTVチューナーカードなど、TV録画関連製品5機種を発表

2005年11月08日 21時40分更新

文● 編集部 小西利明

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『GV-MVP/GX2』エンコーダーチップによるハードウェアトランスコードで、MPEG-2とMPEG-4で同時に録画できる ダブルチューナーで2番組同時録画が可能な『GV-MVP/GX2W』
『GV-MVP/GX2』エンコーダーチップによるハードウェアトランスコードで、MPEG-2とMPEG-4で同時に録画できるダブルチューナーで2番組同時録画が可能な『GV-MVP/GX2W』

(株)アイ・オー・データ機器は8日、東京都内のハウススタジオにて製品発表会を開催し、TVチューナーカードやUSB TVチューナーボックス、LAN接続形TVチューナーユニットなど、TV再生・録画周辺機器5製品を発表した。

GV-MVP/GX2、GV-MVP/GX2W

PCIカード型のTVチューナー・キャプチャーカード『GV-MVP/GX2』『GV-MVP/GX2W』は、エンコーダーチップによるハードウェアMPEG-4エンコード機能を大きな特徴とする製品だ。両製品は、カナダViXS Systems社の“XCode-II”シリーズのエンコーダーチップを搭載している。このチップはハードウェアによる高速なMPEG-2トランスレート(ビットレート変換)機能を備えることで人気の高いエンコーダーチップであるが、今回の両製品ではリアルタイムでのハードウェアMPEG-4エンコード機能も備えることで、iPodやPlayStation Portable(PSP)などで視聴可能なMPEG-4ビデオファイル(MPEG-4 Simple Profile LO-L3)で、TV番組の録画を実現している。

GX2は1基のTVチューナーと“XCodeII-e”エンコーダーチップを搭載。1つのTV番組を、MPEG-2とMPEG-4の両形式で同時に録画できる(どちらか片方だけでの録画も可能)。一方のGX2Wは2基のTVチューナーと“XCodeII-L”を搭載。2番組同時の録画が可能である。GX2Wでは、録画時にMPEG-2かMPEG-4のいずれかを選択して録画するのだが、1つの番組を片方のチューナーではMPEG-2、もう一方のチューナーでMPEG-4という形で、2台のチューナーを同時に使うことで、MPEG-2/4同時録画を行なうことも可能だ。録画されたMPEG-4ビデオファイルは、そのままUSB接続されたPSPに転送したり、iTunes経由でビデオ再生に対応した新iPodに転送して、そのまま視聴できる。MPEG-4の解像度は、320×240ドットまたは176×120ドットが選択できる。ビットレートは32~384kbps。なお両製品ともTV番組の予約録画や視聴には、同社オリジナルのアプリケーション『mAgicTV5』を使用する。

GX2で録画したMPEG-4ビデオファイルをビデオ対応iPodで表示した様子。iTunesへの転送も簡単で、作成されたファイルをiTunesにエクスポートするだけ GX2シリーズで録画したMPEG-4は、ニンテンドーDSやゲームボーイアドバンスでビデオを再生する機器『PLAY-YAN micro』でも再生できる!
GX2で録画したMPEG-4ビデオファイルをビデオ対応iPodで表示した様子。iTunesへの転送も簡単で、作成されたファイルをiTunesにエクスポートするだけGX2シリーズで録画したMPEG-4は、ニンテンドーDSやゲームボーイアドバンスでビデオを再生する機器『PLAY-YAN micro』でも再生できる!

通常これらの機器で見られるMPEG-4ビデオファイルを作るには、MPEG-2で録画されたビデオファイルを変換ソフトでMPEG-4に変換する必要があり、頻繁に使うには手間のかかるものだった。それがGX2やGX2Wを使えば、TV録画と同時にMPEG-4ビデオファイルを作れるので、これらのポータブルビデオプレーヤーとの親和性は非常に高いと言える。

また同社のGV-MVPシリーズのTVチューナーカードやUSB TVチューナーユニットは、複数を1台のパソコンに搭載/接続することで、最大6チャンネルの同時録画を可能としている。もちろん新製品のGX2、GX2Wも同様で、1台のパソコンにGX2Wを3枚搭載すれば、6チャンネル同時録画が可能なビデオサーバーを作ることも可能だ。録画ソフトのmAgicTV5は複数台同時使用を考慮して設計されているので、複数台の同時使用を行なっても安定して動作する。

付属ソフトとしては、mAgicTV5に加えて、DVDオーサリングソフト『PowerProducer 3 CPRM for I-O DATA』やビデオ編集ソフト『PowerDirector Express』、遠隔録画予約ソフト『reserMail』などが付属する。対応機種はPCIバス(2.2以降)搭載のWindowsパソコンで、対応CPUは1GHz(GX2)または1.4GHz(GX2W)以上のPentium III/4、Celeron、Athlon/XP/64、Duronなど。対応OSはWindows XP/2000 Professional(SP3)以降。価格はGX2が2万円(税別)、GX2Wが2万6400円(税別)で、出荷予定時期は11月下旬とされている。

GV-MVP/RZ3、GV-MVP/TZ

USB接続タイプのハイエンドTVチューナーユニット『GV-MVP/RZ3』
USB接続タイプのハイエンドTVチューナーユニット『GV-MVP/RZ3』

『GV-MVP/RZ3』と『GV-MVP/TZ』は、USB接続タイプのハードウェアエンコーダー内蔵TVチューナーユニットである。RZ3はデジタル放送録画も視野に入れたハイエンド製品、TZシリーズはリーズナブルの価格帯を狙った製品である。両製品共通の特徴としては、録画したMPEG-2ファイルを、MPEG-4に変換するソフト『GVエンコーダ』が付属している点だ。mAgicTV5と同時にインストールされるこのソフトの機能で、録画されたTV番組を自動でMPEG-4に変換できるため、手動で変換する手間が省ける。変換後のビデオファイルは、iPodやPSPでそのまま視聴できる。

USB接続タイプの最上位機種であるRZ3の特徴は、デジタル放送のコピーワンス(CGMS-A)に対応し、デジタル放送録画が可能な点にある。デジタル放送チューナーは内蔵しないため、Sビデオ/コンポジットビデオ経由で他のデジタル放送チューナー(またはデジタル放送チューナー内蔵TV)を接続する必要がある。またアナログ経由での録画なので、デジタル放送レコーダーのようにハイビジョン品質の録画はできない。

RZ3は、複数台を組み合わせての多チャンネル同時録画に対応した製品で、最大8台までのRZシリーズ(RZ2/RZ3)や後述のTZ、PCIカードタイプのチューナーカードをパソコンに接続して、8チャンネル同時録画を可能としている。RZ3のハードウェア自体も複数台を併用しやすいよう考慮されており、USBハブ機能や増設用サービスコンセントを備えるほか、複数台を積み重ねられるような筐体デザインとなっている。

主な付属ソフトは、GX2と同様である。対応機種はUSB 2.0/1.1ポート搭載のWindowsパソコンで、対応CPUは1GHz以上のPentium III/4、Celeron、Athlon/XP/64、Duronなど。対応OSはWindows XP/2000 Professional(SP3)以降。価格は2万1000円(税別)で、出荷予定時期は11月下旬とされている。

モバイルノートに接続して使用中の『GV-MVP/TZ』。USBバスパワーで動作するため、ケーブルも2本ですむ
モバイルノートに接続して使用中の『GV-MVP/TZ』。USBバスパワーで動作するため、ケーブルも2本ですむ

一方のTZは、USBポートからの電力(USBバスパワー)で動作可能な、コンパクトなUSB TVキャプチャーユニットである。一般的なUSBバスパワータイプのUSB TVキャプチャーユニットでは、TVチューナーのみを内蔵し、エンコードはパソコン側でのソフトウェアエンコードという製品が多い。それに対してTZでは、チューナーやエンコーダーチップの省電力化に成功。USBバスパワーで動作可能な、500mAの消費電流でのエンコードを実現している。

そのためTZは、USBケーブルとTVアンテナを接続するだけで使用できる。本体重量は約175g、サイズも幅26×奥行き114×高さ79mmとコンパクトなので、ノートパソコンと一緒に持ち運んでの使用にも適する。またRZ3と同様に、TZも最大8台までの同時接続に対応している。

付属ソフトや対応機種などの仕様は、RZ3と同様である。価格は1万6800円(税別)で、11月下旬の発売予定。

AVeL Link Tuner AVLT1/GXW

LANにつながったパソコンでTVを見られるようになる“ネットワーク接続形TVチューナーユニット”『AVLT1/GXW』
LANにつながったパソコンでTVを見られるようになる“ネットワーク接続形TVチューナーユニット”『AVLT1/GXW』

『AVLT1/GXW』は“ネットワーク接続形TVチューナーユニット”と呼ばれる製品で、TV録画機能のないパソコンや同社の“AVeLリンクプレーヤー”で、LAN経由でのTV放送視聴を可能とするTVチューナーである。

HDD/DVDレコーダーなどを意識したデザインのボディー内には、2基のTVチューナーとXCodeII-Lを内蔵している。そしてLAN経由でAVLT1/GXWと接続されたパソコンに、TV放送をエンコードして配信する。2基のTVチューナーがあるため、同時に2台のパソコンにTV放送を配信可能だ。TV放送だけでなく、Sビデオ/コンポジットビデオ経由で接続したビデオカメラやビデオデッキなどの映像も、LAN経由で配信可能である。録画用のHDD等は内蔵していない。あくまでTVエンコードと配信機能に特化した製品である。

パソコン側には、AVLT1/GXW付属のソフト『DiXiM』をインストールしておく必要がある。このソフトはTV視聴の機能だけを持ち、視聴中の番組を録画する機能はない。しかし2006年第1四半期には、AVLT1/GXWから配信される番組を録画するmAgicTVの提供が予定されているので、将来的には番組録画も可能になる。またネットワーク対応AV機器の相互接続規格“DLNA”への対応も予定されている。さらに将来の計画では、同社のネットワーク対応HDD“LANDISK”にLAN経由で直接録画するという構想もあるとのことだ。

価格は4万7700円(税別)で、12月上旬の出荷を予定している。

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