このページの本文へ

ソニー、スズ系アモルファス負極を採用したリチウムイオン充電池“Nexelion”を製品化――約3割の高容量化

2005年02月15日 15時56分更新

文● 編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ソニー(株)は15日、スズ系アモルファス材の負極を採用したハイブリッドリチウムイオン2次電池“Nexelion(ネクセリオン)”を製品化すると発表した。“ハンディカム”向けバッテリパックとして春に発売する。

製品イメージ“Nexelion”

“Nexelion”は、従来の黒鉛系負極材の代わりに“スズ系アモルファス材料”を採用することで、従来製品と比べ、単位体積あたりの電池容量を約3割増やしたのが特徴。スズやケイ素、およびその化合物は、高容量化できる負極材料として注目されていたが、充放電時の粒子形状の変化が大きく、サイクル特性の改善が課題となっていた。今回、同社では、スズ/コバルト/炭素などの元素を原子レベルで均質混合してサイクル特性を向上した“スズ系アモルファス負極”を開発するとともに、コバルト/ニッケル/マンガンなどを結晶構造中で最適比で混合した複合酸化物材料と高耐熱性コバルト酸リチウムを組み合わせた正極材(マルチコンポジット正極)や電解液を開発し、電池構造も新しくすることにより、高容量のリチウムイオン2次電池を製品化したもの。充電特性は従来より約20%向上し、30分間で約90%の充電が可能。低温放電特性も良くなっており、-20度の環境下での放電容量は従来より4割向上しているという。

グラフ
放電温度特性

同社では“Nexelion”を採用した製品の第一弾として、“ハンディカム”向けバッテリーパックを製品化する。採用するセルは、直径14mm×高さ43mmの円筒形(14430サイズ)。重量は20g。電流容量は910mAh。電力容量は3.15Whと従来より2割上がっているという。充電電圧は4.2Vで、従来と同じ充電システムを利用できるとしている。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン