GV-3D1 |
GIGABYTEの「GV-3D1」は、NVIDIAのミドルレンジGPU「GeForce 6600GT」を2つ搭載するビデオカードだ。GPUが2つというと、ビデオカードを2枚差すことで性能を最大2倍にするNVIDIAのSLI(Scarable Link Interface)が連想されるが、本製品も同社のSLI対応マザーボード「GA-K8NXP-SLI」(nForce4 SLIチップセット搭載)とのセット販売のみでの提供となっており、SLIの独自応用と推測される。
本製品が搭載する6600GTそれぞれのコアクロックは500MHz、ビデオメモリとしてはGDDR3を256MB搭載し、メモリスピードは6600GTの定格である1GHzを越える1.12GHzとなっている。両GPUを最小限のノイズで効果的に冷却できる同社独自のデュアルファンクーリングシステムを搭載しているのも特徴だ。
写真1 1枚のカードにGeForce 6600GTを2つ搭載。コア500MHz、メモリスピードは1120MHzにオーバークロックされている。 |
本製品はあくまでも1枚のビデオカードとして完成された存在なので、マザーボード上のセレクタをデュアル方向に操作したり、SLIコネクタで接続したりする必要はない。ただ、ドライバの設定はSLIと同様の作業が必要で、画面に表示される「マルチGPUを有効にする」のボックスにチェックを入れ、再起動することで2つのGPUが有効に機能するようになる。SLIと同じで、ソフト側から見たビデオメモリは128MBとなる。
テスト環境
- CPU
- Athlon 64 4000+
- メモリ
- PC3200 DIMM 512MB×2
- マザーボード
- GA-K8NXP-SLI(nForce4 SLI)
- HDD
- Barracuda 7200.7
- ドライバ
- ForceWare 71.50/Catalyst5.1
同社のGeForce 6600GT搭載ビデオカード「GV-NX66T128VP」単体、そしてこれを2枚利用したSLI構成と比較してみた。GV-NX66T128VPもコアクロック530MHz、メモリ1.12GHzへとオーバークロックされた製品なので若干コアクロックでは不利ではある。ATIのハイエンドGPUであるRADEON X800XTを搭載したカード(メモリ256MB)の結果も参考までに掲載している。結果は、下記のグラフのとおりで、SLIとほぼ同じ。最大でGV-NX66T128VPの83%アップ(3DMark03)、文字どおり2倍近い性能を達成している。
ビデオチップ | GeForce 6600GT×2 |
---|---|
ビデオメモリ | GDDR3 256MB |
インターフェイス | PCI Express x16 |
エンジンクロック | 500MHz |
メモリスピード | 1.12GHz(550MHz DDR) |
メモリバス幅 | 256bit |
コネクタ | デジタル(DVI-I)、アナログ(RGB)、TV出力 |
ボードサイズ | W214×H98mm |
ヒートシンク高(上/下) | 約16mm/0mm |
付属品 | ビデオ分岐ケーブル(S端子/コンポジット/コンポーネント)など |
GA-K8NXP-SLIとのセット販売のみとなるが、SLIをするにしてもマザーボードは新規購入せねばならないのであまり抵抗はないだろう。実売価格で2万5000円前後する6600GTカードを2枚買い、やはり2万5000円前後するマザーを買うことを考えれば、買い得感はある。ビデオカードを2枚差すことで拡張スロットを占有しない点もメリットだろう。