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Microsoft Money 2004

Microsoft Money 2004

2004年04月26日 09時35分更新

文● 松岡 美樹

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ローン返済計画や老後の備えにも

大型支出プランナー機能
画面3 「大型支出プランナー」機能を使えば、家財や住宅購入など金額の大きい資金を用意する備えになる。効率的な資金調達法をシミュレートし、貯蓄プランなどを作れる。

 もうひとつ、家計簿ソフトにはない最大の特徴としては、中長期の将来設計を立てるためのライフプランニング機能があげられる。住宅の購入やローン返済、老後の貯蓄などのプランを作成することができるのだ。まず「借入返済プランナー」機能を使えば、クレジットカードや消費者金融、住宅ローンなどの返済プランを作れる。例えば抱えているローンを任意の時期までに完済するには、月々およびボーナスのときにいくら支払えばいいのか? また繰り上げ返済時の利子の戻りの計算などをシミュレーションできる。

 次に「大型支出プランナー」(画面3)機能は、家財や住宅の購入など、金額の大きい資金を用意するための手助けになる。今の資金運用の中からどうすれば無理なく効率的な資金調達ができるのか? をシミュレーションし、目的別の支払方法や貯蓄の仕方などのプランを作れるのである。

 一方、「ライフプランナー」(画面4)を活用すれば、家族構成や予想勤続年数、収入や投資、負債の返済計画など、日常的に入力しているデータをもとにライフプランを作れる。条件を詳しく入力すれば、子供の進学や退職後の生活といった長期的な資産計画も立てられる。またプランの比較検討や改善、予測、現状の確認が行えるため、それをもとにライフプランを調整することも可能である。



ライフプランナー機能
画面4 収入や投資、負債の返済計画などの日常的に入力しているデータをもとにライフプランを作れる「ライフプランナー」機能。子供の進学や退職後の生活など、長期的な資産計画も立案可能だ。

 そして面白いのは「人生シミュレーター」機能だ。例えば「○才で退職する」、「税金が○%上がった場合」というような事前に用意されたシナリオにもとづき、今のライフプランがそれによってどんな影響を受けるのかをシミュレーションできる。まるで「人生ゲーム」のようだ。

ウィザードでラクラク初期設定

 さて、では実際にソフトを使ってみよう。インストール後に起動すると、まず「らくらく設定」画面が出る。これは自分の口座のデータや資産情報、給与の情報など、ソフトを使う前に必要な初期情報をウィザードに従い6つのステップで入力するものだ。最後のステップでは給与はいくらか? そして定期的な支出として電話代が月に○円、家賃が○円、電気代が○円などと入れていく。

 さっそく「入出金予定」の一覧表を表示してみた。するとさっき入力した支出の金額が赤字で表示され、収入と支出のバランスが一目瞭然だ。項目別に見るとISPに支払う接続料や電話代など、通信費の比率が圧倒的に高いことがよく分かる。家計簿のたぐいをつけたことがない人間にとっては一種のカルチャーショックである。

入出金予定をもとに口座の残高を予測
画面5 給与の額や公共料金の支払額、家賃などといった入出金予定をもとに、口座の残高を予測できる。このデータから特定の支出項目を節約するなどライフプランを見直せる。

 またこれらの入出金予定をもとに、口座の残高も予測できる(画面5)。例えば支出が多すぎると思えば、「通信費をもっと節約しよう」、「ムダな電気は使わないようにしよう」というふうに自分のライフプランを見直せるわけだ。予測される残高は1日単位で表示されるので、「あ、この日までに○万円用意しておかなきゃ」などと細かな資金計画が立てられる。おまけに毎月決まって発生する入出金を登録しておけば、期日が近づくと知らせてくるという親切設計である。残高は数字とグラフの両方で見られるため、体感的に分かりやすいのもポイントだ。

 インターネットを使った活用法として、銀行口座の取引明細チェックも試してみた。この機能を使うには自分の取引銀行と別途、インターネットバンキングに関する契約をしておく必要がある。取引明細一覧にある画面左のメニューから「金融機関に移動」を選択し、まず銀行のWebページにアクセスする。そして次に銀行から郵送されてきたお客様番号と暗証番号のほか、任意のログインパスワードとメールアドレスを入力する。するといともあっさり画面上に最近の取引明細が現れた。こんなに簡単に明細が確認できるとは実に便利である。ただしここまでは銀行が独自に行っているインターネットバンキング・サービスの一部だ。Moneyがなければ実現できない固有の機能は、この明細をダウンロードしてソフトに取り込んでしまえることである。

 もっともひとつ気になったのは、銀行のWebページへアクセスするまでに操作の手数がけっこうかかる点だ。取引明細の照会はかなりよく使う基本的な機能だろう。Moneyのホーム画面はカスタマイズできるが、例えばMoneyのホーム画面上からワンクリックで銀行のWebページへアクセスできればもっと便利になるのではないかと感じた。



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