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マイクロソフト、『Windows Server 2003』記者発表会を開催――日本法人次期社長が壇上に

2003年06月25日 23時06分更新

文● 編集部 内田泰仁

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マイクロソフト(株)は25日、この日から始まる『Windows Server 2003,Enterprise Edition』『Windows Server 2003,Standard Edition』のパッケージ版発売にあわせて、記者発表会を開催した。今回の発表会には、7月1日付けで同社の代表取締役社長に就任する、米マイクロソフト社・日本担当バイスプレジデントのマイケル・ローディング(Michael Rawding)氏が壇上に立ち、『Windows Server 2003』の概要説明などを行なった。

米マイクロソフト社・日本担当バイスプレジデント、マイケル・ローディング氏

冒頭の挨拶の中でローディング氏は、今回の発表会を単なる製品の発表というだけではなく、“多数のパートナー企業と連携しながら『Windows Server 2003』を市場に投入することの発表”だと述べ、マイクロソフトとパートナー企業が『Windows 2000 Server』発売時よりも一層連携して販売の促進を推し進めるという方針を示した。また、米国での発表よりも2カ月遅れた理由については、マイクロソフトとハードウェア、アプリケーション、セールスおよびサービスパートナーが総力を挙げた体制を作り上げた発表にするためだとした。

『Windows Server 2003』の概要説明に関しては、“the Microsoft Conference+expo 2003”“Windows Server 2003 Reviewer's Workshop”の内容をまとめたもので、パッケージ版のラインナップや、“信頼できるコンピューティング(Trustworthy Computing)”に基づく製品品質を重視した製品開発とサポート体制についてが語られた。米マイクロソフト社の会長兼CSA(Chief Software Architect)であるビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が開発陣に対して徹底したコードレビューを指示したエピソードについてはこちらの記事でも紹介しているが、ローディング氏によると、書かれたコードにはその1行1行に責任を負うべき開発者が定められており、書いたコードの品質に対する責任を明確にすることにより、より品質の高い製品の開発を実現しているという。また、ITインフラの効率化を目標とする『Windows Server 2003』では、サーバーの統合、管理の自動化、セキュアーなネットワークアクセスをそれぞれ強化したことにより約30%の効率化を実現しているという。特に、管理の自動化については今後も継続して投資と研究開発を行なうとしている。

『Windows Server 2003』の開発で特に重視されたという製品品質に関する要点“信頼できるコンピューティング”を実現するための4つのポイント
『Windows Server 2003』の概要を説明するスライド

全世界で100以上の企業が参加したという“共同開発プログラム”にも参加した日本国内の13社の早期導入企業(※1)での導入事例や、64bit CPU『Itanium 2』を擁するインテル(株)、『Windows Server 2003』を搭載するIA-64サーバーを発表した日本電気(株)、デルコンピュータ(株)、日本アイ・ビー・エム(株)などのハードウェアメーカー、『Windows Server 2003』対応のアプリケーションやシステムを発表・販売するSAPジャパン(株)、(株)オービックビジネスコンサルタント、(株)大塚商会などの企業がビデオによるコメントや会場でのプレゼンテーションを行なった。また、発表会場に隣接するホールでは、『Windows Server 2003』を搭載したサーバー製品の展示も行なわれた。

※1 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)、(株)大塚商会、グローバルメディアオンライン(株)、三洋電機(株)、(株)ジェイアール東日本情報システム、(株)ジェイティビー、(株)スカイパーフェクト・コミュニケーションズ、セイコーエプソン(株)、(株)ニッセン、富士写真フイルムコンピュータシステム(株)、学校法人和光学園の計13社

日本電気(株)の執行役員常務、小林一彦氏SAPジャパン(株)の代表取締役社長、藤井清孝氏インテル(株)の代表取締役共同社長、吉田和正氏
来場したパートナー企業の代表者
ハードウェア関連のパートナー。『Windows Server 2003』を採用した『Itanimu 2』搭載サーバーは現時点で10モデル、全『Windows Server 2003』サーバーは75製品になるという“ソフトウェア関連のパートナー。対応アプリケーションは250、“Certified for Windows Server 2003”ロゴ取得製品は40製品セールスおよびビジネス関連のパートナー。販売店向けトレーニングの実施、量販店での法人向け相談カウンター開設なども行なわれる
『Windows Server 2003』パートナー企業の紹介スライド
NEC『Express5800/1320Xd』ヒューレット・パッカード『hp superdome』デルコンピュータ『PowerEdge』シリーズ
ホールで展示されていた『Windows Server 2003』搭載サーバー

会の最後に設けられた質疑応答のセクションでは、出席した記者からローディング氏に対し、7月1日から新たに日本法人の代表取締役社長に就任するにあたっての抱負や経営方針に関する質問が出たが、ローディング氏は、現時点では正式就任前であること、この日『Windows Server 2003』の発表会であることから、社長就任後に改めて会見を開きその席上で説明するとした。また、Linuxに対する『Windows Server 2003』の優位性についての質問に対しては、コスト面でLinuxがWindows Serverよりも優れていると信じられている風潮があるが、導入コストだけでなく運用コストも含めたTCOを考えると決してLinuxは安くなく、また、最近はLinuxサーバーの脆弱性を狙った攻撃も数々報告されており、セキュリティーの面においても『Windows Server 2003』のほうが優れているとした。

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