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協和エクシオ、FOMA回線網を利用したリアルタイム映像伝送システム“モバイル映像伝送システム”を発売

2005年03月01日 19時42分更新

文● 編集部 内田泰仁

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(株)協和エクシオは1日、ビデオカメラなどで撮影した映像を、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの“FOMA”回線網を利用してリアルタイムに伝送する“モバイル映像伝送システム”を発売すると発表した。システムの最小構成価格は99万6000円。発売は3月中旬の予定。

“モバイル映像伝送システム”で映像の伝送を行なう『モバイルEX』(写真奥)。ケースの上についている2本のアンテナは取り外しが可能で、ケーブルを5mまで延ばして設置することも可能『モバイルEX』とビデオカメラを携帯したところ

“モバイル映像伝送システム”は、同社が開発した携帯型映像伝送装置『モバイルEX』とPCカード型FOMA通信カード(対応機種は『FOMA F2402』『FOMA P2401』『FOMA P2402』の3機種)を利用し、『モバイルEX』に接続(NTSC対応のRCAジャックの映像入力端子と、音声入出力端子を搭載)したビデオカメラで撮影した映像を伝送するシステム。映像伝送装置の小型・軽量化(幅120×奥行き330×高さ180mm、重さ3.9kg)とバッテリー駆動(約3時間の運用が可能)、低価格化(『モバイルEX』単体の価格は49万8000円)を実現し、テレビ中継車のような大型の装置を使用せずにリアルタイムに映像を伝送できるのが特徴。システムの適応分野としては、災害現場、警察/消防、救急医療、報道、工事現場/道路/建物/各種設備監視、イベントなど、システムの携帯性と即時性が求められるジャンルが挙げられている。

お詫びと訂正:本記事掲載当初、『モバイルEX』単体の価格を「44万8000円」としておりましたが、正しくは「49万8000円」となります。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2005年3月2日)

また、『モバイルEX』は映像および音声のエンコーダー/デコーダーを内蔵し、カメラの映像および音声をMPEG-4でエンコードし伝送、受信側の『モバイルEX』などでデコードして画面やファイルに出力する。伝送する映像の最大解像度は352×244ドット(CIF)、フレームレートは毎秒1~10フレームで、30段階の画質調整が可能。通信にはFOMAの64kbps回線交換方式を利用し、『モバイルEX』内に1または2枚のFOMA通信カードを取り付けることで、通信速度64kbpsまたは128kbpsでの映像伝送を行なう。なお、実験レベルではパケット通信での伝送も行なっているというが、安定性や品質などの技術上の問題から、回線交換方式で製品化したという。

システム構成の基本パターン2種類“モバイル映像伝送システム”と既存製品の“FOMA対応映像モニタリングシステム”(FILMS)を組み合わせた応用構成例

実際のシステム構成例としては、最小構成の“モバイルEX対向モデル”と呼ばれる、送信側と受信側にそれぞれ1台ずつ『モバイルEX』を使用する例が挙げられている。この場合は、送信側のカメラで撮影された映像を、受信側に接続したテレビやモニターでリアルタイムに出力、視聴することができる。また、応用モデルとして、送信側の『モバイルEX』から伝送された映像を、FOMA通信網とISDN通信網を経由して、映像蓄積用のサーバーに保存する“映像蓄積モデル”も用意されている。なお、両モデルの価格は、“モバイルEX対向モデル”が99万6000円から、“映像蓄積モデル”(『モバイルEX』×1、蓄積用サーバー×1、サーバー用のISDNルーター、サーバー用のソフトウェアを含む)が約170万円から。

このほか、同社が2004年7月に発表した“FOMA対応映像モニタリングシステム”(FILMS)を組み合わせることで、『モバイルEX』の映像の蓄積用サーバーへの保存や、遠隔地のカメラコントロール、FOMA携帯電話での映像モニタリングなどを行なうことも可能だという。

説明会の冒頭に挨拶を行なった専務取締役ITソリューション事業本部長の浅川進氏製品の説明とデモンストレーションを行なったITソリューション事業本部ユビキタス本部Uソリューション部の福井信一郎氏

この日開催された記者説明会でシステムの説明とデモンストレーションを行なったITソリューション事業本部ユビキタス本部Uソリューション部の福井信一郎氏によると、販売目標は3年間で『モバイルEX』を500台としており、システムとしては“モバイルEX対向モデル”を200セット(『モバイルEX』400台分、約2億円)、“映像蓄積モデル”を100セット(『モバイルEX』100台分、約1億7000円)を目指すとしている。目標期間を3年間に設定している点については、ターゲット市場として警察や消防などの省庁・公共機関を視野に入れており、提案から省庁での予算化、実際の販売に時間がかかるため、期間を長めに設定しているという。

記者説明会で行なわれたデモンストレーションは、お台場および会場の映像をリアルタイムで説明会場に伝送し、映像を表示するというもの(システム構成は画面左)。画面中央はリアルタイム映像を管理ソフト上から見ているもので、2つの中継地点からの映像が表示されている。画面右は、伝送されてきた映像を蓄積用サーバーに保存したものを、管理ソフト上で再生している様子

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