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シマンテック、個人向けのインターネットセキュリティー対策/トラブル解決ソフト群“Norton 2005”シリーズを発表

2004年09月16日 23時00分更新

文● 編集部 内田泰仁

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『Norton SystemWorks 2005』の製品パッケージNorton SystemWorks 2005のメニュー画面

データの保護やトラブルの解決のためのユーティリティーを統合した製品『Norton SystemWorks 2005』は、システムのクラッシュやウイルス感染、ソフトのインストール失敗、ユーザーの操作ミスなどといった深刻なパソコンのトラブルを元に戻し、データを復元するバックアップツールの最新版『Norton GoBack 4.0』、トラブル解決ユーティリティー『Norton Utilities』、不要ファイルの安全な消去を行なう『Norton CleanSweep』と、前述したNorton AntiVirus 2005の4製品で構成される。このうち、Norton GoBack 4.0は単体のパッケージとしても発売される。

『Norton GoBack 4.0』の製品パッケージ
Norton GoBack 4.0の新機能/強化点としては、アプリケーションのインストールやOSのアップグレードなどを行なう際に、本製品が用意する“テスト用の環境”にインストール作業を行なうことで、事前にこれらの作業が正しく行なえるかどうかや、導入後にトラブルが生じないかを試すことがきる“SafeTryモード”、ドラッグ&ドロップによる操作やファイルの複数選択、ファイルの検索機能が新たに追加された“ファイル回復”、使用OSがWindows XPの場合は回復履歴ファイルを最大8GBまで残せるように拡張、といった点が挙げられている。



『Norton SystemWorks 2005 Premier』の製品パッケージ『Norton Ghost 9.0』の製品パッケージ

Norton Ghost 9.0のバックアップウィザードの画面
また、製品ラインナップにはこのほか、前述の4製品に加えて、システム全体のクローニングとリカバリーを行なう『Norton Ghost 9.0』を追加した上位バージョン『Norton SystemWorks 2005 Premier』も用意されている。Norton Ghost 9.0には新たに、Windowsを使用したままシステムボリュームを含むすべてのデータのバックアップを作成する“ホットイメージング”機能や、一旦作成したバックアップイメージの差分だけを保存してバックアップイメージの内容を更新していく“増分バックアップ”、バックアップを行なう日時を設定できる“スケジュール設定”といった機能が追加されたほか、バックアップイメージにドライブ名称を付けてドライブとしてマウントすることが可能になり、バックアップイメージの中から特定のファイルやフォルダーを復元できるようになった。また、“Symantec Recovery Disk”というブータブルな緊急起動用CD-ROMが付属し、このCD-ROM上からリストアーやシステムの修復、ウイルススキャンが実行できる。なお、このNorton Ghost 9.0も単体のパッケージとして発売される。

各製品のパッケージ構成と価格は以下のとおり。

Norton SystemWorks 2005
標準パッケージ……1万4490円
特別優待パッケージ……1万290円
Norton SystemWorks 2005 Premier
標準パッケージ……1万8690円
5ユーザー・スモールオフィスパック……7万2975円
10ユーザー・スモールオフィスパック……14万175 円
Norton GoBack 4.0
標準パッケージ……1万290円
特別優待パッケージ……8190 円
Norton Ghost 9.0
1万290円

インターネットを取り巻く“脅威”と同社の取り組み

同社代表取締役社長の杉山隆弘氏

この日開催された製品発表会では、冒頭に同社代表取締役社長の杉山隆弘氏が挨拶を行なった。この中で杉山氏は、現在のインターネットにおけるさまざまな脅威は、ウイルス/ワームのほかに、迷惑メールやスパイウェア、フィッシング詐欺などの被害も広がっており、「脅威は複合化してきており、単純なウイルス対策だけでは不十分」だとした。このような現状を鑑みて同社は、「(今後も)“総合的な”インターネットセキュリティーの安全性を高める取り組みを続ける」と述べた。

米シマンテック社・コンシューマプロダクト アンド ソリューション担当副社長のマシュー・モイナハン氏

杉山氏に続いては、米シマンテック社のコンシューマプロダクト アンド ソリューション担当副社長のマシュー・モイナハン(Matthew Moynahan)氏が、インターネットを取り巻く脅威の現状や、同社のコンシューマー向け製品の基本戦略について解説した。この中で同氏は、同社が公表している“インターネットセキュリティ脅威レポート”の概要を紹介。ウイルス感染被害の報告件数は、2003年同期と現在を比較すると比較すると100%もの増加を見せており、従来のようなメールによるものだけではなく、さまざまなコンテンツを駆使した攻撃が増加しているという。被害の拡大速度も過去に比べると圧倒的に悪化しており、現在では秒単位で感染が広がる傾向にあり、将来的にはもっと短くなる可能性があると警告している。

“セキュリティ脅威レポート”に見られる最近の脅威の傾向コンシューマー市場における、ユーザー意識や被害内容、攻撃の傾向、セキュリティー対策製品への要望

また、ウイルス感染報告のうち、上位78%は個人情報を狙ったものとなっており、さらには、被害にあった場合のハードウェアとソフトウェアの復旧コストが、個人ユーザーにとっては“二重の負担”になっているという。このような状況から、従来の“ウイルス対策+ファイアーウォール”というセキュリティー対策製品を上回る新しいセキュリティー基準となる製品が必要だとし、利便性が高くシームレスな活用の実現をキーとして、“自分のパソコンに何をしたのかは知らせてほしいが、手間はかけたくない”“テクニカルな問題を心配することなく、自分の楽しみに時間を使いたい”という個人ユーザーが理想とするコンピューティング環境を目指していくと述べた。

コンシューママーケティング部プロダクトマーケティングマネージャの田上利博氏国内におけるインターネット犯罪被害の状況個人情報漏洩の被害経験を問うアンケートの結果

今回発表された各製品の概要説明を行なった、コンシューママーケティング部プロダクトマーケティングマネージャの田上利博氏は、製品説明に先駆けて日本のセキュリティー関連の現状を紹介。インターネットによる犯罪被害、有害情報への接触、迷惑行為への被害経験はいずれも前年よりも悪化傾向にあるとした。また、個人情報漏洩の被害経験については、24.9%のユーザーが“ある”と答えているとしたが、“わからない”と答えたユーザーが31.5%に達し、一方で明確に“ない”と答えたユーザーが50%を切っており、一般ユーザーが潜在的に持っている不安の表われと見てとれる結果といえる。

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