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マイクロソフト、2004年秋のキーボードおよびマウス製品群の説明会を開催――指紋認証やBluetoothなどを搭載する製品も

2004年09月14日 21時26分更新

文● 編集部 内田泰仁

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ハードウェアおよびウィンドウズハードウェアイノベーショングループ、リードインダストリアルデザイナーの太田誠也氏

製品の紹介に続いては、米マイクロソフトのハードウェア製品群のデザインを担当するスタッフが、同社のデザインに関する考え方や取り組みに関するプレゼンテーションが行なわれた。まず登壇したハードウェアおよびウィンドウズハードウェアイノベーショングループ、リードインダストリアルデザイナーの太田誠也氏は、「デザインがよくならなければいけないのは当たり前」と、現在のハードウェア製品におけるデザインの重要性を強調。それを踏まえたうえで、「キーボードを使いやすくするためにキーボードを作るのではなく、コンピューターを使いやすくするためにキーボードを作る」ことを基本とし、「日本の家電、携帯電話などとくらべて見劣りしないデザイン性や使いやすさ」をマウスやキーボードで実現するようなデザインを心がけていると述べた。

説明会場に展示された『Microsoft Wireless Optical Desktop Comfort Edition』のデザイン試作の数々

太田氏は、自身が手がけた製品として『Microsoft Wireless Optical Desktop Comfort Edition』を紹介。同社既存製品の『Microsoft Natural Keyboard Pro』をはじめとする、従来のエルゴノミクスキーボードのユーザーは、現在は10人に1人以下、日本ではさらに少ないといい、人間工学に基づいた疲れにくいキーボードではあるものの、一般的には広く受け入れられていないとの見解を示した。そこで今回の『Microsoft Wireless Optical Desktop Comfort Edition』のキーボードでは、左右に分離していたキー配列を見直し、一般的なキーボードの配列に近づけつつ、エルゴノミクスデザインを取り込んだのだという。また、この製品のデザインにおいては、「世界市場向け製品ではあるが、日本人デザイナーとして、日本でも売れるようなものを作りたかった」としており、エルゴノミクスキーボードの普及度が海外よりも低い日本市場にも受け入れやすいコンパクトさやデザインに仕上げているとしている。

ハードウェア・デザインディレクターのケン・フライ氏同社ハードウェアデザインスタジオの仕事の流れ

続いて登壇した、ハードウェア・デザインディレクターのケン・フライ(Ken Fry)氏は、ハードウェア開発チーム全体の取り組みについて解説。同氏によると、同チームは業界でもいち早くマウスやキーボードの開発に工業デザイナーを起用しているほか、各種技術スタッフ(制御チップの開発まで自社内で行っている製品もあるという)、人間工学者、マーケティング/リサーチの専門家など、各ジャンルのエキスパートから構成されている、同社内のチームとしても「極めてユニークなチーム」だという。また、太田氏も述べたように、同チームによる製品開発では、「単にハードウェアを作るということはなく、“ユーザーがコンピューターで何をしたいのか”を考え、ハードとソフトの全体像を捉え、エコシステムとして考える」ことをベースとしているという。

ビル・ゲイツ会長とフィリップ・スタルク氏。スタルク氏は、フライ氏のデザイナーとしてのキャリアにも大きな影響を与えているという

また、スタルク氏とのコラボレーションの話題にも触れ、マイクロソフトのマウスが初めて登場した20年前、当時脚光を浴び始めたスタルク氏が手がけたさまざまな製品との接点があるとは考えもしなかったとしたが、「スタルクは、(ごく限られた一部の)リッチな人たちにだけにではなく、(ある製品を使いたいと思う)万人に彼のデザインを提供する」というスタンスのデザイナーだと評し、「スタルクの作品とマイクロソフトのハードウェアは今では親戚みたいなもの」だと述べた。

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