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SL-C700

SL-C700

2003年05月24日 00時00分更新

文● 及川 晴生

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利用シーンに合わせて
2つのスタイルを使い分ける

ビュースタイル 親指打ち
写真1 ワープロ書類など、縦長の画面を見るのに適している「ビュースタイル」。住所録などもこのほうが見やすい。写真2 親指打ち。慣れてくれば、長いメール程度ならば「ピコピコ」と打てる。「Fn」キーを使うときだけ、少し面倒。

 なおここまでの記述は、すべて手前にキーボード、その奥に液晶があるノートPCライク(というよりも電子辞典の方が感覚的には近い)の「インプットスタイル」と呼ばれる方法で使っている場合の話だ。この状態から液晶を回転させて閉じれば、従来のザウルスと同じように片手で本体を持ち、もう一方の手でスタイラスを握る「ビュースタイル」になる。インプットスタイルからビュースタイルに変更すると、表示が自動的に90度回転し、縦長の画面に切り替わる。スタイラスを使って気楽にメモを取りたい場合、あるいは文章を読みたい場面ではこのビュースタイルの方が使いやすい。

 インプットスタイルの際に利用するキーボードは、ボディのサイズから考えればかなり使いやすい。配列はいわゆるQWERTYだが、記号キーを「Fn」キーと同時押し、あるいは特殊な位置に配置して記号キーを極力省くことで、英数字キーに10.75mmとPDAとしては十分なキーピッチが確保されている。「<」と「>」がそれぞれ「N」と「M」キーの下にあるなど、記号の入力には若干慣れが必要だが、英数字の入力ではとまどうことはなかった。

無線LANアクセス
画面1 無線LANカードを差し込むと、自動的にアクセスポイントを探しに行き、可能であれば自動で接続してくれる。

 入力スタイルは、立って使うときは両手の親指を使ってということになる。インプットスタイルでも横幅はそれほどないため、よほど手が小さくない限り左右の親指ですべてのキーにアクセスできると思われる。机の上に置いて使う場合だが、筆者の細くない指では左右それぞれの手の4本の指を使って入力することはさすがに難しかったが、3本指でならタッチタイプが可能だった。立って使うときと、机の上に置いてタイプする場合の両方で過不足なく使える、絶妙なバランスに仕上がっている。もちろんこのあたりは個人差が激しい部分のため、店頭などで実機に触れて確かめてほしい。

 ビュースタイル時には、左手で本体を握ったときの親指の位置に電源のOn/Offのための「Power」、「OK」と「Cancel」、そしてシャトルキーがある。シャトルキーはシーソー型のスイッチで、アプリケーションによっては画面のスクロールなどで利用できる。文字の入力はスタイラスで文字認識やソフトウェアキーボードで行う。日本語の識字率の高さはさすが歴史を積み重ねてきた製品だけあって相変わらず高く、書き順が少々間違っていても何事もなく目的の文字を表示する。



左面(背面) CFカードスロット
写真3 ビュースタイル時の左面。インプットスタイル時は背面になるが、ボタン類は動作する。SDスロットにPHSを挿入すると、背面に出っ張ってしまうのが難点か。写真4 ビュースタイル時は上面になるCFカードスロット。こちらは本体から飛び出しても構わない位置に配置されている。真反対の下面は、PC接続用のコネクタが配置される。

 各種ポート類だが、インプットスタイル時の本体右側にCFカードスロットとヘッドフォンジャックがあり、背面には赤外線通信用の送受信口とSDカードスロット(セイコーインスツルメンツのSDタイプPHS「AH-S101S」を使えるものの、SDIO準拠ではない)、ACアダプタのコネクタがある。PCとUSBで接続する場合は、左側面の専用ポートを利用する。CFには無線LANアダプタやPHSを挿入することが可能で、これによりネットワーク/インターネットに接続できる。便利なのが、PHSや無線LANなど挿入されたカードを自動的に判別し、登録されている接続先を選択する「スマート接続」機能だ。カードを差し替えるだけでその時々の通信環境に接続条件が切り替わるため、煩わしさがない。

 バッテリにはリチウムイオン充電池が採用されており、取り外し可能になっているのでSL-C700とともに予備バッテリを持ち歩き、必要に応じて交換する、といった使い方ができる。フル充電での連続表示は約4時間50分としているが、これはバックライトの輝度が最小時の場合で、なおかつ同一アプリケーション(カレンダー)を連続的に表示させた場合となっており、実際の使用ではもう少し短くなることが予想される。予備のバッテリは必須だと考えたほうがいいかもしれない。

CFタイプビデオカード「CFXGA」
写真5 アイ・オー・データ機器のCFタイプビデオカード「CFXGA」には出荷時状態で対応しているので、差せばすぐに動き出す。プレゼンテーションもバッチリ。

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