会場に展示されたA4ノートパソコン“Mebius(メビウス) PC-XGシリーズ” |
シャープ(株)は17日、東京・市谷(いちがや)の同社オフィスにプレス関係者を集め、“デュアルファインテクノロジー”採用によってTV視聴・録画の高画質化を図ったA4ノートパソコン“Mebius(メビウス) PC-XGシリーズ”(2製品)、15インチのASV方式ブラックTFT液晶パネルとIEEE 802.11a/b/g準拠の無線LAN機能を搭載したA4ノートパソコン“Meius”『PC-AL70H』(1製品)、薄型軽量のモバイルノートパソコン“Mebius MURAMASA(ムラマサ) PC-MRシリーズ”(3製品)の新製品発表会を開催した。各製品の詳細は別記事で報告しているが、ここでは会場での発言や新製品の特徴などを紹介する。
同じく薄型軽量のモバイルノートパソコン“Mebius MURAMASA PC-MRシリーズ” | A4ノートパソコン“Meius”『PC-AL70H』 |
発表会には情報通信事業本部副本部長兼液晶IT事業部長の谷口 実氏、同液晶IT事業部 パソコン事業推進センター所長の笛田進吾氏らが出席し、“デュアルファインテクノロジー”の詳細やTV視聴・録画機能の高画質を図った狙いなどを説明した。
情報通信事業本部副本部長兼液晶IT事業部長の谷口 実氏 |
最初に挨拶した谷口氏は、「“PC-XGシリーズ”は、“液晶IT-TV”や“AVセンターパソコン”で培ってきた高画質化のための技術を生かし、パソコン画面もTVもきれいに見せる“デュアルファインテクノロジー”をノートパソコンに搭載した初めての製品。これらの製品群を拡充することで、リビングルームに置いても違和感のない“液晶IT製品”が、TVもインターネットのコンテンツも、両方高画質で楽しめる世界を体感してもらいたい」「コンシューマーマーケットでは“ホームネットワーク”が今後も大きな流れとして出てくるだろう。シャープの今後の取り組みとしては、パソコンなどの情報機器とTVなどのAV機器がシームレスにつながり、ネットワークを意識することなしにネットショッピングなどのさまざまなサービスを家庭で楽しめる世界、家庭での“第2の玄関(セカンド・ポータル)”になるようなコミュニケーションの窓口を作り出していきたい。これらをシャープらしいこだわり、“ハイクオリティー”“イージー to ユーズ”“新しいライフスタイルデザイン”という3点に向けて追求していきたい」と、同社の取り組みや新製品投入の背景を語った。
シャープの考える液晶IT製品とホームネットワークの関係 | 液晶IT製品の展開と、シャープとしてのこだわり3か条 | こちらも会場に展示された、昨年末発表の“ネットワークメディアプレーヤー”『CE-MR01』。無線LANでパソコンに蓄積した動画や静止画を、AQUOSやMebiusで再生できる |
液晶IT事業部 パソコン事業推進センター所長の笛田進吾氏 |
続いて笛田氏が各製品の詳細を説明した。中でもXGシリーズのデュアルファインテクノロジーについては、「映像を入力段階から出力に至るまで美しくするという技術。例えば、視聴時点では必ずしも録画するわけではないので、MPEG-2変換処理を省いた“ダイレクトオーバーレイ”によって画質劣化を最小限に抑え、録画するときだけMPEG-2変換する。このほかにも高感度チューナー回路の搭載や、電波の弱い場所でも高画質に受信できる“CANチューナー”、輝度信号と色信号にわけたデジタルノイズリダクション、9bit A/Dコンバーターなどの高画質化機能、ならびに業界最高となる約630cd/m2の高輝度ASV方式ブラックTFT液晶パネル採用といった表示部の強化など、合計20にわたる機能で総合的な高画質化を図っている」と解説した。
PC-XGシリーズで高画質化したTV表示機能を、同社の従来モデル『PC-XV70G』と画質比較 | PC-XGシリーズに付属するリモコン |
このほか、約80GB×2の大容量HDDによる長時間録画(最良モードで約38時間、長時間モードで約134時間)や、Windowsを起動せずにTV機能を利用する“INSTANT PLAY”に録画やタイムシフト再生機能、録画済み番組のサムネール表示機能を追加、リモコンでの操作に最適化したというユーザーインターフェース“StationAV”の搭載など、使い勝手の向上を図ったことを紹介。さらに、ヤマハ(株)製のデジタルアンプや、ノートパソコンとしては珍しいウッドスピーカーとウッドウーハーを搭載して、音質にもこだわった点を強調した。
“PC-XGシリーズ”の特徴 | デュアルファインテクノロジーの概要 | TV画面の高画質化技術の詳細 | ||
20項目およびデュアルファインテクノロジーの解説、その1 | 20項目およびデュアルファインテクノロジーの解説、その2 | 20項目およびデュアルファインテクノロジーの解説、その3 |
同時に発表されたモバイルノートパソコン“MRシリーズ”については、バッテリー駆動とACアダプター駆動で合計5種類の動作設定を切り替えられる“モバイルスイッチ”を搭載。モバイルスイッチには、新たにACアダプター駆動時でもCPUの動作速度を75%に抑える“エコロジーモード”を追加し、地球環境への配慮を行なう同社の姿勢をアピール。
PC-MRシリーズの特徴 | PC-MRシリーズに搭載された新・モバイルスイッチの説明 |
“ALシリーズ”については、「TVチューナーを持たないもののAV入力端子を装備し、家庭のビデオデッキなどと接続して、昔録りだめたVHSテープからオリジナルDVDを作成できることを積極的にアピールしていきたい」と販売戦略の一端を明らかにした。
PC-ALの機能強化点 | 現在のシャープ“Meiusシリーズ”の主なラインナップ |
なお、会場には同社の通販サイト“SHARP PC ONLiNE”でのみ販売される、Windows XP Professional SP2をプレインストールし、Microsoft Officeを省略したオリジナルモデル『PC-MR60HS』も展示された。価格やスペックの詳細は同社ウェブサイトでご確認いただきたい。