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メビウス PC-MR60HS(SHARP PC ONLiNEモデル)

メビウス PC-MR60HS(SHARP PC ONLiNEモデル)

2005年04月19日 00時00分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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変換予測ユーティリティで
チャットに負けない!?

“変換予測ユーティリティ”の画面
画面2 “変換予測ユーティリティ”が起動しているところ。最初に上の行を入力・確定しておくと、次は“こ”の1文字を入力しただけで“こんな”という単語が最優先候補として一覧の中に表示され、さらに続けて前回入力した文節(“シーンで”)が表示されるという周到ぶり。

 さらにもうひとつ、実機を使っていて特に便利に感じた機能を紹介したい。MR60HSにプレインストールされている“予測変換ユーティリティ”というソフトは、携帯電話の入力支援機能として市民権を得ている“予測変換”をパソコン上に再現したもの。予測変換とは、例えば“あすきー”⇒“アスキー”と入力/変換/確定するとその結びつきを自動的に記録し、次に“あ”や“あす”と一致する文字を入力し始めると変換候補として、直前に入力(選択)した文字列を表示するというもの。下カーソルキーで選択する。さらに、“Enterキーを入力するまで”は変換後に続けて入力した一連の文節を続けて記憶するので、“アスキー”“編集部の”“○△□です”と文節単位で変換入力している場合でも、あ⇒アスキーと変換候補を出し、アスキーを選択すると続けて“編集部の”“○△□です”を次の入力候補として“何も入力しない状態で”出してくれる。つまり、“あ”と1文字入力するだけで“アスキー編集部の○△□です”が下カーソルで選択できてしまうわけだ。

 「携帯電話のように10キーでの文字入力ならともかく、フルキーボードを使っているんだから、自力で入力したほうが早くない? あ、もしかして、タッチタイピングできない人向け?」と思う読者もいるかもしれない。確かに私もこの予測変換ユーティリティに気づいた当初はそう思った。しかし、使っていると想像以上に便利なシーンが多い。例えばチャット(インスタントメッセージング)やメールの書き出しなど、「こんにちは」「よろしくお願いします」「○△□です」といった、決まり文句を書くときに便利なのだ。特にチャットでは手数が少なく、すばやく入力できるのが何よりうれしい。チャットでは、それこそ入力にもたついていると、「さてはパソコン初心者か?」と甘く見られる(!?)場合もあるため、入力スピード=正義のようなチャットでは侮れない機能だ。




天面 底面
天面。底面。
写真9、10 本体の天面と底面

 そのほか、パソコンとしてのスペックを確認していくと、CPUは拡張版SpeedStep対応Pentium M 730-1.60GHz、チップセットはグラフィックスアクセラレーター内蔵のIntel 915GMを採用。これらは1月19日にインテルが発表した新しいノートパソコン向けプラットフォーム“Centrino(セントリーノ)モバイル・テクノロジ(コードネーム:Sonoma(ソノマ))”と呼ばれるもの。CPUのFSB(フロントサイドバス)を400MHzから533MHzに、メモリはDDR SDRAMからDDR2 400/533に対応するなど、全体的なパフォーマンスの向上が期待できる。

 Intel 915GMの内蔵グラフィックス機能は2D/3D描画ともに高速化されており、特にプレゼンテーションなどで相手に画面を見せる用途ではローテーション(画面表示の回転)機能をホットキー(ショートカットキー)で呼び出せるなど、便利な機能を持つ。

“Intel 915GM/GMS,910GML プロパティー”の画面
画面3 グラフィックスユーティリティーソフト“Intel 915GM/GMS,910GML プロパティー”の画面。

 メモリはDDR2 SDRAM(DDR2 400、PC3200)対応で標準256MB/最大768MBまで増設可能。ただし、増設用のメモリモジュールは専用のメモリモジュールとなっているが、同社ではメモリアップグレードサービスを用意しており、自分自身で取り付ける自信がなくても安心だ。さらにSHARP PC ONLiNEでは購入時にあらかじめメモリを増設した状態で購入することもできる。

 HDDはUltraATA/100接続の約60GBで、初期状態でCドライブ(約39GB)、Dドライブ(約11.9GB)、リカバリー領域(約4.9GB、Windows上からは不可視)に切り分けられている。光ドライブは左側面にDVD-RAMとDVD±R/RW対応の“DVDスーパーマルチドライブ”を装備しており、書き込み速度はDVD-RAM2倍速/DVD-R2倍速/DVD-RW2倍速/DVD+RW2.4倍速/DVD+R2.4倍速など。



底面のカバーを外したところ
写真11 底面のメモリ/CPUカバーとHDDカバーを外したところ。メモリはCPUファン右となりのような専用モジュールで増設することになる。なお、これは撮影用にはずしたものであり、ユーザーがカバーをはずした場合は動作保障対象外になるためご注意いただきたい。

 通信機能は、IEEE 802.11a/b/g準拠の無線LAN機能と10/100BASE-TX準拠のEthernet、V.92対応56kbpsファクスモデムを内蔵。拡張スロットは左側面の手前に、上にPCカード Type II×1、下にSDメモリーカードスロット(MMC対応)/メモリースティック(同PRO対応)のマルチカードスロットを備える。

 インターフェイスは、USB 2.0端子を左側面の手前に1ポート、右側面の奥に2ポート、背面の左側にIEEE 1394端子と分散配置しており、そのほか右側面の奥にアナログRGB(D-Sub15ピン)、同じく手前にオーディオ入出力端子を供える。ちなみに右側面の中央には排熱用のスリットがあり、動作中は暖かい空気が吹き出すのでケーブルをつないでいない場合も右側面をふさがないほうがよさそうだ。この冷却機構が優秀なためか、ACアダプターをつないで丸1日以上連続フルパワーで駆動していても底面やキーボード側は熱くならない(ややぬくもりを感じる程度)。熱いノートはお嫌い、という方にもお勧めできる。

 キーボードは19mmピッチ/2mmストロークというスペックだが、右下のAlt/Ctrl/Shift/アプリケーションキーおよびカーソルキーは13mmと小さくなっている。これらのキーを、ホームポジションから小指で操作する方は、最初とまどうかもしれないが慣れれば問題ないだろう。

 バッテリーは専用リチウムイオンパック(CE-BL44)で、出力DC11.1V/4800mAhとモバイルノートの中では比較的大容量タイプを標準搭載している。駆動時間はJEITA測定法1.0準拠の同社値で約5時間(充電時間は約2.5時間、電源オン/オフとも)。大容量バッテリー搭載のため、バッテリー部のみが背面より13mmほど飛び出す形だが、それでも奥行きは245mmと標準的なモバイルノートサイズに収まっているので携帯性には問題ない。ちなみに本体サイズと重量は、約275(W)×245(D)×31(最薄部25)(H)mm/約1.75kgとなっている。

 OSは店頭モデルがWindows XP Home Edition SP2であるのに対し、直販専用モデルのMP60HはWindows XP Professional SP2をプレインストールしている。セキュリティー関連機能がHome Editionより強化されているほか、“リモートデスクトップ”(ネットワーク経由でのリモートアクセス機能)など高度な管理機能が利用できる。


 液晶パネルの開発/生産を主軸に、ノートパソコンを主力製品として手がけてきたシャープだけに、モバイルノートとしての完成度は高く、細部に独自の工夫を施している点も評価できる。ビジネス主体のモバイルノートをお探しの方には特に実機で独自の工夫を確認してみてほしい。

メビウス PC-MR60HSの主なスペック
製品名 PC-MR60HS
CPU Pentium M 730-1.60GHz
OS Windows XP Professional SP2
メモリ(最大) DDR2 SDRAM 256MB(768MB)
チップセット Intel 915GM
液晶/解像度 12.1インチ/1024×768ドット
ビデオ チップセット内蔵
HDD 約60GB
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ(DVD+RW/+R 2.4倍速、DVD-R/RW/RAM 2倍速、CD-R 24倍速、CD-RW 10倍速)
カードスロット PCカード TypeII×1、SDメモリーカード/MMC/メモリースティック(PRO)×1
通信 IEEE 802.11a/b/g、10/100BASE-TX、V.92 56kbpsモデム
I/O USB 2.0×3、IEEE 1394、外部ディスプレイ出力端子、ヘッドホン出力など
バッテリ駆動 約5時間
サイズ 約275(W)×245(D)×31(最薄部25)(H)mm
重量 約1.75kg

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