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趙章恩氏に聞く、韓国最新ヒットコンテンツ事情(前編)

2003年07月22日 04時19分更新

文● 月刊アスキー編集人 遠藤諭

オンラインゲーム・携帯電話・電子政府 韓国の最新ヒットコンテンツ事情(1)

韓国のIT事情は、日本のメディアで紹介されたころには「いつの話をしているの?」ということが本当に多いという。“韓国ITを最も正確に伝えるジャーナリスト”として活躍中の趙章恩氏が、セミナーのために来日する。「2002年度『韓国IT総決算』に学ぶ/日本でも必ず起こるブロードバンドサービスの成功と失敗」(新社会システム総合研究所・アスキー共催/7月30日(水)午後3時~5時)と題したセミナーだ。2003年末にインターネット利用者が6000万人と言われる日本の“1年先のビジネス”に貴重なヒントとなるはずだ。セミナー準備中の趙さんに、その“さわり”を電話インタビューでうかがった。今日と明日の2回に分けてお届けする。(聞き手:月刊アスキー編集人 遠藤諭)

PlayStationのショウルーム
PCオンラインゲームの本場に家庭用ゲーム機がやってきた! COEXにあるMEGAWEB STATIONという巨大インターネットカフェが半分に縮小されてそこに出来たのがPlayStationのショウルーム

■ 誤解されている? 韓国オンラインゲーム

[遠藤] 日本が韓国ITでいちばん注目しているのはオンラインゲームです。ただ、オンラインゲームが普及した理由としてゲームセンターと家庭用ゲーム機の不在が理由としてあげられてきました。PlayStation2とXboxが相次いで上陸したわけですがどんな状況ですか?
[趙] PlayStation2とXboxは、どちらも無料で遊べるスポットを若者の集まるCOEXモールや日本の秋葉原にあたるヨンサン(竜山)に作りましたね。無料でプレイできるようにもなっていて、たくさんの人たちで賑わっていますよ。
[遠藤] 売れているのですか?
[趙] 人は集まっているんですが、まだ、どこまで伸びるかは分かりませんね。好きな人はすでに並行輸入のお店で買って持っているというのもあります。買っている層としては高校生から大学生で余裕のある人たちです。
[遠藤] Xboxは、オンラインゲームで世界的に巻き返しをはかろうとしているわけですが。そういう意識はあるのですかね?
[趙] PlayStation2のほうが、単純にソフトもたくさんあるので人気のようです。
[遠藤] 肝心のPCのオンラインゲームはどうなっていますか?
[趙] オンラインゲームをやっている層は、PlayStationなどとは違って、子供から30代後半までかなり厚い層があります。ただ、去年10月よりオンラインゲーム事前等級審議制度が始まってオンラインゲームの内容が審査されるようになりました。映像物等級審議会と情報通信倫理委員会が事前審議をして、全体利用可、12歳、15歳、18歳、のように4段階に分けます。未成年者はプレイできないとか指定されるようになったのですね。人気ゲームの1つ「リネージュ」も、最初はそれに引っかかり18歳以上利用可の判定が出てバージョンを2つに分けて12歳以上と15歳以上用をサービスしてます。ゲーム産業協会は今年中にゲーム自律審議とゲーム産業法立案を推進すると言ってます。オンラインゲームは“音盤、ビデオ、ゲーム類に関する法律”でひっくるめて規制されているので、現実とかけ離れた部分が多く業界では問題になっていますが。
[遠藤] 韓国でオンラインゲームというと、“PCバン”(韓国風インターネットカフェ)で、会社の帰りとかに連れ立ってやるという話でしたが。
[趙] PCバンは、この1年間に全国に2万店あったのが半分以下に激減しました。
[遠藤] なぜそんなに減ったんですか?
[趙] PCバンがゲームで盛り上がっていた時代は、米国製の『StarCraft』という単純で人数が多くないと面白くない戦争ゲームがほとんどだったので一緒に盛り上がれたのですね。ところが、『リネージュ』などは、どちらかというと家で1人でやるようなゲームですから……。
[遠藤] ゲームメーカーはどんな感じですか?
[趙] リネージュのNCソフト、ラグナログオンラインのグラビティー、ミューのウェップゼン3社ほどの寡占状態になっています。小さいところは、次々と潰れています。韓国には「お金がお金を集める」という表現があるのですが、まさに、そのとおりの状態です。そのあたりは、8月18日~21日に展示会があるのでいらっしゃると分かると思います。“SOUEL GAME SHOW”が“COMDEX KOREA”と一緒に開催されます。
[遠藤] 政府関係の団体がオンラインゲーム市場を支援していますよね? いろいろな話があってよく分からなくなるのですが。
[趙] “文化観光部”というところが仕切っていますが、情報通信部、産業資源部、ゲーム産業協会,ゲーム制作協会,オンラインゲーム協会、情報通信産業協会、ベンチャー協会、ベンチャー企業協会、PCバン協会、映像物等級審議会、情報通信倫理委員会など,もっといろいろありますが……。
[遠藤] ところで、いま話題のゲームというと?
[趙] 『リネージュ2』が出ましたね。20代から30代がターゲット、つまり、お金にならない小学生を捨てて、お金が払える年齢をお客さんにしようというわけです。いまテレビでコマーシャルをガンガンやっているのがアダルト系のオンラインRPGゲーム『A3』(アクトズソフト)で「子供はあっちへ行け!」なんてコピーでやっていますね。美しいフル3Dグラフィックスで、女の子がちょっと危ない衣装を着ている。文化観光部で取り締まっていた“殺し合い”の部分も、これはアダルト向けなので入っています。もっとも、韓国のオンラインゲームはプレイヤー同士の殺し合いが目玉なのですよ。殺して相手の持っていたアイテムを奪う。どうも、日本はそのあたりの感覚が少し違って『リネージュ』より、可愛い絵の『ラグナロク』のほうが受けているみたいですが。
[遠藤] ソフトバンク・グループがオンラインゲームのポータルBB Games”を作ると発表したわけですが、韓国のゲームメーカー80社を含む110社と提携し、「本年度末までに100タイトル以上を同ポータルにて展開する」というものでした。
[趙] 孫正義氏が韓国のオンラインゲームを日本に輸出してくれるサポーターとして話題になってます。ただ、オンラインゲームは大手の3社以外の後から出てきたところは、市場がすでに枯れてますから日本に出ていくしかないという状況もあります。計画では日本に進出するというということに自動的になるのです。あるいは、日本と同じようにオンラインゲームがいま始まろうとしているところ。タイやインドネシアという話もよく聞きますね。
韓国でいま話題のサービスといえば“HOMPY”だ
韓国でいま話題のサービスといえば“HOMPY”だ。背景音楽、画像、アバタ全て有料で、これぐらいのお部屋を作ってお客さまをもてなすには3万ウォン(約3000円)はかかるとか

■ 注目のアバタ型コンテンツ “HOMPYサービス”

[遠藤] アバタは相変わらず人気なのですか?
[趙] アバタは“セイクラブ”が始めたサービスですが、いまでもセイクラブは人気がありますね。韓国では、日本のYahoo!のものみたいにオプションではなくて、登録したら自動的にアバタが付いてくる。メールを出すのにも、掲示板に書き込みをするのにも、アバタが付いてまわる。掲示板なら、自分の書き込みのところに自分のアバタの絵が貼り付けられる。ところが、初期状態では裸か下着のままだったりするので、しかたなく服を買ってあげないといけなくなるのですね。
[遠藤] 新しい傾向としては?
[趙] アバタの世界のアイテムのお値段が上がりましたね。以前は、500ウォン(約50円)でTシャツを買うとか、そんな感じだったのが、いまは髪型が1500ウォン、整形とか髪を染めると1万ウォン、ペットを買うと3500ウォンとか……。
[遠藤] インフレですね。
[趙] 新しいサービスとしてはセイクラブを運営しているネオウィズの“HOMPYサービス”(http://hompy.sayclub.com/)が面白いですね。これは、世界的に流行った“ブロッグ”を発展させたものと解釈されていますが、アバタが相手のアバタのホームに遊びに行くという仕掛けです。小さな画面のホームに遊びに行ってチャットしたり……。
[遠藤] 『PostPet』のメッセンジャー版という感じですかね? でも、行った相手のホームも見えるとするとホームページ的というか、たしかに、機能は違うけどブロッグ的な要素がありますね。
[趙] 部屋を模様替えするのにお金がかかったりするんですね。これの中では歌手であるとか言ってスタジオにすると1万ウォンとか、バックダンサーを雇うと3500~7000ウォンとか……。
[遠藤] 日本はアバタはもうひとつ成功しませんね。
[趙] Yahoo! JAPANのアバタは怖いですよね。韓国では使わないでしょう。キャラクタが可愛いかどうかがとても大切なのです。でもまずは、コミュニティーの人気がこの種のサービスを成功させる必須要素なんです。
[遠藤] コミュニティが盛り上がっているけどお金にならないという状況でアバタで収益を得るのですよね。だから、アバタだけ日本に持ってきてもうまくいかない。こういう間違いはずっと繰り返されているような気がしますね。それにしても、ユーザーのデスクトップのようすが変わってきたというのは面白いですね。
[趙] “HOMPYサービス”や“メッセンジャ”が流行ってきていて、ブラウザを使わなくなってきていますよね。メッセンジャーで検索して、メールして、もちろん、メッセンジャーとしても使って、そこからやっとブラウザを立ち上げる。
[遠藤] コミュニケーション系のサービスといえば、韓国では“ダイヤルパッド”(http://www.dialpad.co.kr/)というインターネット電話が、ごく普通に使われていましたよね?
[趙] ダイヤルパッドは2001年有料化してからはほとんど使われませんね。収益がなく今は電話よりアダルトコンテンツに集中してます。なぜ、日本はインターネット電話のことをあんなに騒いでいるのか分からない。
[遠藤] インターネット電話は、単にADSL加入の売り文句になっているだけですよ。
[趙] 韓国の人は、メッセンジャーをメチャメチャ使うというのもありますが。いまは、国際電話を使う企業とかが利用者の中心ではないですね?

※明日は、ストリーミングと携帯電話、電子政府の話題をお届けします。

趙章恩(チョウ チャンウン)氏
韓国ソウル生まれ。日本で高校を卒業後、韓国に渡り梨花女子大学卒業。韓国大手企業の日本担当部署を経て、現在、日韓ITを軸にしたリサーチ、コンサルティング、視察コーディネートを専門とするJ&JNETWORKのシニアコンサルタントとして、日韓で雑誌や日刊紙、TV、ラジオなどでIT評論家としても活躍中。また、韓国で唯一、日本とのインターネットビジネス交流を図る非営利団体JIBC(http://www.kjibc.org)の会長であり、著書として『韓国インターネットの技を盗め』(アスキー出版)、『日本インターネットの収益モデルを脱がせ!』(ドナン出版)がある。

■セミナーのお知らせ

-2002年度『韓国IT総決算』に学ぶ-
日本でも必ず起こる
ブロードバンドサービスの成功と失敗

日時:2003年7月30日(水)午後3時~5時
会場:明治記念館 東京都港区元赤坂2-2-23 TEL.(03)3403-1171
受講料:1名につき2万9800円(消費税込)
概要と申し込みのページhttp://www.ssk21.co.jp/broadband/7-30-03195.html

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